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フォーミュラE最新マシンGEN3 Evoを経験した小山美姫、その加速力は”猫みたい”? 驚きのトルクと加速力

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フォーミュラE最新マシンGEN3 Evoを経験した小山美姫、その加速力は”猫みたい”? 驚きのトルクと加速力

 今年2回目の開催を迎えるフォーミュラEの東京E-Prix。そのレースを走るマシンは、めちゃくちゃすごいパワーの持ち主らしい。GEN3 Evoと呼ばれる最新マシンをドライブした経験を持つ小山美姫が教えてくれた。

 今シーズンからフォーミュラEには、GEN3 Evoと呼ばれるマシンが投入されている。このマシンは、昨年まで使われていたGEN3とは見た目上は大きくは変わらないものの、パフォーマンスという面では格段に進歩している。アタックモードを起動した時の速さは、公道コースを走るのは危ないのではないか……そう感じてしまうほどだ。

■フォーミュラE東京E-Prix、3月8日に観戦チケット一般販売スタート。2日間開催となった今年大会も残数わずか……!

 フォーミュラEによれば、このGEN3 Evoは停止状態から時速60マイル(96.5km/h)まで、わずか1.82秒で到達してしまうのだという。この加速性能という面だけで言えば、F1マシンをも凌ぐ。

 このGEN3 Evoに乗ったことのある日本人ドライバーがいる。それが小山美姫だ。彼女は2024年の11月にハラマで行なわれたテストで、ローラ・ヤマハABTのマシンを走らせたのだ。加速感はいったどんなものだったのだろうか?

「パワーとか加速は、今まで乗ったマシンの中で一番すごいですね」

 小山は、F1マシンこそ乗った経験はないが、それに次ぐ速さと言われるスーパーフォーミュラのドライブも経験している。しかしフォーミュラEのGEN3 Evoは、確実にそれをも凌ぐようだ。それを、彼女ならではの表現で説明してくれた。

「スーパーフォーミュラよりもすごいです。アクセルを踏んだら、タイヤが温まっていたとしても……なんて言えばいいかな……猫が飛び込んでいく時って、お尻を振ってピューッと走っていくじゃないですか? ああいう感じになりました。わかります?」

 みなさんイメージできるだろうか?

「とにかくそのくらい、アクセルを踏んだ時のトルク感を実感しました」

 ただ小山曰く、パワーはあるものの車体の重量が重く、ダウンフォースも少ないため、他のフォーミュラカーとはまた違う感触だったようだ。

「トルク感とかパワー感はあるんですが、車重は重いんです。でもダウンフォースが少ない分、すごく軽く感じます。タイヤのグリップは(スリックタイヤと比べれば)そこまで高くないので、重いのにかるというような……フォーミュラカーなのにツーリングカーの感覚も混ざっている感じです。フォーミュラEにしかない感覚だと思います」

 フォーミュラEはご存知のとおり完全電動のレーシングマシン。エンジンは搭載しておらず、モータースポーツでは聞き慣れたエンジン音が皆無である。小山はその感覚は新鮮だったというが、すぐに慣れたという。

「これまでは音があることが当たり前のところでやってきました。でもフォーミュラEは、乗っている時の静かさだったり、発進する時の静かさだったりが、見ていても乗っても新鮮な感覚でした」

 そう小山は言う。

「でもすぐに慣れちゃいますね。私たちは音というよりも、どうマシンをコントロールするかということに集中しています。だから音がないのが気にならないというか、他の部分に集中しているということだと思います」

■フォーミュラEマシンで苦労したところ

 苦労したのはハンドルの重さであったようだ。フォーミュラEにはパワーステアリング(パワステ)がついていないが、これがかなり重いようだ。しかも小山ら女性ドライバーがだけが苦労したわけではなく、レギュラー参戦しているドライバーたちも苦戦したという。

「GEN3 Evoから四輪駆動になりましたが、ハンドルはすごく重いです。その中で細かい操作……特にサーキットが狭いと舵角の量は増えますから、大変そうだなと思います。日本では感じたことのないくらい重いです」

 また小山は、マシンに搭載されているセンサーをどのようにうまく使いこなすのかということも、フォーミュラEでは肝になるのではないかと想像する。

「マシンにたくさんついているセンサーによって、コースのバンプなどでトラコン(トラクションコントロール)とかABSが作動します。実はブレーキのターゲットがデータで示されていて、そこに合わせる形で減速するんですけど、合わせられないとうまく減速できません。トラコンやABSがバンプに反応する形で作動してしまうと、そのピークが変わってしまって、うまく減速できなくなっちゃうんですよ」

「だからレーシングラインを意識するよりもバンプで跳ねないようなラインを通るなど、ブレーキをしっかりと効かせられるようにしています。センサーがいっぱいついていることの難しさだと思います……GTマシンよりも敏感だなと思いました。奥が深いなと思っています」

 東京E-Prixでは、各車の走行ラインをチェックすると、そのあたりが分かってくるかもしれない。猫のような加速性能やその音なども、3月8日から一般販売が開始されたチケットを購入し、現地でご覧になるとよろしかろう。

■フォーミュラEは楽しい?

 小山にとって、GEN3 Evo/フォーミュラEのマシンは楽しいと感じられるものだったのか? そう尋ねると、これも彼女ならではの表現で語ってくれた。

「私的には楽しいクルマですね」

「私はどんなクルマでも大好きなんです。元々フォーミュラカーが大好きで、またフォーミュラカーに乗れたらいいなと思っています。でもGTにはGTの楽しさがあって、どのクルマにも奥深さがあります」

「去年は色々と挑戦させていただいて、今まで見えていなかった部分も見えてきました。それぞれの奥の深さがわかってきて、楽しさも感じています。フォーミュラEも同じく、楽しかったです」

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