オールドファンにとって、プジョーとシトロエンはフランス車という共通点はあるものの別会社。しかし現在は同じステランティスの中の2つのブランド。つまり「プジョー 5008&シトロエン C5」のような興味深い兄弟関係も生まれてくるのだ。
※本稿は2026年6月のものです
【画像ギャラリー】同じフランス車なのに全然違うじゃん!! 5008とC5エアクロスの個性派デザインを見比べて!(20枚)
文:山本シンヤ/写真:望月勇輝
初出:『ベストカー』2026年7月10日号
基本骨格は同じでもブランドの味を凝縮
プジョーとシトロエン。元々は思想も歴史も異なるが、現在は基本コンポーネントを共用しつつも、デザインや走りの味付けで見事なまでの棲み分けを行う。
今回は大幅改良されたプジョーの3列シートSUV「5008」とシトロエンのフラッグシップ「C5エアクロス」で検証してみた。
そもそも2台の内外装は別物。エッジの効いたモダンなフォルムに、未来感あふれるデジタルコックピットを奢る5008。対するC5エアクロスはスクエアでありながらも独創的なフォルムに、自宅のラウンジのように心地よいフワフワのインテリアを組み合わせる。
パワートレーンは「直3、1.2Lターボ+マイルドハイブリッド」、プラットフォームには最新の「ステラ・ミディアム」とメカニズムは共通だが、その味付けは180度異なる。
プジョー5008は3列シートSUVであることを忘れるほどの“元気”な走りに圧倒される。エンジンは小気味よく回り、伸びやかなフィーリングをグイグイ主張。
ハンドリングは薄皮を2~3枚剥いだかのように機敏だが、奥でグッと粘る。コシがある乗り心地も相まって、走るほどに脳内からアドレナリンが湧き出てくる快感仕様である。
共通のコンポーネントでも別モノの仕上がりに
一方のシトロエンC5エアクロスはガラリと世界観が変わる。こちらは電動車感が強めでエンジンはあえて黒子に徹する上品な味付け。
ハンドリングは逆に薄皮を2~3枚足したかのように穏やかで、乗り心地はソフト。走るほど脳内から幸せの脳内物質・セロトニンが分泌され、心から落ち着く“癒やし”の走りだ。
旧世代のモデルを知るマニアからは「味が薄くなった」という声も聞こえそうだが、日本車やドイツ車と比べればオリジナリティと乗り味は「超濃厚」の極み。
かつてフランス車の弱点だったインフォテイメントや運転支援デバイスは、ほぼフル装備。その上で戦略的価格設定だから恐れいる。
退屈な日常のドライブを、極上のエンターテインメントに変える最新フレンチSUV。安心して「フランス車の沼」にハマってほしい。
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