F1はスピード、精度、そして熾烈な競争で繁栄するものだが、フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールは最近、まったく別の脅威と戦っている。それは、イタリアのメディアの暴走する想像力だ。
F1第10戦カナダGPの前に、バスールの立場が窮地に陥っているとのうわさが渦巻いたが、それとともにレッドブルの空力責任者であるエンリコ・バルボが、マラネロに向けて荷造りをしているという奇妙な話が出た。それほどの問題でなければ滑稽な瞬間だったかもしれないが、バスールはそのゴシップに対して憤りと辛口のユーモアを交えて反応した。彼は、レッドブルのエンジニアであるバルボについて聞いたことがなかったため、バルボが誰なのか調べるのにグーグルに頼らざるを得なかったと認めた。
フェラーリ代表の将来を疑問視する報道に「気分が悪くなる」とハミルトン。大きな信頼を置く恩師を擁護/F1第10戦木曜会見
「私はバルボとこの件について話した」と、バスールはモントリオールでメディアに対し、いら立ちを隠しながら語った。
「これはいい例だ。我々がバルボと契約したと報道されていたが、私は彼のことを知らなかったので、グーグルで調べなければならなかった。私は彼に会ったことがなかったのだ」
■奇妙なうわさと現実世界への影響
これは、最も厳格に運営されているオペレーションでさえ不安定にしてしまうような見出しだ。スタッフがひとり辞めて、またひとり加入すると、部門全体が流動的になる可能性がある。
真実はどうなのか? まったく違っている。しかしバスールが主張したように、影響がなかったというわけではない。
「空力部門の責任者であるディエゴ(・トンディ)が、このようなものを報道で見ていたとしたらどう思うだろうか? それが真実かどうかわからないというのは、彼にとってかなり厳しいことだろう」
そしてそれがポイントだ。同僚をグーグルで検索するのは軽い話のように聞こえるかもしれないが、バスールは、こうした憶測にもとづく話は、チャンピオンシップで成功を追求するというすでに大きなプレッシャーのある環境のなかに、不必要な不確実性と不安を生み出すと強調した。
「これは一種の......緊張という表現は適切ではないが、チームに動揺をもたらすものだ。結局のところ、我々は他のチームと競争している。もし気が散ったり、正しいことに集中していなかったりしたら、負けてしまうだろう」
フェラーリでは表彰台のトップに戻るというプレッシャーが増大しており、2025年のルイス・ハミルトンの加入に期待も高まっている。そんななか、メンバー間で混乱を生むような幻の人事刷新は、チームにとってまったく不要なものだ。
■「今では毎日噂を尋ねる人がやってくる」
バルボのうわさが出たタイミングは、今シーズンのフェラーリの不振なスタートを受けて、バスール自身が解雇の危機に瀕しているというもうひとつの憶測が持ち上がった直後だった。この話も、モントリオールでバスールと彼のドライバーたち双方によって断固として阻止されたし、シャルル・ルクレールとハミルトンはバスールを全面的に支持した。
それでもダメージはあった。バスールは冷静ではあったものの、こうした記事の見出しが特に抑えられることなく広まった場合の影響力について、ためらうことなく指摘した。
「この章を締めくくるために報道に目を通さなければならないが、それは火に油を注ぎたくないからだ。フェラーリと契約したとき、自分以外の誰かを責めることはできないと完全にわかっていた」とバスールは語った。
「もしこういう話を望んでいないのなら、出ないほうがよかっただろう。しかしチームにいる1500人にとって、自分の名前がマスコミにこのように広まるのは、本当にひどいことだ」
そして今、頻繁に名前が挙がるのはバスール自身の名前だけではない。
「今では毎日、私のオフィスに『それは本当ですか?』と尋ねる人がやって来る。(答えは)『いや、それは真実ではない』だ」
バスールはグーグルですぐ検索して、バルボのうわさを笑い飛ばしたかもしれないが、より広範な問題は依然として深刻だ。団結、集中力、そして正確さが成功の鍵となるスポーツでは、たとえフィクションであっても事実として報道されると、チームが軌道から外れてしまう可能性がある。
[オートスポーツweb 2025年06月22日]
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