現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > スバルの「超“極小”ミニバン」がスゴかった! 全長3.5m級ボディに「3列シート」!? 「4人」寝られる車中泊仕様もあった名車「ドミンゴ」とは

ここから本文です

スバルの「超“極小”ミニバン」がスゴかった! 全長3.5m級ボディに「3列シート」!? 「4人」寝られる車中泊仕様もあった名車「ドミンゴ」とは

掲載 3
スバルの「超“極小”ミニバン」がスゴかった! 全長3.5m級ボディに「3列シート」!? 「4人」寝られる車中泊仕様もあった名車「ドミンゴ」とは

■ほぼ軽で7人乗り!? スバルの「元祖」コンパクトミニバン「ドミンゴ」

 近年、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」など、比較的小さなボディに3列シートを備えたコンパクトミニバンが人気を集めています。扱いやすいサイズ感と、いざという時に多人数乗車ができる点が支持されているようです。
 
 しかし、こうしたコンセプトのクルマは最近登場したものではありません。その先駆けとも呼べる画期的なモデルが、40年以上前にスバル(当時の富士重工業)から発売されていました。その名は「ドミンゴ」。超極小ミニバンとも呼べるユニークな一台でした。

【画像】超カッコいい! これがスバルの「超“極小”ミニバン」です! 画像で見る(30枚以上)

 初代ドミンゴが登場したのは1983年です。

 当時スバルが販売していた軽ワンボックスカー「サンバートライ」(4代目サンバーベース)のボディを基本骨格としながら、その巧みなパッケージングによって3列シートを配置し、7人乗りを実現していました。

 スペイン語で「日曜日」を意味する車名には、このクルマに乗れば、気分はいつも日曜日という想いが込められていたといいます。

 ボディサイズは、全長3425mm×全幅1430mm×全高1900mm(初代・4WDモデル)。これは、ベースとなったサンバートライの全長・全幅を、大型バンパーやサイドモールの追加で、当時の軽自動車規格(全長3200mm以下、全幅1400mm以下)をわずかに超えるように拡大したものでした。

 それでも現代のコンパクトミニバン(全長4.3m級)と比較すると驚くほど小さく、まさに極小サイズでした。

 エンジンは、ベース車の軽自動車用エンジン(当時は550cc)から、よりパワフルな1リッター直列3気筒エンジン(最高出力48PS)に換装され、小型車として登録されました。

 駆動方式は、サンバー同様にリアにエンジンを搭載し後輪を駆動するRRレイアウトを基本に、悪路走破性を高めるパートタイム4WDも設定。そのコンパクトなボディと、最小回転半径わずか3.9mという軽自動車並みの小回り性能も相まって、狭い道が多い山間部や温泉街の送迎車としても重宝されました。

 初代ドミンゴのユニークな点は、シートアレンジにも表れていました。

 1列目シート(運転席・助手席)を後ろ向きに回転させ、2列目シートを畳んでテーブル代わりにすることで、車内が対座式のリビング空間に早変わりするという、遊び心あふれる機能を備えていたのです。

 1986年にはマイナーチェンジを実施。4WDシステムには、より使い勝手の良いフルタイム4WDが追加設定されました。同時に、4WDモデルのエンジンは1.2リッターへと排気量が拡大され、動力性能が向上しています。

 いっぽうで、トランスミッションはデビュー以来マニュアル(MT)のみの設定でした。これは当時AT車の普及が進む中で珍しい選択でしたが、ベース車との兼ね合いもあったと考えられます。

 また、このマイナーチェンジでは「サンサンウインドウ」と呼ばれる特徴的なサンルーフもオプション設定。ルーフ中央の大型サンルーフに加え、2列目頭上のルーフ側面にもガラスを配することで、室内に圧倒的な開放感をもたらしました。

■2代目「ドミンゴ」にはユニークな純正「キャンパー」仕様も設定

 1994年、ベースとなるサンバーが5代目(サンバーディアス)へとフルモデルチェンジしたことを受け、ドミンゴも2代目へと進化しました。

 ボディサイズは全長3525mm×全幅1415mm×全高1995mm(4WD)と、初代同様のコンパクトさを維持。エンジンは全車1.2リッターとなり、待望のオートマチックトランスミッション(ECVT)やパワーステアリングが設定され、快適性が大幅に向上しました。

