現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【愚かさと賢さの同居】いすゞDマックス・アークティック・トラックスAT35へ試乗

ここから本文です

【愚かさと賢さの同居】いすゞDマックス・アークティック・トラックスAT35へ試乗

掲載 更新 2
【愚かさと賢さの同居】いすゞDマックス・アークティック・トラックスAT35へ試乗

大径オフロードタイヤにビルシュタイン

text:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】Dマックスとワイルド ピックアップ 全105枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


今回紹介するのは、普通のピックアップとは少し違う。いすゞDマックスをベースにした、アークティック・トラックスの最新版、AT35だ。

過酷な環境にも耐えるオフローダーを生み出してきた、アークティック・トラックス社が手掛けたクルマ。フォードが高性能なレンジャー・ラプターを生み出す以前から、類を見ない技術力でピックアップを仕立ててきた歴史を持つ。

AT35が履くのは、17インチの10Jホイールに、フィンランドのノキアン製オフロードタイヤ。50mmストロークの長いサスペンションや、ビルシュタイン製のダンパーなどと合わせて、大きな特徴となる部分だろう。

タイヤの直径が大きくなったことと合わせ、車高は125mmもリフトアップ。ほかにも、オリジナルのサイドステップや、キルティング加工されたレザーシートなどを備える。

9.0インチのインフォテインメント用モニターと、前方のパーキングカメラも装備する。スマートフォンとミラーリングすることも可能。それ以外は、基本的にはDマックスの内容を保っている。

ボンネットの中には、いすゞ製の2.5Lの4気筒ディーゼルターボ・エンジンが納まる。最高出力163ps、最大トルク40.7kg-mを発生し、6速マニュアルか5速オートマティックを介して4輪を駆動する。試乗車は6速MTの方だった。

相当なインパクトの見た目を持つ商用車

最大牽引重量は3500kgで、フォード・レンジャー・ラプターとは異なり、英国では商用車に分類される。5年間か、何と20万kmの保証も付く。

大径タイヤを履くリフトアップされた商用車なんて、馬鹿げているようにも聞こえるが、それがAT35。見た目は相当なインパクトがある。筆者はこの手が好きだが、もし嫌いなら、中に乗ってしまえば良い。

少しよじ登る格好で運転席に座る。シートトリムは張り直されているが、もとが商用車だったことは明らかにわかる。シートの取り付け位置が高く、頭上空間は見た目ほど広くはない。

フォード・レンジャーやフォルクスワーゲン・アマロックは、比較的乗用車のような着座姿勢だが、AT35はアップライトで三菱L200に近い。床面が高く、ルーフが低い。

それでも車内は快適。タッチモニターの操作もわかりやすく、スマートフォンをミラーリングさせれば、より使いやすくなる。

2.5Lの4気筒ディーゼルを始動させれば、さらに商用車感は強まる。アイドリング時から振動は大きく、エンジンが冷間時の加速はかなり気だるい。一度温まってしまえば、レスポンスは向上し、静止状態からの加速もたやすくスムーズにこなす。

トルクは太く、選ぶギアを悩むことは殆どない。レンジャー・ラプターとは異なる点だ。力強く走れるギアは低い3速くらいまでだが、特に驚く事実ではないだろう。

乗り心地は良いとはいえず、ステアリングの反応もスロー。全体的な洗練性では、4万ポンド(540万円)のSUVとしては物足りない。だが、ドライバーを笑顔にはしてくれる。

最新ディフェンダーに匹敵する最低地上高

今回の試乗では、ほぼ全ルートが軽いオフロードだったが、筆者は過去にAT35を過酷なオフロードへ持ち込んだ経験がある。その走りは素晴らしいものだった。

大きなブロックパターンのタイヤだけでなく、36度のアプローチ(前方)、32度のブレークオーバー(車軸間)、23度のデパーチャー(後方)・アングルと、290mmの最低地上高がモノをいわせる。

