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小林可夢偉組7号車トヨタが独走で2勝目。ポールのレベリオンは受難のレースに/WECバーレーン決勝

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小林可夢偉組7号車トヨタが独走で2勝目。ポールのレベリオンは受難のレースに/WECバーレーン決勝

 WEC世界耐久選手権は12月14日、バーレーン・インターナショナル・サーキットで2019/2020年シーズン第4戦バーレーン8時間レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの7号車トヨタTS050ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組)が開幕戦シルバーストン以来、今季2回目の総合優勝を飾った。

 今シーズン初の8時間レースである第4戦バーレーンは、2020年6月に行われるル・マン24時間レースを最終戦とするWEC“シーズン8”の折り返しとなる1戦だ。
 
 その予選は前戦上海で優勝したレベリオン・レーシングの1号車レベリオンR13・ギブソンが、2戦連続でポールポジションを獲得する。チームLNTの5号車ジネッタG60-LT-P1・AERが2番手に入り、ノンハイブリッド勢がフロントロウを独占。セカンドロウに8号車トヨタと7号車トヨタが続く決勝グリッド順となった。

トヨタ、今季3度目のワン・ツー達成【順位結果】2019/20年WEC第4戦バーレーン決勝

 迎えた決勝ではスタート直後の2コーナーで、2番手からトップを狙い1号車レベリオンに並びかけた5号車ジネッタがスピンを喫し、アウト側に居たレベリオンにヒットしてしまう。
 
 このアクシデントによってチャーリー・ロバートソン駆る5号車と、ブルーノ・セナがドライブする1号車はともに大きくポジションを落とことに。また、この2台の背後につけていた8号車トヨタTS050ハイブリッドと、6号車ジネッタG60-LT-P1・AERもLMP2クラスの集団に飲み込まれてしまった。その一方で、唯一難を逃れた7号車トヨタが予選4番手からトップに躍り出ることに成功している。

 レースはスタート直後のアクシデントの影響でセーフティカーが導入されることになり約10分後、6周目から再スタートが切られていく。順位をロスしたLMP1カーたちはその後、徐々にポジションを回復していきGTEクラスの集団なかに入ったレベリオン1号車もスタートから25分後の12周目までに総合4番手に返り咲いた。
 
 そのレベリオンはスタートから30分過ぎ、セバスチャン・ブエミ駆る8号車トヨタに襲いかかり21周目のホームストレートでこれを攻略。3番手に浮上する。しかし、トップを行く7号車トヨタはこの時点で、2番手につける6号車ジネッタに対して30秒ほどのギャップを築いており、1回目のピットストップ後にはさらに10秒ほどリードを広げていく。

 後方では、ハイペースでラップするセナが6号車ジネッタをオーバーテイクして2番手に上がると、2度目のピットイン後にはブエミからハートレーに交代した8号車トヨタも6号車を交わして3番手に浮上した。
 
 スタートから2時間25分、少しずつトップとのギャップを縮めていた1号車レベリオンがマシントラブルを抱えガレージに戻ってしまう。幸い7分間の作業でコースに復帰できたものの、トップの7号車トヨタから4周遅れの5番手に後退。この間にトヨタは7号車と8号車がワン・ツー体制を築くことになった。

 その後、コース上ではデンプシー・プロトン・レーシングの88号車ポルシェ911 RSRのクラッシュや、5号車ジネッタが電気系トラブルでストップするアクシデントが発生したものの、大勢に大きな影響はなくレースが進んでいく。

 終盤に入ってもコンウェイ、可夢偉、ロペスの順で襷をつなぐ7号車トヨタの独走は続く。僚友の8号車トヨタも1ラップダウンになりながらも2番手をキープし、3番手には6号車ジネッタを交わした1号車レベリオンが続いた。

■山下健太が力走! 一時はLMP2クラス2位走行

 結局、このトップ3の顔ぶれは最後まで変わらず。7号車トヨタのロペスがスタートから8時間後のチェッカーフラッグを最初に受け開幕戦以来、3戦ぶりとなる今季2勝目を飾った。2位の8号車トヨタは1ラップダウン、3位表彰台を獲得した1号車レベリオンは3ラップダウンでのフィニッシュとなっている。
 
 ジネッタ勢は終盤にギアボックストラブルに見舞われた6号車がクラス4位/総合30位、5号車はリタイアに終わった。
 
 LMP2クラスは、マクラーレンのザック・ブラウンが共同オーターを務めるユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソン(フィル・ハンソン/フィリペ・アルバカーキ/ポール・ディ・レスタ組)がWEC初優勝をポール・トゥ・ウインで達成。2位はイオタの38号車オレカ07・ギブソン、3位にはジャッキー・チェン・DCレーシングのグッドイヤー勢が入っている。

 山下健太を起用してLMP2クラスに参戦しているハイクラス・レーシングの33号車オレカ07・ギブソンはレース序盤、山下がクラス2位まで順位を上げる力走を見せたが、中盤に順位を落としクラス8位でのフィニッシュとなった。

 スタートから激戦が繰り広げられたLM-GTE Proクラスでは、ポルシェ勢が立て続けにアクシデントに見舞われ戦線離脱を余儀なくされるなか、レース終盤までAFコルセの71号車フェラーリ488 GTE Evoと、アストンマーティン・レーシングの95号車アストンマーティン・バンテージAMRが数秒差での接戦を展開していく。
 
 この2台の戦いはチェッカーまで1時間を切った段階まで続いたが、残り35分を切ったところで71号車フェラーリにストップ・アンド・ゴーペナルティに提示されたことで決着し、95号車アストンマーティン(ニッキー・ティーム/マルコ・ソーレンセン組)が第2戦富士以来となるシーズン2勝目を挙げている。

 なお、最終的にクラス2位となった71号車フェラーリは、ピットアウト時のホイールスピンを禁じるレギュレーションに違反したことで勝負権を失うこととなった。

 LM-GTE Amクラスはチーム・プロジェクト1の57号車ポルシェ911 RSR(ベン・キーティング/ラリー・テン・ボーデ/イェルーン・ブリークモレン組)がポール・トゥ・ウイン。アストンマーティン・レーシングの98号車アストンマーティン・バンテージAMRがクラス2位、同3位にはガルフ・レーシングの86号車ポルシェ911 RSRが入った。

 石川資章とケイ・コッツォリーノが乗り込むMRレーシングの70号車フェラーリ488 GTE Evoは、クラス7位で2019年最後のレースを終えている。

 WECの次戦、第5戦“ローン・スター・ル・マン”はアメリカ・テキサス州のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で、2020年2月21~23日に行われる。

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