排気量320ccのヤマハ「MT-03」と249cc「MT-25」。この2機種の購入を検討されている方は「どちらにすべきか?」と必ず悩むのではないだろうか。車両価格や車検の有無も重要なことだが、乗り味も大きく異なる。ここでは、走行性能という観点から2台のおすすめの選び方を解説しよう。
ヤマハ「MT-03」「MT-25」比較インプレ〈太田安治〉
スポーティさ重視ならMT-25、扱いやすさならMT-03
ヤマハ「MT-25」と「MT-03」のエンジンは、このクラスではオーソドックスな並列2気筒。中回転域からトップエンドまで一気に伸びていく180度クランクらしいスポーティさと、ライバル車に比べて低回転域で穏やかに力強く反応する特性が特長だ。
先代のMT-25/03はこのパラツインエンジンのややガサ付いた振動が気になったが、ハンドル位置が高くなってハンドルで支える上体の荷重が減ったためか、まったく気にならなくなったことも新型(2020年モデル以降)のうれしい進化のひとつだ。
MT-25は7000回転あたりからパワーが盛り上がり、11000回転以上まで軽々と回る。この約4000回転のパワーバンドをキープすれば、走りはMT-03よりも確実にエキサイティング。スポーツライディング重視ならMT-25がお薦めだ。
一方、MT-03のエンジンは、MT-25のシリンダーボアを8mm広げた320cc。その差70ccだが、約30%の排気量アップ。言うなれば1000ccと1300ccの差なのだから、動力性能に明らかな差があるのは言うまでもない。まして、低中回転域を多用するストリートでは力の厚みがまるで違う。
MT-25よりも1000回転低い回転で0.7kgーm大きなトルクを発生するのでクラッチを繋いだ瞬間から力強く、MT-25では反応が鈍くなる低回転域でもスロットルレスポンスはメリハリの効いたもの。同じ速度ならMT-25よりも1速高いギアで走れるからシフト回数が減らせて気ぜわしさがなく、高速道路での追い越し加速や2人乗り時でも余裕がある。
速さよりも扱いやすさを重視するなら、MT-03を選べば間違いない。小型二輪区分で車検が気になるという人も、自分でメンテナンスする習慣がないなら、車検時の点検整備でコンディションを保てる、と考えれば安心だろう。
エンジン
足回り
ヤマハ「MT-03」「MT-25」スペック比較
※ 《 》内はMT-03
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]
ヤマハ「MT-03」「MT-25」足つき性・ライディングポジション
「MT-03」「MT-25」のシート高と足つき性は完全に同じ
MT-03/MT-25のシート高:780mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
ポジションはMT−25と完全に共通。ハンドルが先代モデルより高くなったことで着座位置の自由度が上がり、上体の荷重を掛けたり抜いたりという操作もやりやすい。同時に大柄なライダーでも窮屈さを感じないゆとりも生まれている。
ヤマハ「MT-03」「MT-25」タンデム(2人乗り)チェック〈木川田ステラ〉
グラブバーはなく、ヒザの角度がキツめでしたが、ライダーとの距離が近くてニーグリップが深くできるので、しっかり体を安定できます。シートは滑りにくく、体が大きくズレることもありませんでした。ライダーとの距離は近いですが、シートの段差があって視界はとてもいいので、気持ちよくタンデムを楽しめます。
ヤマハ「MT-03」「MT-25」女性ライダー・インプレ〈木川田ステラ〉
MT-25は「高回転が気持ちいいとはこういう事か」とハッキリ理解出来るほどに、6000回転あたりからの爽快な吹け上がりが魅力。一方のMT-03はたった70ccの差なのに、かなりのパワーの違いで、低速時も高速時もゆとりを感じました。車体はどちらもニーグリップしやすく、ハンドルの位置もヒジが曲がりすぎない丁度いいもの。コーナリングでは想像以上に車体を寝かせたライディングを楽しめました!
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元サイトで投票・回答ヤマハ「MT-03」「MT-25」2021年モデル情報
この記事では2020年モデルの写真で2台を紹介してきましたが、2021年4月28日に2021年モデルが発売されます!
文:太田安治、木川田ステラ、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、森 浩輔
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