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アストンマーティンF1チーム代表アンディ・コーウェル氏にインタビュー!「今はまだ成長期。どんどん強くなっていきます」

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アストンマーティンF1チーム代表アンディ・コーウェル氏にインタビュー!「今はまだ成長期。どんどん強くなっていきます」

F1日本GP鈴鹿のパドックで聞いたアストンマーティンの「今」と「これから」

現在、10チームによって争われているF1世界選手権。その中で今、もっとも注目度の高い存在がアストンマーティン・アラムコF1チームだ。このチームの周辺では、話題が事欠くことはない。

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F1の頂点を目指し招聘された辣腕エンジニア

市販車との強い繋がりを感じさせる美しいグリーンの車体はサーキットで異彩を放ち、ピットやパドックの設えも統一されたイメージで、独特の存在感を発揮している。レースの世界ではグリーンは決してメジャーな色ではないが、アストンマーティン・アラムコF1チームは、そんなイメージを一新しようとしている。

しかも、そのマシンに載るパワーユニット(PU)は来年から、F1に正式復帰するホンダが独占供給することになっているのだ。動向が気にならないわけがない。

アストンマーティンF1のチームオーナー、ローレンス・ストロール氏は、このチームをF1の頂点に導くという野望を明確にしている。その熱意により、昨年末には天才デザイナー、エイドリアン・ニューウィ氏もチームに合流した。近い将来、勝利を達成するためのステップが確実に構築されている。

2026年シーズンに向けての開発が進行中

まずは気になる2026年からの挑戦について聞いた。実は来シーズン、F1マシンは大きく姿を変える。PUに関しては、V型6気筒1.6Lターボエンジンを使うことには変わりはないが、100%持続可能な燃料の使用が義務付けられ、燃料流量の制限によってパワーも引き下げられる。熱エネルギーを回生するMGU-H(Motor Generator Unit ― Heat)は廃止され、代わりに減速エネルギー回生のMGU-K(Motor Generator Unit ― Kinetic)のエネルギー量は倍増に。結果、内燃エンジンと電気モーターの出力は50:50の割合になる。

「来シーズンの最初のレースまで、あと10か月ほど。すべてのPUメーカーは今、必死でパフォーマンスの向上に取り組んでいるはずです。とてもエキサイティングな時期だと思いますよ。皆、それぞれの違ったやり方で取り組んでいる、その試験結果が来年のメルボルンで明らかになるんです」

とりわけ興味をそそるのが、来年からのパートナーであるホンダのPU開発の進捗状況だ。開発は今、栃木県にあるHRC Sakuraにて全力で行なわれている。

「ローレンスのアストンマーティンをグリッドの最前線に導くという野望を私は知っていましたし、ホンダとのワークス関係はその重要な部分です。開発は順調に進んでいると思います。私もHRC Sakuraには何度も足を運んでいますよ」

PUメーカーとの連携がカギ

変更されるのはPUだけではない。それにあわせて車体も小型・軽量化。現在のDRS(Drag Reduction System)を発展させたアクティブエアロシステムも採用されるなど、大きく変更されることになる。

「PUのマシンへの搭載については緊密に連携しています。これがワークス契約であることのきわめて大きな意味です。そして、単に搭載の仕方だけでなくPU自体の開発も見守る必要があります。例えば車体側からすれば、冷却水の温度を上げて流量を下げ、総熱排出量を下げたい。そうすればラジエーターが小さくなり空力にプラスになるからです。実際、HRCとは緊密に連携してデータを供給し合うことで、そうした部分での開発時間の短縮にも繋げているのです」

この話を聞いて、大いに合点がいった。実は以前、HRCの某氏との間でこんな話が出たことがある。「アストンマーティンの現スタッフの多くはワークスチームと仕事をした経験がないので、そこにあるPUで何とかするというのが基本的なスタンス。チーム側からの要望が少ない、控えめ」というのだ。

トップチームは違う。PU側にも出力だけじゃなくサイズ、重量、搭載方法等々、実に広範に要望を出してくる。PUメーカーはその議論を踏まえて開発を進めていく。それがワークスチームのメリットであり、勝つための当然のメソッドなのである。

コーウェル氏は元HPPのトップということで、組織を率いる術はもちろん、PUメーカーとの関係のあり方についても熟知している。こうした人材を招聘してきたことには、まさにストロール氏の勝利に対する本気度がうかがえるというものだろう。

最後に見せた、勝負師の顔

来シーズンに向けて期待が高まるアストンマーティンF1チームだが、もちろんその前に今シーズンもできる限りの成績を出さなければならない。序盤戦は苦戦が続いたが、ここに来て調子は上向き始めている。

「工場の建設にも風洞の建設にも、そしてこの新しい風洞の稼働にも人材の採用にも、とにかく時間がかかるものです。シミュレーターにしてもそうで、ツールをいかに使うか、実車のデータとの相関関係はといった部分の確立には時間がかかります。今はまだチームは成長期。必要なすべてを揃えて、その上で創造性、競争心をもって挑むことで、チームはどんどん強くなっていくと私は信じています。ただし、どんなスポーツでも自分の行動はコントロールできますが、対戦相手のことはコントロールできません。結果はレースに臨んでストップウォッチを見て、初めて分かるんです」

最後に見せたのは、勝負師の顔。材料は揃った。美しいグリーンのマシンを走らせるチームがこれからどんな成長曲線を描き、そしてどんな活躍を見せていくのか。この先ますます目が離せそうにない。

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みんなのコメント

1件
  • YES
    正直、服もイメージカラーのグリーンだけど、ダサく見えるのは私だけ?
    もうちょっとカッコよく出来ないものかなー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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