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「W166」3代目メルセデス・ベンツMクラスはサルーンのような乗り味に進化していた【10年ひと昔の新車】

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「W166」3代目メルセデス・ベンツMクラスはサルーンのような乗り味に進化していた【10年ひと昔の新車】

2011年、メルセデス・ベンツの人気SUV「Mクラス」が欧州でフルモデルチェンジし、3代目となって登場した。モノコックシャシ採用でプレミアムSUVとして世界的なヒットモデルとなった2代目から、新しいエンジンや進化した駆動制御システムなど新しいトピックを盛り込んでの誕生となった。その実力はどんなものだったのだろうか。ここでは2011年12月に行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年2月号より)

インテリアの質感やスイッチ類の操作感などサルーンと遜色なし
W163型初代Mクラスが登場したのは1997年のこと。メルセデスにとっては初のアメリカ生産モデルとなったこのクルマは、フレームシャシゆえの堅牢さは備えていたものの、乗り味や内装クオリティの低さから、市場での評判は決して芳しいものとはいえなかった。

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1997年といえば折りしも、乗用車のモノコックシャシをベースとした、いわゆる今日的なSUVの原型ともいえるレクサスRXがブームの兆しを伺わせ始めた頃だ。SUVに対する世の趨勢が乗用車系シャシをベースとする方向に傾き始めた、そのタイミングの悪さも逆風となったわけだ。

それらのネガを改めた2代目W164型Mクラスが登場したのは2005年のこと。内装クオリティがメルセデスの標準的レベルにまで引き上げられただけでなく、多彩なエレクトリックデバイスの投入で、オフロードの走破力もイージーに引き出せるように配慮されたこの世代は、モノコックシャシ採用でオンロードでのドライバビリティや快適性も向上、世界的なヒットモデルとなった。

Mクラスは初代発売から2014年で120万台以上の累計販売台数と、それはメルセデスのビジネススケールからいえば十分に基幹の一翼を担うものである。そんなMクラスもこのモデルチェンジで3代目。往年のGPレーサーの名前と被ることを嫌ったのか、コードネームはひとつ跳びの「W166」となる新型Mクラスは、新しいエンジンや進化した駆動制御システムなどの新しいトピックを伴って登場した。

先代よりもスリークに、かつ若干水平基調を強く打ち出す形で整えられたエクステリアは、その外寸も、先代からは大きく変えていない。その佇まいはどちらかといえば上品になった印象だろうか。一方で車内に乗り込むとわかるのは、さらに進化した造作のクオリティだ。メタリックパーツの質感やスイッチ類の操作感など、サルーンモデルに対してのネガは限りなく無に等しい。

加えて、ダッシュボードにはオプションながらレザーラップが奢られるなど、選択肢の充実には相当気遣った模様だ。後席は若干シートバックが低いことが気になるが、大人4~5人の乗車にも十分耐える空間が確保されている。また、車内からの視界も良く、四隅の見切りもこのクラスのSUVとしては把握しやすい部類に入るなど、奇をてらわないエクステリアの仕立てが活きている。

日本仕様に導入されるエンジンは、ピエゾインジェクターを用いた最新世代の3.5L V6直噴ガソリンと、10年から日本導入された3L V6ブルーテックディーゼルの2本立て。ともに7Gトロニックプラスが組み合わされ、駆動配分50:50のフルタイム式4マティックによるアウトプットとなる。ちなみにガソリンモデルはスタート・ストップシステムなども装備され、EU測定値で25%の燃費低減を実現。日本には導入されないものの、欧米で用意される直4ディーゼルターボのML250ブルーテックに至っては、158g/kmというSUVとしては非常に優れた環境性能を実現した。

乗り心地の丸さは秀逸、電制介入の違和感は皆無
試乗にはML350ブルーエフィシエンシー及びML350ブルーテックの両方が用意されたが、エンジンの違いにかかわらず、印象的なのは乗り心地の丸さだ。これはエアサスだけでなく、新たにセレクティブダンピングシステムが設けられたコイルサスも同様で、昨今のサルーン系モデルでいえばSクラスにも近いしなやかさを備えている。

試乗車はダンロップのウインタータイヤを装着していたが、それを差し引いても路面アタリは努めて柔らかく、大きな入力もバネ下で完全に収束させていた。ステアリングフィールも絶品で、この辺はレンジローバーとも比肩できそうなほどだ。

今回の試乗では氷雪路のコースも交えられたが、そこで効果を発揮したのがオプションパッケージに用意される、ESP連動の6つの走行モード切り替えシステムだった。これはエアサスとの組み合わせで車高をはじめ、スロットル開度や変速制御も自動で最適設定とするもので、シビアな環境でもドライバーのスキルを問わず、優れた走破性を発揮する。

印象的なのはそれらのデバイスがバリバリに働いているような状況でも、介入の違和感を極力感じさせないようにセットアップされていることだ。前後等分固定の駆動配分も然りだが、メルセデスにとっての四駆とは、破天荒なパフォーマンスを引き出すものではなく、通常のドライブフィールといかに差異なくドライバーをアシストするかを前提に考えられているということがわかる。

日本への導入は2012年の前半を予定。X5のディーゼルモデル導入も同時期とあれば、新型Mクラス、ブルーテックが牽引要素として注目されることになると予想しておこう。(文:渡辺敏史)

メルセデス・ベンツ ML350 4マティック ブルーエフィシエンシー 主要諸元
●全長×全幅×全高:4804×1926×1796mm
●ホイールベース:2915mm 
●車両重量:2130kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3498cc
●最高出力:225kW(306ps)/6500rpm
●最大トルク:370Nm(37.7kgm)/3500-5250rpm  
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:4WD
●最高速:235km/h
●0→100km/h加速:7.6秒
※EU準拠。

[ アルバム : 「W166」3代目メルセデス・ベンツMクラス はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン Webモーターマガジン編集部
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