ちなみにこの最低地上高は、エアサスペンションを最大に膨らませた状態の、最新のランドローバー・ディフェンダーに匹敵する。これに並べるクルマは殆どない。

オフロード性能は間違いない。ほかのベースモデルを購入してアークティック・トラックスへ持ち込むか、似たモディファイを他社でしてもらうのなら、AT35を選んだ方が良いだろう。

アークティック・トラックスAT35なら、いすゞの正式モデルとして英国では購入できる。通常の新車保証が付帯され、牽引重量や積載量などは標準のクルマと変わらないところが良い。

愚かさと賢さが同居する商用ピックアップ。そのほかの性能については何ともいえないが、先の見えない時代、欲しいと感じても不思議ではない。

いすゞDマックス・アークティック・トラックスAT35のスペック

価格:4万995ポンド(553万円)
全長:5295mm(標準モデル)
全幅:1860mm(標準モデル)
全高:1780mm(標準モデル)
最高速度:161km/h(予想)
0-100km/h加速:12.0秒(予想)
燃費:-
CO2排出量:-
乾燥重量:2110kg
パワートレイン:直列4気筒2499ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:163ps/3500rpm
最大トルク:40.7kg-m/1400-2000rpm
ギアボックス:5速オートマティック

こんな記事も読まれています

[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、使い勝手の良い「サブウーファーボックス」を作れる!
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、使い勝手の良い「サブウーファーボックス」を作れる!
レスポンス
【ドゥカティ】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で開催されたイベント「Ducati Day 2024」のレポートを公開
【ドゥカティ】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で開催されたイベント「Ducati Day 2024」のレポートを公開
バイクブロス
ノーマルシビックに羽根を授ける! モデューロが新たな実効空力テールゲートスポイラーを公開!
ノーマルシビックに羽根を授ける! モデューロが新たな実効空力テールゲートスポイラーを公開!
ベストカーWeb
楽天市場お買い物マラソンで MAXWIN のドラレコなどが最大20%OFF!
楽天市場お買い物マラソンで MAXWIN のドラレコなどが最大20%OFF!
バイクブロス
日産自動車、北京モーターショーで4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを公開
日産自動車、北京モーターショーで4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを公開
月刊自家用車WEB
FIA F2バルセロナ・インシーズンテストがスタート。初日はマクラーレン育成ボルトレートが最速
FIA F2バルセロナ・インシーズンテストがスタート。初日はマクラーレン育成ボルトレートが最速
AUTOSPORT web
高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
くるまのニュース
こんないいクルマあるなら日本で売ってよスズキさん! 乗りたい欲が抑えきれない「海外専売モデル」4台
こんないいクルマあるなら日本で売ってよスズキさん! 乗りたい欲が抑えきれない「海外専売モデル」4台
WEB CARTOP
あえて今、「マニュアル車」という選択肢! “電動化時代”におけるその存在意義とは
あえて今、「マニュアル車」という選択肢! “電動化時代”におけるその存在意義とは
Merkmal
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
くるくら
三菱自 欧州モデルASXのデザインを一新し、機能を拡大
三菱自 欧州モデルASXのデザインを一新し、機能を拡大
Auto Prove
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
くるまのニュース
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
バイクのニュース
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
レスポンス
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
バイクブロス
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
WEB CARTOP
テスラ CO2削減に貢献するモデル3、モデルYの価格を引き下げし、超高性能グレード「パフォーマンス」も追加発売
テスラ CO2削減に貢献するモデル3、モデルYの価格を引き下げし、超高性能グレード「パフォーマンス」も追加発売
Auto Prove
ヤマハ、復活へ向けて本腰。MotoGPスペインGP翌日のヘレス公式テストで”ニューマシン”をテストへ
ヤマハ、復活へ向けて本腰。MotoGPスペインGP翌日のヘレス公式テストで”ニューマシン”をテストへ
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村