現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 軽なのに維持費安くない! 2年連続で自動車保険料アップ 事故件数減っているのにナゼ?

ここから本文です

軽なのに維持費安くない! 2年連続で自動車保険料アップ 事故件数減っているのにナゼ?

掲載 19
軽なのに維持費安くない! 2年連続で自動車保険料アップ 事故件数減っているのにナゼ?

2年連続で値上がりした軽自動車の自動車保険

 年明けからすでに1か月が経過し、軽自動車ユーザーの中には保険の更新時期を迎えた人もいると思います。そのような人の中には、保険会社から送られてきた更新書類を見て「保険料率が値上がりしたな」と感じた人も多かったのではないでしょうか。

「世界一黒い」BMWを実見! 脳が混乱するほどの「黒を超える黒」、公道は走れるの?

 じつは2025年1月から、大手保険会社4社の軽自動車の保険料が3.5~5%ほど上がりしました。このように聞くと「ついこの前、値上げしたばかりじゃないのか?」と思った人もいるかもしれません。実際、1年前の2024年1月に3%アップしたばかり。つまり2年連続で保険料が引き上げられているのです。一昨年と比べると、軽自動車の保険料はじつに6.5~8%も上がった計算になります。

 値上げの理由について保険会社は、どのように説明しているのでしょうか。昨今の自動車は、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)や車間距離制御装置(ACC)、車線逸脱警報装置など、搭載された各種センサーやカメラなどを利用した先進安全装置の普及により、事故件数は95万2720件を数えた2004年のピーク時から半減し、交通事故死者数についても6分の1にまで減少しています。

 しかし、一方でこれら安全装置が軽自動車にも標準で装備されるようになったことに加え、昨今の物価高や人件費の高騰により、対物・自損事故の修理費用が10年間で2割もアップしているのだとか。さらには自然災害の増加により、洪水による水没や土砂崩れなどで破損した車両も増加しており、それらが保険料の値上げ要因になっているとしています。

 例えば、フロント部分を軽く接触させてしまい破損した場合、先進安全装置を備えない古いクルマならバンパー交換と板金塗装だけで修理が済んだのに対し、先進安全装置を搭載した最新型のクルマは、それに加えてバンパーに内蔵されたセンサー類やカメラなどの交換・調整作業が必要となり、修理費用は古いクルマの5~10倍に達することが珍しくなくなりました。

 すなわち、同じ破損程度でも、かつては10~15万円程度で修理できたものが、現在では数十万~100万円近い金額が掛かることもあるのです。

値上げと同時に形式別料率クラスも細分化

 現在のクルマは昔と比べて事故は起こしにくいものの、1回事故が起きると修理代は極めて高くつくと言えます。これは軽自動車も例外ではありません。また、長引く不況により世帯収入が横這いにあるなか、居住空間や快適性、走行性能が大幅に向上し、維持費の安い軽自動車を選ぶユーザーが増えています。

1980年代には国内の自動車台数のうち2割程度に過ぎなかった軽自動車の占有率ですが、昨今は5割に迫る勢いにまで増えており、このことが軽自動車の事故件数増加によって保険会社の経営を圧迫しているようなのです。

 2025年1月に実施された自動車保険の改定では、値上げ以外にも形式別料率クラスの仕組みが変わりました。これは、損害保険料率算出機構が対人賠償・対物賠償・人身障害・車両保険の4つの基本補償から事故統計に基づきそれぞれの等級を決定し、最終的な保険料金を産出するというものです。

 軽自動車の場合、この4つの等級が2019年までは1つの区分しかありませんでした。しかし、2020年からクラス1~クラス3の3区分に分けられ、さらに2025年1月からはクラス1~クラス7の7区分まで細分化されています。

 7区分のうち、クラス1が事故率の低いものとして最も安く設定され、反対にクラス7が事故率の高いものとして最も高くなっています(ちなみに小型・普通乗用車の場合は17区分)。クラス1~クラス7の倍率は最大で1.7倍となります。

保険料を安く抑えたいなら、ココに注目!

 損害保険料率算出機構のウェブサイトを確認したところ、これまでの3区分が7区分となったことで、従来クラス1だった車種の場合、改定後は1~2、クラス2の車種は3~4というように変化しています。これまでクラス1だったクルマが急にクラス7になるようなことは常識的にはまず考えられず、保険料がいきなり1.7倍に増えるようなことはありえません。

 形式別の料率クラスは、安全装備の有無や車両価格の高さ、年式の古さなどは関係なく、自動車の型式ごとの事故発生状況に基づいて決定し、現実を踏まえて適宜見直されています。従って事故の多い車種は保険料が高くなり、事故の少ない車種は安くなります。

 すなわち、売れ筋の人気車種ほど登録台数が多いので、その分事故発生率は高く、形式別料率クラスも高くなる一方、不人気車種や古いクルマは登録台数が少なく事故発生率も低くなるため、形式別料率クラスが低くなる傾向があると言えるでしょう。

 小型・普通車では、登録台数の割に事故率の高いスポーツカーは形式別料率クラスが高くなる傾向にあるのですが、面白いことにダイハツ「コペン」やホンダ「S660」などの軽スポーツカーは、趣味車として大事に乗られているからか事故件数が少ないようで、対人賠償・対物賠償・人身障害・車両保険の4つの項目はいずれも1~3です。

 一方、営業車として使用例の多い先代のスズキ「アルト」やダイハツ「ミライース」は意外にも事故率が高いようで、それぞれの項目は5~7となっています。

 自動車保険を安く抑えたい人は、損害保険料率算出機構のウェブサイトで形式別料率クラスを調べてから、買い替え時に車種選びをしても良いかもしれません。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

