F-15EXでA-10の代替、できなくはないけど
アメリカのドナルド・トランプ大統領が2025年4月29日にミシガン州セルフリッジ州兵空軍基地で行った演説が、ワシントンD.C.の国防関係者を困惑の渦に巻き込んでいます。
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彼は聴衆の前で、「最高司令官として、退役するA-10『ウォートホグ』攻撃機を、世界最高峰の最新鋭戦闘機F-15EX「イーグルII」21機で更新すると、まもなく発表できることを誇りに思います」と発言したのです。
この発言は、政治的パフォーマンスに事欠かないトランプ大統領のこれまでの言動と重ね合わせれば、突飛なものではないのかもしれません。しかし、今回の一言が含意するのは、アメリカ空軍の戦術航空戦力に関する運用体系の整備計画を揺るがしかねない問題です。
なぜなら、F-15EXはすでにF-15C/Dの後継として調達が決定しており、A-10Cの代替として充てるためには数が足りないからです。
しかも、この構想が一夜にして策定されたのではないかと思えるのが、それを裏付ける具体的な情報がアメリカ空軍から一切出ていない点です。配備スケジュールや調達財源、任務編成といった根本的な要素は何ひとつ明らかにされていません。
こうしたことから、現時点では、「トランプ大統領のいつもの思いつき発言」という評価が支配的です。とはいえ、未確定ながらF-15EXが増産に向けて進行中との情報もあるため、彼の発言を単なる放言として片付けることができないところもあるようです。
トランプ大統領「有言実行」するか?
A-10Cは、1970年代に開発されたA-10A「サンダーボルトII」をアップグレードした対地攻撃専用の亜音速ジェット機です。その設計哲学の中心にあるのは「近接航空支援(CAS)」という概念で、これにより低空を飛び回り、地上部隊の要請によって精密誘導兵器を用いて火力支援を即座に行うことを主な任務としています。
対するF-15EXは、経ち地攻撃も可能なものの多用途戦闘機という方がしっくりくる性格の軍用機です。むしろ高速・高高度での制空任務に加えて、精密誘導兵器による対地攻撃も可能というべきもので、A-10Cと比べて高度にデジタル化、ハイテク化が図られています。
このように、A-10とF-15EXはかなり性格が異なりますが、ネットワークを中心とした近接航空支援はF-15EXでも可能なため、代替自体は可能でしょう。
では、なぜトランプ大統領は前述したような発言をしたのでしょうか。手がかりのひとつが、昨今増額されたF-15EXの関連予算です。2025年度の国防予算案では、F-15EXの調達費が前年度比で約12%増加しています。公式には、これは老朽化するF-15C/Dの代替を加速するためとされていますが、同時にその増額分の一部が新たな追加調達に充てられる可能性も排除できません。
また、今回の演説においてトランプ大統領は、特定の配備先として「セルフリッジ空軍基地」の名を挙げています。ここには2025年5月現在、21機のA-10Cが配備されており、これらが全て退役する予定なのは以前から知られていました。仮にF-15EXがこの21機の穴埋めとして導入されるのであれば、それは「A-10Cの後継」といえるものの、そのような流れは極めて限定的である可能性があります。
「大統領が発言した」以上、それが状況にそぐわないものであっても無視するわけにはいきません。アメリカの軍事政策はシビリアンコントロール、すなわち常に政治の影響下にあり、ときに合理性よりも政治的妥協が優先されることもあるためです。
まずはトランプ大統領の言葉どおり、セルフリッジ空軍基地のA-10C攻撃機21機がF-15EXに置き換えられるのか、まずはその動きに注目です。(関 賢太郎(航空軍事評論家))
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