■お国柄が表れる!? 日本と海外の駐車場事情の違い
日本の駐車場は、駐車枠内に後ろ向きから入れる「バック駐車」が基本になっています。通路側にクルマのフロントフェイスが並び、自分のクルマを見つけやすいという面もありますが、なぜ日本の駐車場は「バック駐車」が基本になったのでしょうか。
毎日違うクルマを運転する自動車販売業のN氏は、次のようにいいます。
「日本でバック駐車が多いのは、駐車場のスペースが狭いためでしょう。限られたスペースに駐車するにはバック駐車のほうが入れやすのです。
前から駐車枠内に入れようとすると、内輪差があるため、自分の意図したところまでハンドルが切れず、斜め駐車になりがちです。
その点、進行方向に対して後ろ向きで操舵するバック駐車なら旋回半径が小さくできます。つまり小回りが効きやすいというわけです」
日本の駐車場は駐車スペースの間が狭く、駐車場からクルマを発進するときに、前を向きながらのほうが楽という意見もあります。
枠内に駐車するときはもちろん、出すときにも何度か切返さなくてはいけないような狭い駐車場が都心部には多いのが実情です。
※ ※ ※
海外の駐車場では日本のような整然とした状態ではなく、前向きと後ろ向きが混在している場合もあり、日本のように規則性が高いとはいえません。
アメリカでは、場所にもよりますが、基本的には前からクルマを入れる「前向き駐車」がほとんどです。これは、ニューヨークなどの大都会を除き、駐車場に割り振られるスペースが日本とは大きく違うためです。
アメリカの駐車スペースは日本に比べて広く確保されており、通路の部分においてもクルマ2台から3台分の幅があるケースが多いのです。そのため、丁寧に駐車枠内にぴったり収める必要性を感じていないというのが実情です。
また、枠内に駐車するために、何度も切り返す手間と時間を無駄だと感じる人も多いといわれています。
ドイツでは路上駐車OKの場所が多く、縦列駐車をすることがよくあります。ただし、大都市の中心部など非常に混み合う繁華街周辺は、専用の駐車許可証を与えられた住人などのクルマのみが停められるように制限されています。
「路上駐車が多いと通行の妨げになるのでは?」と思いますが、通行するクルマは駐車した車に注意するので、スピードが上げにくいことからむしろ安全対策になっているようです。
日本の駐車場事情に近いのは、タイの首都バンコクでしょう。走っているクルマの多くが日本車で、左側通行というのも日本と一緒です。都市部の駐車スペースが少ないという交通事情も似ています。
ショッピングモールの駐車場は、前向き駐車スペースもあるものの、大部分の駐車スペースは日本同様にバック駐車が多いです。
また韓国は、主要幹線では6車線あるなど道幅が広いこともあり、繁華街でも路上駐車が多い印象です。交通の流れがとにかく速く、バスですら3車線の中央から斜めに急ブレーキかけながら停留所を通り過ぎて停車するお国柄で、当然ながら駐車は前向き駐車が多いといわれています。
もっと大らかなのは、フランスやイタリアなどのラテン系の国です。縦列駐車するときは前後のクルマにぴったりと停め、パーキングブレーキをかけません。
出すときは前後のバンパーをぶつけながら前後のクルマを動かすというのは有名な話です。
しかし最近では事情が変わってきており、ダッシュボードに連絡先を置かれており、動かしたい人はクルマの持ち主を呼び出すようになっているようです。
そう考えると、バック駐車中心の日本の駐車場事情は、日本人特有の几帳面さが表れた結果といえるのかもしれません。
■上手にバック駐車するためのコツとは?
運転が苦手な人や初心者の方にとって、バック駐車は難易度が高いものです。前出の自動車販売業のN氏は、そもそも教習所での教え方に問題があるといいます。
「教習所で習う方向転換やバック駐車は、実地とはかけ離れた状況で教えるので、感覚が身に付きにくいのです。実際の駐車場には教習所にあるポールといった目印はなく、隣にあるのは、ぶつけてはいけないほかのクルマです。そのため、自分でコツを習得する必要があります」
上手にバック駐車をするためには、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。
まず、駐車するスペースにできるだけ寄せ、隣のクルマの位置までクルマをゆっくり動かします。
駐車するスペース側に寄っていない状態でハンドルを切ると、車両の前方をぶつけてしまう可能性があるので、駐車スペースにできるだけ寄せることが大切です。また、後方だけでなく、前方にも注意を向けましょう。
そして、バック駐車で必要な旋回の起点を自分なりに判断します。駐車場の場合は、左隣に停まっているクルマの右フロント(運転席側)の角が起点になります。その起点を軸にクルマの向きを変えるイメージです、
運転席に座って後ろを向いた状態では、左後方のCピラーを中心とし、ハンドルを切るのが良いとされています。
後ろを向いてバック走行するときに注意したいのは、動きたい方向と逆にハンドルを操舵する必要があることです。
助手席側のサイドミラーを確認し、隣のクルマに重ならないように視認しながらゆっくりクルマを動かすことが大切です。
運転席側のサイドミラーも確認は必要ですが、とにかく自分の目で見て確認しながら枠内にクルマを入れていく感じです。
助手席側を意識してもっとも見えにくい左隣のクルマに寄った状態でスペースに収まれば、大抵のクルマと駐車スペースなら右側には余裕があるはずです。
あとはハンドルを戻してからまっすぐ入るように、少し右にハンドルを動かしながら前進し、再度バックするといった微調整をすれば、すっきり駐車できます。
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最近では、後方に障害物があると警告音で教えてくれるバックソナーや「サポカー/サポカーS」の項目にも該当するバックカメラも普及しています。
さらに、上からクルマを見下ろした映像をモニターに映す機能や細かいハンドル操作を支援してくれるパーキングアシスト機能を搭載したクルマや増えました。
クルマは便利に進化していますが、日本の駐車枠の大きさはさほど変わっていません。駐車をアシストしてくれる機能を活用しながら、ゆっくり落ち着いてバック駐車することが大切です。
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みんなのコメント
これが入試小論文なら0点、この記者ゆとり世代かね?