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想像以上にスポーティ! フィアット500Xスポーツ試乗記

フィアットのコンパクトSUV「500X」に、新グレード「スポーツ」がくわわった。箱根で試乗した印象とは?

ガンガンまわしたくなるエンジン

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箱根のワインディング・ロードをドライブしながら、う~ん、楽しいなぁと思った。クルマがドライバーを誘うのだ。もっとアクセルを、もっと踏み込んじゃえ、と。

ほいじゃ、そうさせてもらいますぅ。

500Xスポーツは、フィアット初のこのスモールSUVの内外装をその名称通り、スポーティに仕立てた新しいバージョンである。専用の前後バンパー、ボディと同色のサイド・スカート、2本出しのマフラー、そして19インチのアルミホイールなど、高性能スポーツカーのデザイン文法に則ってつくられたパーツの数々が組み込まれている。

Hiromitsu Yasui目玉は、専用のスプリングとショック・アブソーバーからなるサスペンションと言っていいだろう。最低地上高が13mm低められ、19インチのホイールが採用されている。500Xクロスは17インチだから、2インチのサイズアップである。

ただし、パワートレインには手が入っていない。フィアットの新世代ユニット、“FireFly(ファイアフライ)”1.3リッター直列4気筒ガソリンターボが“ピーキー”と表現したくなるぐらい高回転型なのだ。

ファイアフライは、500Xとその兄弟車のジープ「レネゲード」に搭載されて、昨年から日本市場に登場している。筆者はたまさか未体験で、今回、驚いた。さすが情熱の国イタリアである。

Hiromitsu Yasui技術的特徴として、マルチエアというフィアットの独自の可変バルブ・タイミング&リフト機構を備えている。吸気バルブのリフト量とタイミングを、カムシャフトではなくて、気筒ごと、燃焼のサイクルごとに油圧で自在に動かすことができるため、低燃費で、かつ高い出力が得られるとされる。

これまでの1.4リッター直列4気筒ターボもマルチエアだったけれど、新世代ファイアフライでは、排気量が100cc縮小されている。でありながら、最高出力151psを5500rpmで、270Nmの最大トルクを1850rpmで発揮する。1.4ターボは140psと230Nm、もしくは170psと250Nmだったから、1.4の高性能チューン版よりトルクは大きくなっている。

日本語では「ホタル」を意味するファイアフライの1.3は、2000rpm の手前で最大トルクを生み出すと、そこから先の3000rpmぐらいまではパワーが伸び悩む印象を受ける。このエンジン回転域は、たっぷりしたアクセル・ペダルのストロークの途中の、ちょっと重くなるあたりと一致する。遠慮がちな人は、ここでやめておこう、と、お考えになるかもしれない。そのちょっと重いところを無視して、奥までグイッとアクセルを踏み込むと、あら、ペダルがスッと軽くなる。

重くなるのが拒絶だとしたら、軽くなるのはOKの合図でしょう。踏むと、まるでホタルが飛び立ったみたいに、1.3リッター4気筒ターボは羽音のごとき軽やかなサウンドを奏でる。このエンジン、全体に静かで、さほどスポーティな音色ではないけれど、レッドゾーンの始まる6500rpm近くまでまわしてもガサツなところがない。ということで、ガンガンまわしたくなる。

Hiromitsu Yasui絶妙な足まわりのセッテイング

そして、500Xスポーツのスポーツを名乗るゆえんであるところの足まわりである。最低地上高が13mm低いということは、着座位置が13mm低い。重心が13mm低い。そこに225/40サイズの19インチのタイヤである。

このクルマ、乗り心地がたいへんいい。少なくとも箱根の山道を走っている限り、たいへんしなやかで、完璧に19インチを履きこなしている。荒れた路面でも、ドッシンバッタンもガツンという直接的なショックもない。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui試乗車の履いていたダンロップVEURO(ビューロ) VE304が快適性、静粛性、そしてウェット性能を重視した、フツーの乗用車用タイヤということもあってだろう、SUVにありがちな、SUVだ、ワイルドだろう、という方向ではなくて、適度にスポーティなハッチバック車という方向の味付けになっている。

