ディスプレイオーディオの時代に対応した使い勝手
カーナビアプリ市場では、GoogleマップやYahoo!カーナビなど無料サービスの存在感が年々高まっています。
【画像】使いやすい!「カーナビタイム」を写真で見る(13枚)
一方で、有料サービスならではの高機能や高精度なルート案内を武器に、多くのユーザーから支持を集めているのがNAVITIMEの「カーナビタイム」です。
従来からカーナビタイムは、渋滞情報を活用した高度なルート探索やオフラインナビゲーション機能に定評がありましたが、近年はApple CarPlay(以下:CarPlay)とAndroid Autoへの対応を強化したことで、ディスプレイオーディオを搭載するクルマとの親和性が大きく向上しました。
そこで今回は、Apple CarPlay環境で実際にカーナビタイムを使用し、その使い勝手や案内性能を検証しました。
CarPlayでカーナビタイムを起動すると、自車位置を中心とした地図がすぐに表示されます。
画面にはコンビニやガソリンスタンド、レストラン、駐車場などの施設がアイコン表示され、周辺情報を直感的に把握できるようになっていました。特に便利だったのは、ガソリンスタンドでは燃料価格、駐車場では料金が表示されることです。土地勘のない場所でも価格を比較しながら施設を選べるため、旅行や出張でも役立つでしょう。
地図スクロールも非常に滑らかで、大きなアイコンと整理されたメニュー構成によって操作性も良好です。視線移動を最小限に抑えながら必要な情報へアクセスできるため、車載ディスプレイでの利用を前提に丁寧に設計されていることが伝わってきます。
ルート案内も非常に充実しています。交差点名や車線案内、分岐イラストなどが分かりやすく表示され、純正ナビから乗り換えても違和感を覚えることはほとんどありません。むしろ一部の純正ナビ以上に情報量が豊富だと感じる場面もありました。
一方で、CarPlayにとどまらずAndroid Autoで目的地検索を行う場合には、安全性を重視したプラットフォーム側の制約があり、スマートフォン版のすべての機能を車載ディスプレイで利用できるわけではありません。
たとえばCarPlay上で目的地を探せるのは主に周辺施設で、住所検索や詳細なフリーワード検索には対応していないことが多いようです。電話番号や施設名から目的地を探せるものの、知人宅など細かな住所を直接入力する用途には向いていないと思っていいでしょう。
しかし、この弱点はスマートフォンとの連携によって簡単に補えます。
スマートフォン版のカーナビタイムでは、住所や電話番号だけでなく、チェーン店名や施設ジャンル、営業時間など多彩な条件から検索できます。音声入力にも対応しているため、運転前に目的地を素早く設定できる点も魅力です。
さらに、ルート探索では複数の候補ルートが提示され、高速道路優先や一般道優先など条件を比較できます。出発時間を変更した場合の到着予想時刻まで表示されるため、「渋滞が解消してから出発した方が早い」といった判断も容易です。
もちろん、設定したルートはそのままCarPlayへ反映されるため、スマートフォンと車載ディスプレイを組み合わせることで、両者の長所を最大限に活用できるというわけです。
質の高いルート選択 GPSが届かない場所でも正確に案内
実際に走行して、もっとも感心したのは、ルート選択の質の高さでした。
無料ナビでは住宅街の狭い道路へ案内されるケースも少なくありませんが、カーナビタイムは交通の流れを考慮した走りやすい道路を優先して案内します。運転中に「なぜこの道を選んだのだろう」と感じる場面がほとんどなく、安心して走行できました。
分岐点では交差点名や残り距離だけでなく、拡大図や車線ガイドも表示されます。さらに案内ルートの色が通常時から変化し、交差点が近づくと黄色で強調表示されます。これに合わせて地図表示も3Dから2Dへ自然に切り替わるため、交差点までの距離感が非常につかみやすくなるのです。
運転中は「曲がるタイミングを逃してしまった」という経験が誰にでもありますが、このような視覚的な工夫によって進路変更のタイミングを直感的に把握できる点は高く評価できると思います。
長距離ドライブでは、サービスエリアやパーキングエリア、道の駅、ガソリンスタンドなどを経由地として簡単に追加できます。実際に高速道路を走行すると、「そろそろ休憩したい」と思ったタイミングで周辺施設をすぐに検索でき、スマートフォンを操作する必要がありませんでした。
また、進入禁止や時間規制、スクールゾーンなどの交通規制も分かりやすく表示されます。実際の道路標識をそのまま再現するのではなく、運転中でも理解しやすい独自デザインで表示されるため、一瞬で内容を把握できます。
こうした細かな配慮には、長年ナビゲーションサービスを提供してきたNAVITIMEのノウハウが凝縮されていると感じました。
印象的だったのは、GPS信号を受信できない環境での案内精度です。
首都高速・都心環状線の三宅ジャンクションでは、トンネルに入ってGPS信号をロストした状況でも車速パルスとジャイロセンサーを利用して自車位置を正確に把握し続けました。さらに、そのまま予定していたルートとは異なる方向へ進んでも即座にルートを再計算し、新しい案内へ切り替えたのです。
都市高速は分岐が複雑で、一度進路を間違えると大きく遠回りになることも珍しくありません。そのような場面でも安心して走行できるカーナビタイムは、大きなアドバンテージを持っていると言えるでしょう。
※ ※ ※
カーナビタイムを数日間利用してもっとも印象に残ったのは、「スマートフォンのナビを映している」というよりも、「最新の純正ナビを使っている」感覚に近かったことです。
現在はディスプレイオーディオの普及が進み、ナビゲーションの価値はハードウェアではなくソフトウェアによって決まる時代へ移りつつあります。その中でカーナビタイムは、優れたルート探索性能と豊富な道路情報、分かりやすい案内表示、そしてCarPlay・Android Autoとの高い親和性を備えた、本格的な車載ナビゲーションサービスへと進化していました。
単なるスマートフォンアプリの枠を超え、純正ナビに匹敵する、あるいはそれ以上の使い勝手を実現している点こそが、カーナビタイム最大の魅力です。ディスプレイオーディオが標準装備となりつつある現在、カーナビタイムは「新しい車載ナビのスタンダード」と呼ぶにふさわしい完成度を備えていると感じました。(会田肇)
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