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【最新モデル試乗】「背の高いワゴン」という個性。最新クラウンらしい快適性&先進性を融合した第4のモデル、エステートのアピールポイント

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【最新モデル試乗】「背の高いワゴン」という個性。最新クラウンらしい快適性&先進性を融合した第4のモデル、エステートのアピールポイント

エステートはSUVの自由とワゴンのユーティリティを実現した新たな提案

 クラウン・エステートが正式発売された。諸般の事情により当初の予定から遅れたが、くしくも2025年、クラウン誕生70周年のタイミングで最新16代目の4つの個性が揃うことになった。

【注目モデル詳報】万能ラグジュアリー4WD登場。ワゴンとSUVが融合したクラウン・エステートの新世界

 最新エステートは、ひと言で表現すると「背の高いワゴン」である。ステーションワゴンとSUVを融合した新種のマルチユースモデルだ。クラウンにワゴン(当時はカスタムと呼ばれていた)が登場したのは2代目(1962年)から。歴代モデルでは9代目と10代目にはワゴンがなく、11代目で復活したが、12代目以降は設定がなかった。

 高級車クラウンの積載性を強化したワゴンモデルは、それなりにニーズがあった。筆者の周囲でも「ほかに乗りたいクルマがない」と現時点でも愛用している友人が何人かいる。

 開発コンセプトは「大人のアクティブキャビン」。クラウンが持つ品格を備えた、自由を謳歌するパーソナルなクルマを目指している。クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートの4種が揃う最新シリーズの中でも最も「ライフスタイルに寄り添った」キャラクターの持ち主である。ラインアップはRSを名乗るPHEV(810万円)と同ZのHEV(635万円)の2種。PHEVのパワートレーンはスポーツと基本的に共通。HEVは車重の増加に対応し駆動用モーター出力を引き上げた専用仕様だ。PHEVは「アクティブで上質」、HEVは「スマートで実用的」なパフォーマンスが追求され、PHEVには移動時間の質をさらに高める「リアコンフォート」モードが設定されている。駆動方式は、もちろん全車4WDだ。

夢広がる広々フリースペース、全席快適。まさに大人の最上ワゴン

 エステートのボディスタイルは、もともとリフトアップしたSUVスタイルである現行クラウン・クロスオーバーをワゴン化したという成り立ち。ボディサイズは4930×1880×1625mm。車高はクロスオーバー比で85mm高く、リアのオーバーハングを伸ばしたシルエットは伸びやか。国内外のライバル、たとえばメルセデス・ベンツのC/EオールテレインのようにワゴンをSUVテイストに仕立てたクルマとは、アプローチの順番が逆。とはいえ結果的には似たパッケージングとなっている。

 魅力はテールゲートを開けてリアシートを倒すと出現するフリースペースにある。奥行きが2mもあるフラットな自由空間は、インパクトがある。ラゲッジフロアにはフロントシートとの隙間を埋めるための拡張ボードを備え、タイヤハウス後方空間も横幅ギリギリめいっぱいまで広げられている。

 エステートの広々としたスペースは眺めるだけで夢が広がる。アウトドアギアなど大切な趣味の道具を載せて移動を楽しんだり、旅先でくつろぐ空間として活用するのに最適である。しかも細部まで上質。これほどプレミアム感が感じられるワゴンはなかなかない。

 エステートは、現行クラウンに共通する「全席特等席」の思想を荷室にまで拡張しており、カーペットには毛並みの細い材質を採用して心地よい触感を実現。機能面でも、HEVとPHEVのどちらも1500Wまで使えるAC100V電源が配されているほか、引き出し式のデッキチェアやデッキテーブルなど気の利いたアイテムが設けられている。オプションで選べる前席から後席までつながる大きなパノラマルーフが、絶大な開放感を与えくれるのも「全席特等席」のこだわりのひとつに違いない。

 ドライブフィールはPHEVとHEVで味付けが異なる。印象としてはHEVが軽快、PHEVは上質でしなやかな仕上がりとなっていた。開発者に聞くと「21インチ大径幅広タイヤを履くのはクロスオーバーやスポーツと同じだが、重心高が高くなることやフル乗車して重い荷物を載せることも考慮しなければならず、足回りの開発は難しかった」という。

 大容量リチウムイオンバッテリーを床下に配置したPHEVのEV走行可能距離は89km。PHEVには既存モデルに対して減衰力の向上と摩擦の低減を図ったAVSが装備されており、乗るとその効果が感じられる。PHEVならではのリアコンフォートモードを選択すると乗り心地がソフトになり、しかも高速走行時でも抑えが効いている。この味付けは絶妙である。

 DRS(後輪操舵システム)にも70km/h以上での一定の条件下で同相制御を強めた独自のセッティング施されている。コーナリング時の安定感が増し、後席での横Gが薄まったように感じられた。こちらもPHEVのほうが制御の効果がよりわかりやすく、俊敏な回頭性と優れた操縦安定性を巧みに両立していた。

 パワートレーンの完成度は高い。HEVはフロントモーター出力を5割増としたことで、人や荷物を載せて重くなっても不満なく加速できる。PHEVは、モーターならではレスポンスやパワー感と優れた静粛性により、ロングドライブでも余裕を持って走れる。

 クラウン・エステートはワゴンっぽいSUVであり、SUVっぽいワゴンでもある。その価値はSUVしすぎていない点ではないか。クラウンの場合、車高が高くなったといってもそれほどのレベルではない。一般的なSUVの高い視線や地上高に抵抗を感じる人にとって、ちょうどよく感じされるはずだ。まさしく「いいとこ取り」である。

 そのうえでエステートは優れたユーティリティはもとより、新世代クラウンの価値である斬新なスタイリング、上質な車内空間、最新テクノロジーを全身にまとっている。4タイプの個性の中でもエステートには、とりわけ強い主張を感じる。

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みんなのコメント

2件
  • kik********
    普通のワゴン車って…少なくなるのかね。
    プリウスエステート、カムリエステート…なるモノが出ないかなと。
  • wes********
    コンセプトは分からんでもないが結果かっこわるくないか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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