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FE東京の準備で“遅刻”/予選は2分切り?/サポートレースにスーパーGTドライバーetc.【WECスパ木曜Topics】

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FE東京の準備で“遅刻”/予選は2分切り?/サポートレースにスーパーGTドライバーetc.【WECスパ木曜Topics】

 WEC世界耐久選手権は5月8日、ベルギーのスパ・フランコルシャンサーキットで第3戦が開幕。初日にはふたつのフリープラクティスのセッションが行われ、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツの6号車ポルシェ963が最速タイムを記録した。

 午後のFP2では多数のアクシデントも発生した木曜日のスパから、各種トピックスをお届けする。

過去8勝のスパで1台が初日トップ10入りのトヨタ。再舗装で「グリップが下がっているコーナーもあった」と平川亮


■すでに3秒近くタイムアップ

 ポルシェのドライバー、ケビン・エストーレは、6号車ポルシェ963を駆って2分01秒475という初日最速タイムを記録した。昨年のレース以降、このコースでは大部分が再舗装されたが、エストレは昨年の木曜プラクティスセッションでマークしたタイムは2分04秒162。初日にして、大幅なタイムアップを果たすこととなった。

 LMGT3クラスでも同様に大きなタイムアップが見られ、ザック・ロビションがハート・オブ・レーシングのアストンマーティン・バンテージGT3で2分18秒378というタイムを樹立している。これは、昨シーズンのプラクティスセッション1回目でダニ・ジュンカデラが記録した2分20秒885という記録を圧倒的に上回るものだ。

 2回目のプラクティスで赤旗が提示された3つのクラッシュのうち、アイアン・リンクスの60号車メルセデスAMG GT3 Evoのスティーブン・グローブがオー・ルージュのバリアに正面衝突した2回目のアクシデントが最も大きなダメージを与えたとみられる。

 アイアン・リンクスの広報担当者はSportscar365に対し、チームは損傷した60号車を修復中であり、金曜午後の予選に出場することを目指していると述べた。

 キャデラック・ハーツ・チームJOTAのドライバー、アレックス・リンは、路面再舗装の影響で、金曜日のハイパーカー予選のタイムが2分を切る可能性があると予測した。この英国人レーサーは、再舗装工事完了後の8月に行われた昨年のELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズでの経験を基に、この予想を立てている。

「以前よりも格段に速かった。古い路面ではタイヤのデグラデーションがとても厳しかったが、今はかなり良くなっている」とリンは語った。


■WECとフォーミュラEにまたがる「最良の妥協策」

 パスカル・ヴェアラインは木曜日のフリープラクティス1回目を欠席し、中断が続いた2回目のセッション中にポルシェ963の6号車に乗り込んで最初の周回を行った。Sportscar365に対し、ヴェアラインは来週のフォーミュラE東京大会『東京E-Prix』に向けたシミュレーターでの作業が、セッションに遅れた原因であると明かした。

 ヴェアラインは次のように語った。

「来週は東京でレースがあり、先週末はモナコから帰国したばかりで、チーム全員が(来週)月曜日にはすでに(東京へ向けて)移動中になるので、これが両方への準備ができる唯一のチャンスだったんだ。昨日と、今朝も少しシミュレーターをやって、その後スパのFP2に臨むというスケジュールが、両方の選手権にとっての最良の妥協案だった」


■ポルシェとプジョーは「雲泥の差ではない」

 ル・マン24時間レースのリザーブドライバーとしての準備の一環として、今週末ポルシェ5号車に加わるニコ・ミュラーは、963と昨年運転したプジョー9X8の間にいくつかの違いを感じたと語った。

 このスイス人ドライバーは記者団に対し、「確かに違うが、雲泥の差ではない」と語っている。

「LMHとLMDhの違いは明らかで、運転中に感じられる仕様の違いはいくつかあるが、適応は今のところ非常にスムーズに行っている。かなり快適に感じているよ。もちろん、システムを活用してマシンを最適な状態にするには、まだまだ学ぶべきことがたくさんあるし、まだマシンの走行距離は限られてはいるが、今のところ順調だ」

