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ボルボ、新型「ハイブリッドSUV」欧州発売か EV充電インフラ未整備の地域に対応

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ボルボ、新型「ハイブリッドSUV」欧州発売か EV充電インフラ未整備の地域に対応

完全電動化に向けた「橋渡し」

ボルボは、中国で発表した新型SUV『XC70』を欧州市場にも導入する可能性がある。電気のみで長距離を走行可能なプラグインハイブリッド車(PHEV)が、欧州の電動化において重要な役割を果たすとの認識だ。

【画像】約9年ぶり『XC70』が復活! 高性能ハイブリッドSUV【ボルボの新型XC70と現行型XC90を比較する】 全19枚

XC70は先週、既存のXC60とXC90の中間に位置するミドルサイズSUVとして一部公開された。「ロングレンジ(長距離)・ハイブリッド」とも呼ばれる新開発のパワートレインを採用し、電気のみでの航続距離は約200kmと、同社が現在販売するどのPHEVよりもはるかに長い。

ボルボの親会社である吉利汽車のプラットフォームをベースに中国で生産され、当初は中国市場での展開が予定されているが、グローバル展開も検討中だ。今回、ボルボのCEOであるホーカン・サミュエルソン氏は、欧州市場への導入の可能性を認めた。

フィナンシャル・タイムズ主催の『Future of the Car』カンファレンスで、サミュエルソン氏は「欧州の一部の地域では、充電ネットワークの整備は遅れるでしょう。欧州の南部や東部を見ると、その傾向は顕著です」と述べた。

「先行しているのは、西端のノルウェーです。そこでは電動化への移行が急速に進むでしょう。しかし、他の地域では、ロングレンジ・ハイブリッドが非常に良いソリューションとなります。環境面から見ると、ロングレンジ・ハイブリッドがあれば、移動の大部分は電気で賄えるからです。つまり、それは『EV』と言えるでしょう」

「航続距離が非常に短い場合、移動の大部分はガソリンで賄われることになります。当然のことながら、それは化石燃料フリーではありません。したがって、あえて言うならば、長距離走行が可能なPHEVは、バッテリーが切れた場合(それほど頻繁には起こらないでしょうが)のバックアップ用エンジンを備えたEVとなるでしょう」

「これは良いソリューションであり、良い橋渡し役になると思います。このクルマには、完全EVと共通する多くの技術が採用されています」

「顧客がEVを快適に利用できるようになるまでの、現実的な橋渡し役となります」

サミュエルソン氏は、XC70を具体的にどの地域で販売するかについては明言を避け、また導入時期についても言及しなかった。

電気のみで200km走行可能なPHEV

『XC70』という名称がボルボの市販車で使用されるのは、2016年以来のことだ。

中国市場では今年後半に発売される予定で、技術的な詳細はまだ不明だが、ボルボは最大200kmの電気走行距離を謳っている。これは現行型XC60 PHEVの2倍以上の数値だ。

サイズとしてはXC60よりもやや大型で、基本的にはXC90の小型版といった印象だが、構造的には大きく異なり、レンジエクステンダーEV専用に設計された新しいプラットフォーム『スケーラブル・モジュラー・アーキテクチャー(SMA)』を採用している。

このSMAは「プレミアムな長距離プラグインハイブリッド・アーキテクチャー」と説明されているが、ボルボの他のプラットフォームや、親会社の吉利グループのプラットフォームとの関係性については明かされていない。

吉利傘下の兄弟会社であるロータスも、高級EVの需要が予想を下回ったことを受け、今後数年にわたってレンジエクステンダーEVへの投資を行う予定だ。ロンドンタクシーの製造で知られるLEVCも、2017年からボルボ製エンジンをベースとしたレンジエクステンダー・パワートレインを採用している。

ただし、この2社がバッテリーを充電する発電機として内燃機関を使用しているのに対し、ボルボの新型XC70は従来型のPHEVという位置づけだ。

それでも、XC70は中国におけるロングレンジ・ハイブリッド車の大きな需要に十分応えることができるだろう。

フォルクスワーゲンも、上海モーターショーで中国向けのレンジエクステンダーEVコンセプト『ID.Era』を発表している。XC70とほぼ同じサイズで、上海汽車(SAIC)と提携して開発したものだ。

ボルボと同様、フォルクスワーゲンの販売&マーケティング責任者はAUTOCARの取材に対し、「レンジエクステンダーは、すでに中国では非常に大きな存在となっています。北米でも関心が高く、欧州でも注目を集めると確信しています」と語り、グローバル販売の可能性もあるとした。

ボルボにとって、XC70は業界の「混乱」と「厳しい外部環境」に対応するために特に重要な役割を担っている。

こうした混乱の中でも、ボルボは「完全EVメーカーになるという目標は揺るぎない」と表明したが、2025年第1四半期のEV販売は全体のわずか5分の1に留まり、「PHEVは、まだ切り替えの準備ができていない顧客にとって現実的な橋渡し役になる」と述べている。

XC70という名称は、2016年までV70のオフロードバージョンで使用されてきた。このモデルは当初、V70 XCと呼ばれ、「XC」は「クロスカントリー」を意味している。

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