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遅っ!!! [鈍足]っぷりが話題になった悲しきスポーツカーたち

掲載 更新 32
遅っ!!! [鈍足]っぷりが話題になった悲しきスポーツカーたち

 俊足なのはスポーツカーにとって重要な要素のひとつ。もちろんそれがすべてではないが、やはり遅いクルマをスポーツカーと呼ぶのには抵抗がある。しかし、世の中には想像以上に鈍足のスポーツカーが存在していたりする……。

文/長谷川 敦、写真/トヨタ、ホンダ、フォルクスワーゲン、Newspress UK、CarsWp.com

遅っ!!! [鈍足]っぷりが話題になった悲しきスポーツカーたち

【画像ギャラリー】見た目は速そうだけど…鈍足車たちをもっと見る(21枚)

「ローパワー」=「遅い」ではないけれど…

低い車高で見た目からして速そうなスポーツカー。だが、時にはその見た目に裏切られる可能性だってある。そうなった場合のがっかり感は半端ない……

 最初に押さえておきたいのは、パワー(馬力やトルク)が低くても、それが即、遅いクルマというわけではないこと。

 もちろんパワーがあればそのクルマは必然的に速くなるが、ローパワーでも車体が軽量ならばそれを生かした俊敏な加減速が行えるし、コーナリング性能も高くなる。

 とはいえ一般道でコーナリングの限界まで攻めるのは難しく、どうしても停車時からの発進や高速道路での巡行性能に優れたクルマを速いと思うのも間違いではない。

 そこで今回は、見た目のわりに低出力でスピードを出しにくいクルマを「鈍足車」と定義して紹介していことにしたい。

 しかし、たとえ遅くても各車には独自の魅力があり、総合評価がパワーだけで決まるのではないということも忘れるわけにはいかない。

【画像ギャラリー】見た目は速そうだけど…鈍足車たちをもっと見る(21枚)

速そうな見た目ならブッチギリの2モデル

●光岡自動車 オロチ

 まずはそのルックスに注目してほしいのが、日本の光岡自動車が2007~2014年に販売していた2シーターモデルのオロチ。

 大蛇をイメージした名称とデザインのオロチは、他社製モデルを大改造したコンプリートカーを製作していた同社がゼロから自社で作り上げたモデルで、全幅2035mm、全高1180mmのロー&ワイドフォルムが特徴になっている。

 他のどのクルマにも似ていないそのフォルムはスーパーカーそのものであり、いかにも速そうなたたずまいだが、実際にはそこまで速いクルマではなかった。

 エンジンはトヨタ製の3.3リッターV6が搭載され、その出力は233ps。

 233psは決して低出力ではないが、見た目の迫力と1580kgという重量から考えると少々もの足りないものではあった。

 実際に光岡自動車自身もこのオロチを「ファッションスーパーカー」と呼び、スピードではなく雰囲気を楽しむクルマと定義づけていた。

 とはいえ、見た目に合ったパワーを期待した人は少々がっかりしてしまったであろうことは否めない。

●フィアット X1/9

 イタリアの名門フィアットが1972年にリリースしたミドシップエンジンのスポーツカーがX1/9。

 FFモデルのフィアット 128のコンポーネンツを利用したため、128の開発コードネーム・X1/1から数えて9番目のモデルにあたるX1/9の名称が与えられたこのクルマは、低くかまえたフォルムやエンジン搭載位置から純粋なスポーツカーだと思われた。

 だが、エンジンは128と共通の1.3リッター直4という小ぶりなものであり、イタリア国内仕様での最高出力は75ps、排ガス規制のあった日本やアメリカ仕様にいたっては66psにとどまった。

