かかる時間は「給油」と同じ 仕組みは?
EV(電気自動車)のバッテリー交換方式は、何年も前から話題になっていたが、あまりにも現実離れしているように思われてきた。しかし、中国の自動車メーカーであるニオ(NIO)は最近、自社の「パワー・スワップ・ステーション」で累計3000万回のバッテリー交換を記録したという。
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メリットは単純に時間だ。ニオの場合、バッテリーをフル充電のものと交換するのにかかる時間はわずか2分30秒で、停車から発進までの全プロセスはガソリンの給油とほぼ同じ時間であり、急速充電よりもはるかに速い。
交換プロセスは最初から最後まで完全に自動化されている。交換ステーションの指定エリアに駐車し、車載タッチスクリーンに表示される「自動駐車」をタップすると、クルマが自動的にステーション内を移動し、ローラーベッドの上に停止、細かい位置調整は機械が行う。次に、バッテリーを固定している10本の「ベイボルト」を外し、バッテリーを下ろし、ステーションの右側にある保管場所に移動させ、新しいバッテリーを取り付ける。
交換が完了すると、クルマはセルフチェックを行い、問題がなければそのまま出発できる。
ニオの最新(第3世代)ステーションは、21個のバッテリー(前世代より8個多い)を保管することができ、1日あたり合計408回の交換を行えるとされる。ステーションでは、2つのLiDARセンサーとNvidiaのプロセッサー、さらにニオ独自のADAS(先進運転支援)機能を使用し、交換に備えて正確な車両の位置合わせを行う。
中国では、保管中のバッテリーは電気料金の安い夜間に充電され、ユーザーに低コストで還元している。
ニオのバッテリー交換サービスは驚異的なスピードで成長している。最初に累計1000万回交換に到達するのに1506日かかったが、そこから2000万回には273日しかかからず、3000万回はそのわずか189日後に達成された。ニオのEVが販売される全市場に展開し、また全車種に対応しているが、今のところ対象は自社製品のみにとどまる。
しかし、ニオはバッテリーの充電・交換設備の建設および運営において石油大手シェルと提携を結ぶなど技術共有に前向きで、他の自動車メーカーとも話し合いを行っている。
家庭で使う乾電池のように、自動車業界でも規格の違いという障壁を取り払うことができれば、バッテリー交換方式は大々的に普及する可能性もある。
ニオのEVはバッテリー交換だけに頼る必要はなく、他のEVと同じように、公共の急速充電器や家庭用充電器を使うこともできる。バッテリー交換という概念は、巨大なバッテリーパックを充電する時間がない大型商用車や長距離輸送車にも適用できる。
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