 開放的なサンルーフも「サンサンルーフ」として継承されました。

 そして2代目ドミンゴには、さらにユニークな派生モデルも存在しました。それが「アラジン」です。

 なんと、ルーフ部分が上に開いて就寝スペースとなるポップアップルーフを備えたキャンパー仕様が、メーカー純正のカタログモデルとして設定されていたのです。

 室内もフルフラット化が可能で、合計4人が就寝できる本格的な車中泊仕様でした。

 当時は受注生産で282台しか販売されなかったようですが、現在のキャンプ・車中泊ブームを考えると、時代を30年も先取りした画期的なモデルだったといえるでしょう。

 しかし、ドミンゴはそのユニークさにも関わらず、1998年に生産を終了。後継モデルが登場することはありませんでした。

 スバルの3列シート車は、その後オペルからのOEM供給車「トラヴィック」(2001~2005年)や、自社開発の「エクシーガ」(2008~2018年)が登場しましたが、エクシーガの派生モデル「エクシーガ クロスオーバー7」が2018年に販売を終えると、現在の国内ラインナップから3列シート車は消滅してしまいました。

※ ※ ※

 軽自動車とほぼ変わらない極めて小さなボディで7人乗りを実現し、回転対座シートやポップアップルーフ仕様まで用意したドミンゴ。

 その巧妙なパッケージングとユニークな発想は、現代のコンパクトミニバン市場から見ても非常に魅力的です。

 現代の安全基準や環境基準を満たしながら、あのコンパクトさで多人数乗車を実現するのは容易ではないかもしれません。

 しかし、ドミンゴが示した“小さな巨人”のコンセプトは、今改めて注目されるべき価値を持っているのではないでしょうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタの「小さな高級車」がスゴかった! 「センチュリー級」クオリティ×全長4.5mの「ちょうどイイサイズ」! 直6+FRも魅力的な「プログレ」とは
トヨタの「小さな高級車」がスゴかった! 「センチュリー級」クオリティ×全長4.5mの「ちょうどイイサイズ」! 直6+FRも魅力的な「プログレ」とは
くるまのニュース
スバル新型「“最高級”フォレスター」がスゴイ! 歴代初の「“水平対向”パワトレ」&ブラウンの「豪華内装」あり! 「リッター20キロ」に迫る低燃費も魅力の「プレミアム S:HEV EX」とは?
スバル新型「“最高級”フォレスター」がスゴイ! 歴代初の「“水平対向”パワトレ」&ブラウンの「豪華内装」あり! 「リッター20キロ」に迫る低燃費も魅力の「プレミアム S:HEV EX」とは?
くるまのニュース
全長3.7m!トヨタ「ルーミー」みたいな“小型トールワゴン”が「スバル」にもあった! 車内ひろびろ「謎の箱クルマ」使い勝手バツグンの「ジャスティ」とは!
全長3.7m!トヨタ「ルーミー」みたいな“小型トールワゴン”が「スバル」にもあった! 車内ひろびろ「謎の箱クルマ」使い勝手バツグンの「ジャスティ」とは!
くるまのニュース
660ccのダイハツ「小さな高級車」に反響殺到!「マジで軽のセルシオ!」「パワフルな加速が気持ちいい」と絶賛の声! めちゃ快適すぎる“高品質インテリア”実現した「ソニカ」に大注目!
660ccのダイハツ「小さな高級車」に反響殺到!「マジで軽のセルシオ!」「パワフルな加速が気持ちいい」と絶賛の声! めちゃ快適すぎる“高品質インテリア”実現した「ソニカ」に大注目!
くるまのニュース
1リッターで「30km以上」も走れる! ガソリン高騰しても全然大丈夫!? めちゃ燃費が良い「国産SUV」トップ3
1リッターで「30km以上」も走れる! ガソリン高騰しても全然大丈夫!? めちゃ燃費が良い「国産SUV」トップ3
くるまのニュース
新車「204万円」で7人乗り! イチバン安い「国産3列ミニバン」に注目! ダントツ安いトヨタ「シエンタX」だけど両側スライド装備で「割り切れば」十分!? どんな魅力がある?
新車「204万円」で7人乗り! イチバン安い「国産3列ミニバン」に注目! ダントツ安いトヨタ「シエンタX」だけど両側スライド装備で「割り切れば」十分!? どんな魅力がある?
くるまのニュース
日産の新型「“高級”SUV」いつ発売!? 全長5.3m超えの「スゴいサイズ」! 打倒「ランクル」に燃える新型「パトロール」日本導入に期待大!
日産の新型「“高級”SUV」いつ発売!? 全長5.3m超えの「スゴいサイズ」! 打倒「ランクル」に燃える新型「パトロール」日本導入に期待大!
くるまのニュース
日産新型「エルグランド」初公開! 元祖高級ミニバン大刷新で“打倒アルファード”なるか!? 先進的な箱型デザイン&1.5リッターの「スゴいe-POWER」搭載し26年度発売へ!
日産新型「エルグランド」初公開! 元祖高級ミニバン大刷新で“打倒アルファード”なるか!? 先進的な箱型デザイン&1.5リッターの「スゴいe-POWER」搭載し26年度発売へ!
