現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > FIA、F1の処罰決定プロセスを明示。スチュワードのドライビング・スタンダード&ペナルティ・ガイドラインを初公開

ここから本文です

FIA、F1の処罰決定プロセスを明示。スチュワードのドライビング・スタンダード&ペナルティ・ガイドラインを初公開

掲載 8
FIA、F1の処罰決定プロセスを明示。スチュワードのドライビング・スタンダード&ペナルティ・ガイドラインを初公開

 FIAは、F1における処罰決定に関する透明性を高めることを目的として、スチュワードに与えられているドライビング・スタンダードおよびペナルティに関するガイドラインを初めて一般に公開した。

 これらは、スチュワードが裁定を下す上での意思決定を支援するために作成されたもので、ペナルティやペナルティポイントの適用方法や競技中のドライビングについての指針が詳細に記されている。

ペナルティに疑問を呈するレッドブル代表「順位を戻さなかったのは、違反はないと確信していたから」

 FIA内部のペナルティ・ガイドラインはおよそ10年前から存在していたが、今回FIAがそれを初めて公表するに至ったのは、スチュワードの裁定に関する明確性と透明性を求める声に応えるためだった。

 FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、しばしば疑問視されてきたスチュワードの判断を擁護し、彼らが適切な仕事をしていることを示すため、その裁定のベースになるガイドラインを公表すると語った。

「FIAのスチュワードは、F1のみならず、我々のすべての選手権において、極めて複雑な任務を担っており、彼らはこれを自発的に、非常に強い情熱と献身をもって行っている。このような献身は、あまりにも頻繁に極端で全く根拠のない批判にさらされている」と彼は述べた。

「彼らがその職務をどれほど厳格に遂行しているかを示すために、我々は本日、彼らの判断を支援するペナルティおよびドライビング・スタンダードのガイドラインを公開する。これにより、F1における判断がどのように行われているかについて、ファンやメディア関係者に対し、より深く正確な理解がもたらされることになる」

「ペナルティ・ガイドラインはほぼ10年間にわたって中核的なツールとして機能してきた。一方、2022年に導入され継続的に更新されているドライビング・スタンダード・ガイドラインは、最も重要な声――すなわちドライバーたちの声――を反映させ、特定のレース状況における真に参考となる資料を作り上げてきた」

 FIAの説明によると、「いずれの文書も規則的な拘束力を持たないが、F1スチュワードがF1競技規則、映像・技術的証拠、ドライバースチュワードからの意見、そして必要に応じてドライバーおよびチームからの陳述とあわせて検討する際に、公平性と一貫性を確保する目的で作成された補助資料である」ということだ。

 スチュワードの決定はFIAとは独立して行われ、適用される規則、ガイドライン、提出された証拠のみに基づいて下される。

 ペナルティ・ガイドラインには、レースの週末中の各セッションにおけるおよそ100件の一般的な違反行為、推奨される処分、およびそれに対応するペナルティポイントが記載されている。ほとんどのケースで処分は義務的ではなく、スチュワードが行使できる範囲内で選択可能だ。ペナルティ・ガイドラインは、スチュワード、チーム、ドライバーからのフィードバックに基づいて定期的に更新される。

 ドライビング・スタンダード・ガイドラインは、F1ドライバーからの要望により作成され、FIAドライバーズ・コミッションおよびドライバーおよびチームとの協議のもとに策定されたものだ。このガイドラインは、コーナーの内側・外側、シケインやS字コーナーでのオーバーテイク、進路妨害、ブレーキング中の進路変更、インシデント後の再合流、セーフティカー導入中の走行、トラックリミット違反に関する最新の指針など、様々なレース状況における行動基準を明確に定めている。

 最新版のドライビング・スタンダード・ガイドラインは、2024年カタールGPにおいてFIAおよびFIA F1スチュワードが主催した、ドライバーとの建設的かつ前向きな会合を経て策定された。今後もF1ドライバーおよびチームとの協議を通じて、さらなる改訂が継続的に行われる予定だということだ。

[オートスポーツweb 2025年06月27日]

