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メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 前編

掲載 更新 6
メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 前編

純EVが台頭する中での新型Cクラス

第5世代となる、W206型メルセデス・ベンツCクラスが街を走り出した。欧州版のパンフレットには、デザイナーズブランドの衣装で身を包んだ若いモデルが、キメ顔で立っている。そんな彼や彼女たちは、クルマへ興味がなさそうに見えるのは筆者だけだろうか。

【画像】Dセグの新型メルセデス・ベンツCクラス BMW 3シリーズとEセグのジャガーXF 全70枚

Cクラスの先祖に当たるのが、1982年に発売された190 E。そのパンフレットでは、最新のファッションで着飾ったモデルが紙面を賑わせていなかったと記憶している。

広告写真のトレンドだとはいえるだろう。またスタイリッシュな若い世代は、メルセデス・ベンツがCクラスを売り込みたいターゲット層なのかもしれない。だが、実際にCクラスを積極的に選ぶ層と合致しているとは限らない。

運転支援システムやインフォテインメントなどの先進テクノロジーや、インターネット接続によるコネクティビティを採用することで、ユーザーの若返りを果たしたいという考えも理解できる。彼らの志向が、クルマ作りに影響を与えていることも事実だろう。

同価格帯でも純EVのファミリーカーが選べる時代になり、内燃エンジン・モデルより経済性でもメリットが出始めている。純EVの民主化は、欧州では世論としても加速する一方。個人的な移動手段として、美徳的な未来像だと受け止められつつある。

同時に、マイルド・ハイブリッド化されたとはいえ、内燃エンジンを積むDセグメント・サルーンを選ぶ人も一定数が存在している。それは価格価値に優れ、良く機能するクルマだということを経験的に理解している層だといえる。

日常的に求めるニーズを上手にこなす

日常的に求める役割や目的地を問わず、その殆どを上手にこなしてくれたのが、歴代のメルセデス・ベンツCクラスだ。過度な緊張や疲労を感じさせず、長距離を落ち着いて移動することを叶えてくれた。快適な車内と、ふんだんな技術に包まれながら。

それこそ、歴史あるブランドへの定評。では、改良を受けたプラットフォームに、新鮮な見た目とSクラスを彷彿とさせる技術が導入された最新のCクラスでも、その信頼感は揺るがないものだろうか。

欧州のエグゼクティブ・サルーンと呼ばれるカテゴリーには、まだ魅力的な選択肢が複数存在している。そんなライバルと比べた時、やはりメルセデス・ベンツCクラスが1番だと思えるのか。ドイツと英国から選んだ2台と比べながら、その実力を探ってみたい。

今回の主役、シュツットガルトの新世代として選んだのは、199psの4気筒ディーゼルターボを搭載したC 220d AMGライン・プレミアム。直接的に対峙するモデルとなるのが、ミュンヘンが誇るBMW 3シリーズ、320d Mスポーツ・プロパッケージだ。

そこへ割って入るのが、英国代表となるジャガーXF D200 AWD Rダイナミク S。車格としては、Dセグメントより1つ上のEセグメントに属するサルーンではある。だが、2021年に実施された大幅な価格改定で、英国では直接競り合う位置にいる。

ブランドの個性が表れた見た目

ディーゼルエンジンだとしても、BMW 3シリーズは常にドライバーへの訴求力でCクラスへ勝っていた。それは5世代目でも変わらないだろうか。XFも、しなやかな乗り心地と気持ちの良い操縦性を、マイナーチェンジで磨き込んできた。

洗練性や快適性、扱いやすさ、豪華さなどで、価格帯の最高峰に位置するというCクラスの定評は守れているだろうか。抱ける興味は幅広い。

Cクラスのスタイリングの変化は、従来の流れに沿っている。大胆な面構成や押し出し感の強さといった特徴を、好まないという向きもあるかもしれない。それでも、ブランドの各モデルや歴代のCクラスとの結びつきは、間違いなく色濃い。

320dは、Cクラスとは対照的。試乗車のようにMスポーツ・プロと呼ばれるパッケージを組むと、一層大胆なブラック・アウトされたキドニーグリルがフロントで存在感を放つ。他にも「プロ」化され、ボディでクロームメッキが輝く部分は殆どない。

現代のBMWらしくもあり、3シリーズらしくもある。この新鮮さは、最新のCクラスには足りないデザイン上の処理だともいえる。

ジャガーXFも、3シリーズほどではないものの、ブラックのボディトリムで全体が引き締められている。現行のX260型は2015年の発売だが、フェイスリフトを経て、今でもハンサムさを維持している。

上級サルーンを販売することは、近年では難しい。目を引く美しいボディとまとまりのある乗り心地、縦性を与えるだけでは、不十分なようだ。過去6年間のXFの販売実績が、その事実を示している。

この続きは中編にて。

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みんなのコメント

6件
  • A4に関してかなり酷評されてたしか選択肢にも入ってない。
  • A4はフロントアクスルの剛性が不足している、まだ熟成が必要。
    「ドイツ御三家はメルセデス、BMW、アウディと言われているがメルセデス、BMW、ジャガーの方が正しいな」

    https://www.youtube.com/watch?v=kVz_cmhji4g&t=171s
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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