 このパワーではいかに軽量な車体であっても心もとなく、X1/9が速いクルマといわれることはなかった。

 X1/9で用いられたFFモデルのエンジン&駆動系を使ってミドシップカーを作るという手法は、後のトヨタ MR2&MR-Sでも採用されている。

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名車の陰に隠れた悲しきスポーツカーたち

ホンダ CR-Z。新時代のFFハイブリッドコンパクトスポーツカーとして期待されていたが、かつてのCR-Xにあった軽量&パワフル感が薄れてしまった

●ホンダ CR-Z

 ホンダから2010年に発売されたCR-Zは、かつて人気を博したコンパクトFFスポーツカーのCR-Xをイメージさせるコンセプトを体現した新時代のモデルだった。

 CR-Xシリーズのなかでも特に人気の高かった初代&2代目と共通するフォルムのボディに、時代にふさわしいハイブリッドパワーを搭載したCR-Zには、かつてのCR-Xを知る人への訴求はもちろん、新たなユーザー層の開拓にも期待がかかった。

 しかし、CR-Zを運転した人は「思ったよりもだいぶ遅い」との感想を持ってしまうケースが多かったという。

 ハイブリッド車であるCR-Zのシステム最高出力は135psと控えめで、この時代のコンパクトスポーツとしては不十分な感は否めなかった。

 小気味よく回るVTECエンジンを生かしてキビキビと走るCR-Xの思い出を抱いてCR-Zに乗ると、どうしても遅さを感じてしまうのは致命的といえた。

 結局CR-Zは高評価を得られず、販売台数も伸びずに2015年に1代限りのモデル生命を終えてしまった。

●トヨタ スプリンタートレノ/カローラレビン(AE85型)

 ハチロクの愛称で現在も愛されるトヨタのAE86型スプリンタートレノ&カローラレビンだが、実は彼らにはほとんど同じ外観の兄弟がいる。

 それがAE85型のスプリンタートレノ&カローラレビンだ。

 スポーツ走行での性能を重視して1.6リッター直4DOHCエンジンが搭載されたAE86に対し、廉価版のAE85には先代のトレノ&レビンで使われていた1.5リッター直4SOHCエンジンを採用していた。

 このため出力はAE86の130psよりかなり低い83ps止まりであり、当然ながら速さもなかった。

 そもそもAE86自体もパワーではなく、ハンドリング特性の良さで評価されたクルマであって、それよりさらに出力の低いAE85のパワー不足感は相当なものだった。

 見た目はまんまAE86と同じだっただけに、余計に残念なスポーツカーと評されてしまった。

●フォルクスワーゲン カルマンギア

 現在でこそあまりスポーツカーのイメージがないドイツのフォルクスワーゲンだが、ポルシェと共通するルーツを持つメーカーだけに、以前はスポーツカーのラインナップもあった。

 1955年に登場したカルマンギアは、フォルクスワーゲン タイプ1(ビートル)のコンポーネンツを流用して作られたスペシャリティカーであり、ボディデザインはイタリアのギア社が担当していた。

 そのボディフォルムは優美さを感じさせる洗練されたもので、この時代のスポーツカーのひとつの頂点に達していた。

 だが、中身は大衆車のビートルであって、初期型カルマンギアのパワーはわずか30psだった。

 1950年代のこととはいえ、やはりパワー不足は歴然としていて、カルマンギアは見た目のように速いクルマにはならなかった。

 しかし、ボディデザインの良さやビートル譲りの耐久性が高く評価されて、特に北米では人気を獲得することに成功し、1975年まで生産が続けられるという息の長いクルマになった。

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文:ベストカーWeb ベストカーWeb
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みんなのコメント

32件
  • tma********
    AE85レビンは頭文字Dでも樹がAE86と間違えて買って笑われるエピソードがあった。
    シートもセダンのカローラと同じで、ホント「狼の皮を被っった羊」だったな。
    当時私はほぼ同じ価格なので、スポーツシートに可変ベンチュリーで86psだったカローラⅡSRの方を選びましたよ。
  • wil********
    オロチを選んだ人は理解して買っているから、ガッカリしている人はいないでしょう。 出た当初から話題になっていたよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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