 ポルシェの代役ふたりのうち、ヴェアラインは木曜日に2分03秒747という最速タイムを記録した。一方、ミュラーのベストラップは2分04秒065。これらはいずれもFP2でマークされたものだ。


■トヨタ平川が感じる「250km/h以上」の世界

 FIAの広報担当者はSportscar365に対し、今週末からハイパーカークラスのドライバー補正重量の計算に使用される基準重量が82kgから78kgに引き下げられたことを確認した。引き下げられた重量はレース本番のみに適用され、またLMGT3の基準重量は変更されていない。

 今週末のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス:性能調整)によると、トヨタGR010ハイブリッドは時速250km未満で480kWの最高出力を発揮する。これは昨年富士でこの日本製マシンに与えられた最低出力より13kW低いが、いわゆる“パワーゲイン”の閾値を超えると一転、8.3%(39.8kW)増加する設定となっている。

 平川亮は、トヨタはオー・ルージュに到達する前に時速250kmを超え、その増加した出力をケメル・ストレートまで、またブランシモンからバスストップ・シケインまででも継続すると説明した。

「このサーキットはイモラに比べて時速250kmを超える区間が多くあります」と平川はSportscar365に語った。

「その効果ははっきりと感じられます。F1のDRSほど強力ではありませんが、キックを感じます」

 アルピーヌからF1世界選手権日本グランプリのプラクティスセッションに参加したため、4月上旬にスパ・フランコルシャンで行われたテストを欠席していた平川は、「今日のFP1で初めて新しい路面を体験しましたが、かなり早くスピードに乗れました」と語っている。


■“底”を経て浮上を予期するキャデラック

 NASCARのレジェンド、ジミー・ジョンソンが木曜日にパドックで目撃された。このアメリカ人ドライバーは、キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAのゲストとしてスパ・フランコルシャンに滞在中だ。

 JOTAの共同創設者であるサム・ヒグネットは、キャデラックVシリーズ.Rの2台が10位と16位に終わったことから、前回のイモララウンドがチームにとってWECカレンダーの中で最悪のサーキットになる可能性が高いことを認めている。

 彼は「我々はイモラが得意ではない。ELMSで1回、GTで1回、そしてその前にハイパーカーで1回しか出場していないのだ。こういったサーキットには生まれつきの知識が蓄積されているものだが、まだその知識が不足している」と語った。

 キャデラックは、先月のスパ・フランコルシャンでのテストを欠席した少数のハイパーカーメーカーのひとつだった。チームはイモラ戦への準備を優先し、3月にイタリアのサーキットでテストを行っていた。

「エンジニアリングがどこを目指しているか、そしてロジスティクスがどこまで許容するかによって決まる」とヒグネット。

「ふたつの要素を天秤にかける必要がある。イモラとスパのテストの両方を行えれば最高だが、マシンをすぐには準備できないのだ」

 ヒグネットはまた、JOTAが昨年のレースでの記録的な勝利を再現しようとする中、スパはキャデラックにとってより競争力の高いサーキットになると予測している。

「アレックス(・リン)は(昨年)グリッド2位だったので、ここでのマシンは良い状態だ。このサーキットとル・マン、つまりマシンに長時間負荷がかかる高速で流れるようなコーナーが、このマシンには合っている」


■グッドイヤーのセレブレーション

 今週末のサポートイベントは、カレラカップ・ドイツ&ベネルクス・シリーズだ。後者の注目すべきゲスト参加者のひとりは、ニッサンのスーパーGTレギュラードライバーであり、元WECドライバーでもあるベルトラン・バゲットだ。彼はサーキット近隣のヴェルヴィエの出身である。

 キャデラック、アルピーヌ、BMWは、来週火曜日にポール・リカールでテストを予定している。これはミシュランがフランスのこのサーキットで予定しているタイヤ開発テストの前日である。

 グッドイヤーは、創業100周年を記念し、今週末のLMGT3クラス向けに、あの有名な飛行船をモチーフにした特別なタイヤデザインを発表した。この飛行船も、週末を通してスパ上空を訪れる予定だ。

[オートスポーツweb 2025年05月09日]

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