聖地ニューポート・パグネルの鮮烈な記憶
『アストン マーティン・ヴァンキッシュ』は、個人的にとても大きな思い入れがあるモデルだ。
【画像】835ps&1000NmのV12ツインターボ!アストン マーティン・ヴァンキッシュ・ヴォランテ 全69枚
それは初代ヴァンキッシュとなる『V12ヴァンキッシュ』が誕生した2001年のこと。テストドライブのチャンスを得た筆者が訪ねたのは、当時アストン マーティンが本社施設や、それに併設してファクトリーを擁していた、イングランドのバッキンガムシャー州にあるニューポート・パグネルだった。
1954年以来、アストン マーティンが数々の作を生み出してきたニューポート・パグネルという聖地に立ち、これから彼らが誇る最新のモデルをドライブするのだと改めて考えた時、胸の中に湧き上がってきた感動は今でも鮮烈な記憶として心の中に残っている。
ちなみにこのV12ヴァンキッシュ、そしてその強化型として2004年に登場したV12ヴァンキッシュSは、ニューポート・パグネルのファクトリーで生産された最後のモデルとなった(正確には2019年にザガートとの協業60周年を記念した、19台の『DB4GTサガート・コンティニュエーション』が生産されている)。
アストン マーティンはその後、ウィリックシャー州のゲイドンに本拠を移したため、筆者がニューポート・パグネルを訪ねたのはこの時が最初で最後となってしまったのだ。
ヴォランテの名を掲げて60周年
そんなヴァンキッシュの現行型は、同じ車名を継承しているという意味で数えるのならばサードジェネレーションということになる。
2007年から2012年までは、V12ヴァンキッシュの後継車として『DBS V12』を生産。それから2012年から2018年までセカンドジェネレーションのヴァンキッシュ、そして再び2018年から2022年まで『DBSスーパーレッジェーラ』、2022年から2024年の間は『DBS』がフラッグシップの役割を担った後に、2024年に現行型のヴァンキッシュが誕生した。
今回ドライブするのはそのオープンモデルとして昨年にデビューした、『ヴァンキッシュ・ヴォランテ』。ちなみに昨年はアストン マーティンが、自らのオープンモデルにヴォランテの名を掲げて60周年にあたる年でもあった。
「ヴァンキッシュとは、相手を倒すという意味を持つ言葉だけれど、ビートよりも相当に強い表現だね。もう立ち上がれないほどに叩きのめすといったくらいのね」
かつてニューポート・パグネルで、試乗車をデリバリーしてくれたスタッフが教えてくれたヴァンキッシュの意味は、当時からボディフォルムにもダイレクトに表れていた。それを象徴するかのようなダイナミックなリアフェンダーの造形は、最新のヴァンキッシュ・ヴォランテにも確かに受け継がれている。
また、大きく口を開けたフロントグリルやオープントップとなったことでノッチバック的なスタイルとなったことで、ウエストラインから上の重量感が軽くなったためなのだろう。個人的には、クーペとよりスポーティなアピアランスを感じたのが第一印象だ。
オープンモデルとして実用性は十分に高い
軽量なファブリックルーフの開閉はセンターコンソール上のスイッチで行い、そのために必要な時間はオープンが14秒、クローズが16秒。走行中でも50km/h以下ならば、また半径2mの範囲内であればスマートキーでその操作を行うこともできる。キャビンからの視界も悪くなく、オープンモデルとしての実用性は十分に高いレベルにある。
新型ヴァンキッシュ・ヴォランテのエンジンルームに収められるパワーユニットは、835psの最高出力と1000Nmの最大トルクを発揮する、5.2LのV型12気筒ツインターボ。
思えば初代のV12ヴァンキッシュに搭載されていた6LのV型12気筒自然吸気エンジンが掲げていた最高出力は460psだったが、それでもアクセルペダルを踏み込むのにはかなりの勇気が必要だった。
しかしその繊細さは、この最新世代のヴァンキッシュ・ヴォランテでは感じることはない。もちろんそのバックグラウンドで、最先端のデバイスが常に安定方向へと姿勢を制御しているのは疑いの余地がないところ。オープン化に伴ってシャシーはさらに強化され、サスペンションにも独自のセッティングが施されている。
驚くべきは剛性感の高さ
まずはクローズドのスタイルで、それからトップを開いてその走りを楽しんでみたが、驚くべきはその剛性感の高さにあった。
ドライバーはセンターコンソール上のスイッチで『ウエット』、『インディビジュアル』、『GT』、『スポーツ』、『スポーツ+』の各ドライブモードを選択できるが、GTではその名が表すとおりグランツーリズモ並みのラグジュアリー感を、スポーツやスポーツ+では十分にしなやかな乗り心地を楽しみながら、ツインターボエンジンが秘めるパフォーマンスをフルに堪能することができる。
そしてこのエンジンにさらなる魅力を感じたいのであれば、エンジンスピードは6000rpm以上をキープするといい。ここから先にあるのは、ライバルメーカーのスーパースポーツを確実に『ヴァンキッシュ』する世界だ。車重がクーペ比では95kgほど重くなるヴォランテであっても、その印象はまったく変わることはなかった。
さまざまなシーンで大きな魅力を感じさせる
クーペと同様に8速ATをリアにレイアウトし、前後の重量配分を最適化したヴァンキッシュ・ヴォランテは、コーナリングでも実に魅力的なフィーリングを伝えてくる。
このようなシーンで特に存在感を主張していたのは、ナチュラルなターンインとトラクション性能の高さを演出する電子制御LSDの動きだ。カーボンディスクが採用されたブレーキもまた、そのタッチは自然なものだった。
高級なインテリアに全身を包まれ、クローズドとオープンというふたつのスタイルで、さまざまなシーンで大きな魅力を感じさせるヴァンキッシュ・ヴォランテ。アストン マーティンはそのプレミアム性を高く維持するために、ヴァンキッシュ・シリーズの年間生産台数を1000台以下とする計画を打ち出している。
カスタマーにとっては、オーダーから納車を待つまでの間もまた、これ以上ないほどに幸せな時間といえるのだろう。
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