#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraのヘイキ・コバライネンは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、日本に入国できないでいる外国人ドライバーのひとりだ。
6月4日(木)、スーパーGTは改訂版の2020年レース開催カレンダーを発表。これによれば6月27~28日に富士スピードウェイで公式テストを行ない、その後7月18~19日に、同地で1戦目となるレースを開催する予定となっている。
■7月19日開幕へ! スーパーGTが改訂カレンダーを発表。富士、鈴鹿、もてぎを中心に”全戦で無観客開催”を想定
しかし現在日本は、新型コロナウイルスに対する水際対策として、世界111の国や地域から到着した外国人の入国を拒否している。コバライネンは現在母国であるフィンランドに滞在しているが、このフィンランドも入国拒否の対象国となっており、日本への入国が許されない状況になっている。
そのコバライネンはmotorsport.comの取材に応じ、自身が置かれている状況について次のように語った。曰く、公式テストへの参加は難しいとしながらも、開幕戦には出場できるようにしたいと望んでいるという。
「非常に難しい状況だ」
コバライネンはそう語った。
「現状としては、渡航制限があるために、僕は日本に入国することができないんだ。状況が今後どう変化していくか、僕らはそれを注視している」
「7月について、確約できるモノは何もない。でも、渡航制限が緩和されることを期待している。最初のレースに参加できるチャンスは、まだあると思っているよ。でも、今月のテストに参加するのは難しそうだ」
「僕はいつも準備を整えている。大使館またはチームがゴーサインを出したり、入国する方法を見つけたなら、すぐに出発して、日本に向かうことができる」
「信じられないような状況だ。でもテストは無理でも、最初のレースに出られるような解決策が見つかることを期待している。その後、一旦日本に入国したら、秋まで滞在するつもりだ」
コバライネンは3月に岡山で行なわれた公式テストに参加し、新しいトヨタ・GRスープラをチームメイトの中山雄一と共に走らせた。当初、新型コロナウイルスの感染が広がる中でも日本に留まる予定だったというが、政府の指示により計画を変更したという。
「3月末までは、シーズンの準備を整えるために日本に滞在していた。そして、パンデミックの間も、ずっと日本に留まるつもりだった」
そうコバライネンは説明する。
「でも僕は実際に、日本とフィンランド両国の政府から、帰国し、日本に留まらないよう忠告を受けた」
「それが、僕が日本を離れた理由だった。日本に滞在していた方がずっと楽だっただろうけど、その時は政府のアドバイスに従っただけだったんだ」
コバライネンは、今年スーパーGTのGT500クラスに参戦を予定しているドライバーの中で、今日本に滞在していないふたりのドライバーのうちのひとりだ。もうひとりは、#17 KEIHIN NSX-GTのベルトラン・バゲットで、彼の状況もコバライネンと似たモノであると考えられる。
なお彼らが日本に入国する場合には、到着時にPCR検査を受け、その結果が陰性だった場合にも、14日間の検疫措置を受ける必要がある。つまり7月4日までに日本に到着することができれば、富士スピードウェイでの開幕戦に出場できる可能性がある。ただスーパーGTを主催するGTアソシエイションは、法務省に対して入国制限の緩和を要求しているという。
彼らがこの期日に間に合うよう移動できなかった場合、代役を誰が務めるのか、現時点では不明である。
なおGT300クラスでも数人のドライバーが、開幕戦までに入国できない可能性がある。#9 PACIFIC NAC D'station Vantage GT3のニッキー・ティーム、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMSのクリストファー・ミーク、#35 arto RC F GT3のショーン・ウォーキンショー、#87 T-DASH ランボルギーニ GT3のデニス・リンドなどだ。
なおその他のGT500参戦中の外国人ドライバー、ロニー・クインタレッリ(#23 MOTUL AUTECH GT-R)やヤン・マーデンボロー(#24 KONDO RACING)、ニック・キャシディ(#37 KeePer TOM'S GR Supra)やサッシャ・フェネストラズ(#36 au TOM'S GR Supra)らは日本に滞在しているため、入国制限の影響を受けることはない。
なおスーパーフォーミュラに参戦するユーリ・ヴィップス、タチアナ・カルデロン、シャルル・ミレッシなども現在日本を離れているドライバーである。まだスーパーフォーミュラの改訂版開催カレンダーは発表されていないが、彼らも渡航制限の影響を受ける可能性がある。
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