フォードGT40と同じエンジンオイルの警告灯
ボアハム・モーターワークス社によって復刻される、フォード・エスコート RS Mk1。その公道仕様には、クワイフ社製のLSDに高度なECU、幅225の現代的なタイヤが組まれる。それでも、ABSやトラクション・コントロール、パワステは備わらない。
【画像】ノスタルジックな危うさ ボアハム・フォード・エスコート Mk1 高度に蘇る名車たち 全141枚
それとは大きく異なる、サーキット専用のエスコート Mk1 アラン・マン「68エディション」。バケットシートはティレット社製で、シートポジションはオリジナルを駆ったレーシングドライバー、フランク・ガードナー氏へ最適化されている。
Hパターンのシフトノブは、彼の愛車、そのものから拝借されたらしい。現在AMRを率いるヘンリー・マン氏は、オリジナルより走りはエキサイティングだが、同等のオーラまでは放たないと認める。
とはいえ筆者には、同じくらい胸に迫るものがある。ダッシュボードに備わる巨大なエンジンオイルの警告灯は、本来はフォードGT40から流用されたものだ。そんな逸話を知っているだけに、ゾクゾクせずにいられない。
テストコースで夢見心地の時間
天気は快晴。テストコースで過ごした時間は、試乗評価というより、夢見心地といって良かった。今回のクルマは試作車だが、24台限定の完成版では、ドアハンドルなども2025年水準の品質で仕上げられるという。
細部へのこだわりも半端ない。リアサスペンションのワットリンケージ・マウントポイントは、オリジナルと異なり、重心とロールセンターが改善されている。前側のリンケージは、フォードGT40の技術を導入し、再設計されている。
エンジンはオリジナルと近い設計だが、トルクは大幅に太い。ロータスが設計したツインカムユニットの排気量は1840ccあり、キャブレターはウェーバーが2基。4500rpmから本領が発揮され、回転数の上昇とともに、鳥肌モノの音響も増大していく。
公道向けの通常仕様には、インジェクションで1万rpmまで回る2.1L 4気筒が載る。最高出力は300psだから、驚異的な速さだろう。だが、この1.8Lユニットも選べるらしい。
絶妙なバランスの探求へ没入 苦行とは無縁
68エディションのエンジンは、不気味なほど滑らか。半世紀前の見た目と裏腹に、新車だから経年劣化はもちろんない。2025年には先進的な体験ではないとしても、1968年には高度なシャシーの宇宙船といって良かったはず。
周回を重ねる毎に、古いレーシングカーらしい体験が顕になる。全体的に操縦系は重く、ドライバーには少し反抗的。コーナーへ積極的に飛び込み、絶妙なバランスの探求へ没入していく。
小さく軽い68エディションは、常に挙動を予想しやすい。荒々しい音響や容姿だとしても、苦行とは無縁といっていい。カーブでのボディロールは小さくないが、理解が深まるほど楽しさは高まっていく。
フロントのグリップ力は程々でも、リアタイヤも流れやすいから、大きな問題はない。アクセルペダルを踏み込むと、簡単にむずがる。しかし、流れるような四輪ドリフトへ持ち込みやすい。縁石をかすめつつ、ストレートで4速の加速力にも夢中になる。
ノスタルジックな容姿に相応しい危うさ
現代的なサスペンションなら、もっと速くサーキットを周回できるだろう。だが、ノスタルジックな見た目に相応しい危うさが、気持ちを鷲掴みにする。コンティニュエーション・モデルだからこそ、思い切り楽しめる。
プロトタイプには、ロールケージや消化器は備わらなかった。特別すぎるという理由で、美術品と同じ保険がかけられていた。そんなことも忘れていた。顧客へ届けられる24台には、安全装備が与えられ、メンテナンスもより容易になるはずだが。
ピットレーンへ戻るが、余りの素晴らしさに放心状態。幸運な24名のオーナーには、ヒストリックレースでこの逸品を披露していただきたい。
ボアハムが手掛けるレストモッドの第一章となる、68エディション。記念すべきクルマは、前例がないほど特別な存在として今後を過ごすことになるだろう。
ボアハム・フォード・エスコート Mk1 アラン・マン 68エディション(サーキット仕様)のスペック
価格:30万ポンド(約5850万円/予想)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:225km/h(予想)
0-100km/h加速:4.2秒(予想)
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
乾燥重量:795kg
パワートレイン:直列4気筒1840cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:205ps/8000rpm
最大トルク:20.7kg-m(予想)
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)
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