文:AUTOSPORT web

関連タグ

【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

マクラーレン、ピアストリへの“厳しすぎる”ペナルティに納得せず。FIAとの対話を望む
マクラーレン、ピアストリへの“厳しすぎる”ペナルティに納得せず。FIAとの対話を望む
AUTOSPORT web
マルティン-アプリリアの契約問題、代理人はF1スタイルの仲裁機関を希望。ライダーは怪我から復帰間近に
マルティン-アプリリアの契約問題、代理人はF1スタイルの仲裁機関を希望。ライダーは怪我から復帰間近に
motorsport.com 日本版
初年度のドライバー決定を急がず、幅広く検討するジェネシス。アビテブールは経験を重要視
初年度のドライバー決定を急がず、幅広く検討するジェネシス。アビテブールは経験を重要視
AUTOSPORT web
赤旗時クラッシュのベアマン、予選ベスト8番手も10位降格に「愚かなミスをした自分に腹が立つ。時間を戻したい」
赤旗時クラッシュのベアマン、予選ベスト8番手も10位降格に「愚かなミスをした自分に腹が立つ。時間を戻したい」
AUTOSPORT web
ホーナー電撃解任の背後にフェルスタッペン陣営の圧力。レッドブルはマックス引き留めのために動いたか
ホーナー電撃解任の背後にフェルスタッペン陣営の圧力。レッドブルはマックス引き留めのために動いたか
AUTOSPORT web
全職解任もレッドブルとの契約下にあるホーナー。完全離脱後に考え得るF1キャリアの選択肢
全職解任もレッドブルとの契約下にあるホーナー。完全離脱後に考え得るF1キャリアの選択肢
AUTOSPORT web
「ランクル」国内むけディーゼル廃止はない? 「騒音規制」「排ガス規制」が噂の”決定打”にならないワケ
「ランクル」国内むけディーゼル廃止はない? 「騒音規制」「排ガス規制」が噂の”決定打”にならないワケ
ベストカーWeb
「FIAは会員に奉仕すべき」会長選出馬を表明したメイヤー。現体制下では“幻想”が残り、権力集中化が起きたと非難
「FIAは会員に奉仕すべき」会長選出馬を表明したメイヤー。現体制下では“幻想”が残り、権力集中化が起きたと非難
AUTOSPORT web
クビサが驚いたル・マン優勝の代償/再々舗装の影響はいかに/2名体制は要相談etc.【WECサンパウロ金曜Topics】
クビサが驚いたル・マン優勝の代償/再々舗装の影響はいかに/2名体制は要相談etc.【WECサンパウロ金曜Topics】
AUTOSPORT web
確執が伝えられるマルコが離脱したホーナーに謝辞。新体制で「フェルスタッペンのタイトルのため最後まで戦う」とも
確執が伝えられるマルコが離脱したホーナーに謝辞。新体制で「フェルスタッペンのタイトルのため最後まで戦う」とも
AUTOSPORT web
レーシングブルズの新チーム代表はアラン・パーメイン。レーシングディレクターから昇進果たす
レーシングブルズの新チーム代表はアラン・パーメイン。レーシングディレクターから昇進果たす
AUTOSPORT web
ピレリ、2026年用F1タイヤをシルバーストンでテスト。アストンマーティンとザウバーが走行
ピレリ、2026年用F1タイヤをシルバーストンでテスト。アストンマーティンとザウバーが走行
AUTOSPORT web
「このチームの一員になったのは人生で最大の特権」“ショック”の離脱を自ら伝え、感謝を述べたホーナー。感極まった様子も
「このチームの一員になったのは人生で最大の特権」“ショック”の離脱を自ら伝え、感謝を述べたホーナー。感極まった様子も
AUTOSPORT web
ランボルギーニ、ウラカンの後継車『テメラリオGT3』をグッドウッドで初公開
ランボルギーニ、ウラカンの後継車『テメラリオGT3』をグッドウッドで初公開
AUTOSPORT web
ハミルトン、レース開始直後からGPSが使えず。代表は終盤のタイヤ交換が1周早かったと認めるも、判断を擁護
ハミルトン、レース開始直後からGPSが使えず。代表は終盤のタイヤ交換が1周早かったと認めるも、判断を擁護
AUTOSPORT web
トヨタの優位性が「消滅」/ダークホースはプジョー?/ル・マン優勝車を継続使用etc.【WECサンパウロ木曜Topics】
トヨタの優位性が「消滅」/ダークホースはプジョー?/ル・マン優勝車を継続使用etc.【WECサンパウロ木曜Topics】
AUTOSPORT web
解任の決定打になったのはどれ? クリスチャン・ホーナー元代表がレッドブルで直面した問題のすべて
解任の決定打になったのはどれ? クリスチャン・ホーナー元代表がレッドブルで直面した問題のすべて
motorsport.com 日本版
5連勝は厳しい? フェラーリ499P、最重量かつ最少出力に。WECサンパウロの性能調整が発表
5連勝は厳しい? フェラーリ499P、最重量かつ最少出力に。WECサンパウロの性能調整が発表
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • luf********
    赤旗レベルのクラッシュをした車が
    よろよろと、ピットに帰ろうとしているのを抜くとペナルティで
    セフティカー先導時に、先行車の前に出てもノーペナルティというのは
    安全の面からしても、納得できない
    ルール上は、どちらもアウトでしょ?
  • fer********
    もっともらしいことをほざいているがしょせんは英国中心の白人社会だからな
    パリオリンピックを見ればわかるが、あの連中は本当に人種差別することを当たり前の世界で生きている
    その気になればアイルトンセナだって差別していたくらいだから、
    こないだの角田のペナルティみたいなことは永遠になくなりはしないよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村