さすがにSUVなので、走りはじめてすぐは、下駄を履いているような、着座位置の高さがちょっぴり気になったけれど、すぐに慣れた。電動パワー・アシスト付きのステアリングも、動き出しにひっかかり感があったけれど、これもすぐに慣れた。むしろこのひっかかり感が、ヴィヴィッドにタイヤのフィールを伝えている感じがしてきた。コーナー手前でステアリングを切ると、当然ロールする。そのロールは軽微で、ロールしてしまうと、そこからビシッとステアリングに正確に前輪がトレースしていくようなコーナリングを披露する。

Hiromitsu Yasui低いギアで全開にすると、ステアリングに明瞭なトルクステアがある。日本仕様の500XはすべてFWDだからである。スポーツも例外ではない。マイナーチェンジ 前には設定のあった4WDは、本国にはあるのに、導入されていないのは、本国版の4WDはマニュアルしかないからだ。アメリカ版のジープ・レネゲードにはちゃんと9速ATがあるのに……。さすがイタリアである。かの国ではあいかわらず、クルマはMTなのだ。

とすると、FWDに6速デュアル・クラッチ式オートマチックがあるのは奇跡ということになる。このDCT、アルファ・ミトでマルチエアとともにデビューしたものだと記憶するけれど、DCTなのに変速はややゆっくりめで、よくいえば、トルクコンバーター式ATと遜色ないスムーズさを持っている。ブリッピング入りの電光石火のダウンシフトがあればいいのに……と思ったけれど、いや、ATがあることが奇跡なのだ。ありがたいと思うべきである。

Hiromitsu Yasuiイタリア車は侮れない

なぜ、こんなに楽しいと感じるのか。箱根の山道を走っているうちに、自分がイタリアの庶民になったような心持ちになってくるのは、なぜなのだろう。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiクルマからのフィードバックがちゃんとあって、ライブ感があって、なんだか幸せな気分になってくる。アクセルを床まで踏みつけ、全開にすれば、世の憂きことを忘れるのは自動車のよきところだけれど、500Xスポーツの場合、それをイタリア流に忘れさせてくれる。

イタリア流とはなにか? これを説明するのはむずかしい。ただ、世界中のイタリア車ファンが、イタリアのパッション、エネルギー、エモーションを愛している。そして、そのことをイタリア車のつくり手自身が意識している。セダクションレッドという、500Xスポーツ専用として設定されたボディ・カラーも、つまりはイタリアン・レッドである。

Hiromitsu YasuiHiromitsu Yasui人工皮革のアルカンターラが3時と9時の位置に配されたステアリング・ホイールの手触りもよい。アルカンターラは日本人の発明による人工皮革なのにイタリア製で、イタリア製というありがたみを得ている。ブラック・レザーのシートも、ダッシュボードのダークな色調も、モダン・イタリアンという感じで、実際はそう速くなくても、スポーティなテイストはアバルトとも通用する。むしろ、アバルトを名乗っちゃったほうがわかりやすくてよかったかも……と筆者は思った。

いやはや、イタリア車は侮れない。侮れない、と、わかっているのについ侮りたくなるのは、500をそのままあっけらかんと大きくした500Xのユーモラスなカタチのせいもある。

Hiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu YasuiHiromitsu Yasuiでっかいといっても全長4295mm、ホイールベース2570mmというコンパクトさで、運転しながら小型車を操っている感がありありとある。いま、血中イタリア人濃度がイタリア庶民に最も近いレベルにあるイタリア車は、このスモールSUVであるにちがいない。

新たに500Xの旗艦として登場したスポーツの日本での価格は344万円で、既存の500Xクロスの3万円高と設定された。ホイールを17インチから19インチに履き替えるだけでも3万円以上するだろうから、たいへんお値打ちだ。

余談ながら、500XのMTも、FWDでも4WDでもよいので、パンダ4×4のMTのように、限定でたまに輸入することはできないのですか? と、FCAジャパンのひとに質問してみたら、パンダのMTも以前は年2回、発売していたけれど、現在は年1回。ユーザーの高齢化もあって、昨年7月に売り出した限定80台は半年たっても在庫が残っていたという。

「それでも、今年もやりますけど」

と、FCAジャパンの担当者は明るく言っておられた。500XのMTはむずかしいようだけれど、パンダ4×4のMTの新車をお探しの方は、しばしお待ちください。

Hiromitsu Yasui文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.)

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