くるまのニュース
【インドネシア】ダイハツ最新型「コンパクト“ミニバン”」が話題に! MT設定あり&全長4.1m級ボディ採用の「7人乗りモデル」に熱望の声! 人気スギる「シグラ」に反響多数
【インドネシア】ダイハツ最新型「コンパクト“ミニバン”」が話題に! MT設定あり&全長4.1m級ボディ採用の「7人乗りモデル」に熱望の声! 人気スギる「シグラ」に反響多数
くるまのニュース
レクサス新型「“カクカク”SUV」発表! 大排気量「V6ツインターボ」×10速AT搭載! 超高性能4WDもイイ「GX」登場もさっそく“長納期化”ってマジ?
レクサス新型「“カクカク”SUV」発表! 大排気量「V6ツインターボ」×10速AT搭載! 超高性能4WDもイイ「GX」登場もさっそく“長納期化”ってマジ?
くるまのニュース
日産「新型エルグランド」初公開! 15年ぶり“全面刷新”で今年度中に登場へ! 斬新「ウロコ顔」×横一文字テールに史上初「ハイブリッド」も採用!? 元祖「ミニバンの“王”」特徴は?
日産「新型エルグランド」初公開! 15年ぶり“全面刷新”で今年度中に登場へ! 斬新「ウロコ顔」×横一文字テールに史上初「ハイブリッド」も採用!? 元祖「ミニバンの“王”」特徴は?
くるまのニュース
マツダ ボンゴフレンディはロフト付きの車中泊できるワンボックス こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】
マツダ ボンゴフレンディはロフト付きの車中泊できるワンボックス こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】
ベストカーWeb
トヨタ新「ハイエース」がスゴい! 超進化した「商用ワゴンの皇帝」は“洗練ボディカラー“も魅力的! “20周年”を記念するパワフル仕様「スーパーGL“DARK PRIME S”」のスゴさとは
トヨタ新「ハイエース」がスゴい! 超進化した「商用ワゴンの皇帝」は“洗練ボディカラー“も魅力的! “20周年”を記念するパワフル仕様「スーパーGL“DARK PRIME S”」のスゴさとは
くるまのニュース
リッター「約29km」も走る!? 低燃費×快適空間がサイコー! 家計に優しい「低燃費ミニバン」5選!
リッター「約29km」も走る!? 低燃費×快適空間がサイコー! 家計に優しい「低燃費ミニバン」5選!
くるまのニュース
新車152万円! トヨタ最新「プロボックス」がスゴイ! 進化を続けた「商用バンの皇帝」どんなモデルに? アウトドアや“遊び用”の「カスタムベース」にも最適!
新車152万円! トヨタ最新「プロボックス」がスゴイ! 進化を続けた「商用バンの皇帝」どんなモデルに? アウトドアや“遊び用”の「カスタムベース」にも最適!
くるまのニュース
【南アフリカ】トヨタ最新「スターレット」に注目! “全長4m以下”の「5ドアハッチボディ」&“5速MT”あり! かつて人気の「懐かしいモデル」が復活していた! どんなクルマなのか
【南アフリカ】トヨタ最新「スターレット」に注目! “全長4m以下”の「5ドアハッチボディ」&“5速MT”あり! かつて人気の「懐かしいモデル」が復活していた! どんなクルマなのか
くるまのニュース
日産の「4人乗り“超高級”セダン」がスゴかった! 全長5m超え×4.5リッターV8搭載の“VIP”カー? もはや「走る応接室」な「プレジデント」とは
日産の「4人乗り“超高級”セダン」がスゴかった! 全長5m超え×4.5リッターV8搭載の“VIP”カー? もはや「走る応接室」な「プレジデント」とは
くるまのニュース
アウトドア好きから支持されたSUV、スバル フォレスターヒストリー【名車の生い立ち#12】
アウトドア好きから支持されたSUV、スバル フォレスターヒストリー【名車の生い立ち#12】
グーネット

みんなのコメント

3件
  • A180
    「ほぼ軽で7人乗り!?」
    あいまいな記載はするな!軽ではない、完全に普通車ですよ
  • mt_********
    40年以上前のネタを擦るなら、取材体制整うまで記事を出さなくていいよ…メディアヴァーグ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

107 . 7万円 178 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78 . 0万円 200 . 0万円

中古車を検索
スバル ドミンゴの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

107 . 7万円 178 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

78 . 0万円 200 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村