F1のドメニカリCEO、バンコクでのF1タイGP開催の可能性について協議。開幕戦オーストラリアGP後に直行
F1のドメニカリCEO、バンコクでのF1タイGP開催の可能性について協議。開幕戦オーストラリアGP後に直行
motorsport.com 日本版
またしても快挙!! と思いきや8位ゴールは記録に残らず 世界最高峰クラス2戦目で小椋藍選手が見せた好走は誰もが認める事実に
またしても快挙!! と思いきや8位ゴールは記録に残らず 世界最高峰クラス2戦目で小椋藍選手が見せた好走は誰もが認める事実に
バイクのニュース
ポルシェの「eバイク」が走行性能向上、タイカンやマカンのボディカラーを採用
ポルシェの「eバイク」が走行性能向上、タイカンやマカンのボディカラーを採用
レスポンス
レーシングドライバーがライバル2台を徹底分析! インプレッサWRXとランエボの違いとは?
レーシングドライバーがライバル2台を徹底分析! インプレッサWRXとランエボの違いとは?
WEB CARTOP
カワサキ「“新”エリミネーター」発表! “ロー&ロング”スタイルが超カッコイイ! 「抜群の足つき」と軽快な走りの「ストリート“クルーザーバイク”」登場!
カワサキ「“新”エリミネーター」発表! “ロー&ロング”スタイルが超カッコイイ! 「抜群の足つき」と軽快な走りの「ストリート“クルーザーバイク”」登場!
くるまのニュース
ウインカーは英語圏で通じない!? それどころかアメリカとイギリス同士でも言い方が違うだと? クルマのアメリカvsイギリス英語の世界
ウインカーは英語圏で通じない!? それどころかアメリカとイギリス同士でも言い方が違うだと? クルマのアメリカvsイギリス英語の世界
WEB CARTOP
大阪環状線の車両が「新大阪」に乗り入れ開始! “異色ルート”で走る列車の運行はじまる
大阪環状線の車両が「新大阪」に乗り入れ開始! “異色ルート”で走る列車の運行はじまる
乗りものニュース
角田裕毅、F1中国GPも好調の予感? 今年初のスプリント実施に向けて持ち込みのマシンセットアップが鍵に
角田裕毅、F1中国GPも好調の予感? 今年初のスプリント実施に向けて持ち込みのマシンセットアップが鍵に
motorsport.com 日本版
超レトロ顔のトヨタ「シエンタ」がスゴイ! 旧車デザインの「コンパクトミニバン」!?  斬新「ミニ顔」のDAMD「シエンタ STUART」とは
超レトロ顔のトヨタ「シエンタ」がスゴイ! 旧車デザインの「コンパクトミニバン」!? 斬新「ミニ顔」のDAMD「シエンタ STUART」とは
くるまのニュース
インフィニティの最上位SUV『QX80』新型、米IIHSの安全性評価で最高ランクに
インフィニティの最上位SUV『QX80』新型、米IIHSの安全性評価で最高ランクに
レスポンス
なぜいまキャデラックが日本でEV重視戦略を進めるのか? その背景にグローバルEV市場の変化あり!
なぜいまキャデラックが日本でEV重視戦略を進めるのか? その背景にグローバルEV市場の変化あり!
LEVOLANT
400Vが中心の電気自動車に800Vアーキテクチャー採用の流れ! そもそも電圧を倍にすると何がいいの?
400Vが中心の電気自動車に800Vアーキテクチャー採用の流れ! そもそも電圧を倍にすると何がいいの?
THE EV TIMES
中央発條、爆発事故の再発防止策を公表 人的ミスは否定 被災ラインの復旧時期は未定
中央発條、爆発事故の再発防止策を公表 人的ミスは否定 被災ラインの復旧時期は未定
日刊自動車新聞
「毎日乗れるスーパーバイク」が進化!若者に人気のヤマハ『YZF-R3』『YZF-R25』2025年モデルの注目ポイントは
「毎日乗れるスーパーバイク」が進化!若者に人気のヤマハ『YZF-R3』『YZF-R25』2025年モデルの注目ポイントは
レスポンス
トーヨータイヤ、トヨタ/TGRドライバー4人を起用しニュル24時間の計3クラスに参戦へ
トーヨータイヤ、トヨタ/TGRドライバー4人を起用しニュル24時間の計3クラスに参戦へ
AUTOSPORT web
「予防的通行止め」に殺到する不満の声…「経済が大混乱」「ヤル気ない」「過剰に反応しすぎ」の意見も!? “叩かれまくり”なのに「事前決定」を行う理由とは
「予防的通行止め」に殺到する不満の声…「経済が大混乱」「ヤル気ない」「過剰に反応しすぎ」の意見も!? “叩かれまくり”なのに「事前決定」を行う理由とは
くるまのニュース
E-TECHハイブリッドは雪上でどう生きる!? ルノー・アルカナ試乗記
E-TECHハイブリッドは雪上でどう生きる!? ルノー・アルカナ試乗記
LEVOLANT
キッチンカーの天ぷら油がジェット燃料に! コスモ石油グループが会津地方で展開
キッチンカーの天ぷら油がジェット燃料に! コスモ石油グループが会津地方で展開
レスポンス

みんなのコメント

19件
  • こうりん
    売れているクルマのユーザーから取る。
    取りやすいところから取る。
  • jyx********
    警視庁の統計によると、事故時の軽の死亡事故率は2倍。ということは、事故で支払う保険金も高くなる。軽からもっと保険料取った方が公平でしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村