現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 三菱エクリプスクロスPHEVは衝撃のコーナリング! 後席装備も充実で「買い」のSUVが誕生【試乗】

ここから本文です

三菱エクリプスクロスPHEVは衝撃のコーナリング! 後席装備も充実で「買い」のSUVが誕生【試乗】

掲載 更新 21
三菱エクリプスクロスPHEVは衝撃のコーナリング! 後席装備も充実で「買い」のSUVが誕生【試乗】

 ランエボ譲りのS-AWCなど走りも本格的!

 三菱自動車がアウトランダーに続き、PHEV(プラグインハイブリッド)の第二弾として市場に投入するのはエクリプス・クロスPHEVだった。アウトランダーPHEVで築き上げた技術と実績をそのままエクリプス・クロスに移植し仕上げている。

三菱エクリプス クロスがデザインを刷新! 新たにPHEVも設定し2020年度内に発売

 三菱のPHEVシステムの特徴は前後アクスルに駆動用モーターを個別に備える2モーターで、4輪駆動としていることだ。フルラインアップ4WDを果たしていた三菱自ならではの発想といえた。

 エンジンは主に発電用のジェネレーターを回すために稼働させる、いわゆるシリーズ方式。大容量のバッテリーをシャシーフロア下にレイアウトし、満充電なら60km前後の距離を、電気自動車として一度もエンジンを始動させることなく走行させることができる。

 前後のアクスルが機械的に連結されていないので駆動力配分が自在に行えるという特性を活かしS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)システムを仕組んでいる。S-AWCはランサー・エボリューションXで採用されていた4輪の車両運動特性統合制御システムであり、駆動力だけでなく減速時にも制動力を個別制御して車両運動特性を操っていた。PHEVにもその制御思想が受け継がれ、機械式デフに代わりブレーキ力を利用したブレーキAYC(アクティブヨーレートシステム)を採用するなど進化を示してきている。

 今回、エクリプス・クロスPHEVにもそうした技術はフルに引継がれ、さらにブラシュアップされて盛り込まれているという。

 アウトランダーPHEVとサスペンションを含めたシャシーを共用しホイールベースやトレッドはアウトランダーPHEVと同じだ。PHEVを搭載するにあたり前後オーバーハングで通常のエクリプス・クロスより140mm長くなった。

 このためリヤのハッチゲートが新造され、従来ツイングラスのダブルウインドウ方式だったものが一枚ガラスのシングルウインドウに変更されている。これだけでも十分にイメージが代わり、進化モデルに相応しい外観となった。

 乗ればわかった! SUVなのにサーキットで試乗会をやったワケ

 クルマに乗り込んで試乗開始だ。今回はプロトタイプ仕様ということもありテストコースとして富士スピードウェイのショートコースが用意されていた。SUVでサーキット走行というのはピンと来ないが、実際に走らせてみると三菱自の狙いが明確になった。

 EVモード発進で加速は力強い。パワースペックは未発表ながら、アウトランダーPHEVで体験していたままの加速フィールが再現される。車両重量は若干軽いがエクリプス・クロスの車体とのマッチングを向上させるために溶接や接着材の使用範囲を増やし、ボディ剛性を高めているため、実質的な重量差は少ないという。

 だがクーペスタイルによるルーフ面積の縮小や車体形状などで低重心化がなされており、ハンドリング面では大きな効果が現れている。それはコーナリング場面で明らかとなった。コーナーへのターンインでステアリングを切り込むと、ノーズがスっとインを向く。そこから車体全体にヨーレートが発生し一定の角度を維持したまま速い速度でコーナリングできてしまう。エクリプス・クロスのコンパクトなクーペスタイルでヨー慣性モーメントが小さく、動きが小気味よい。

 デフォルトのノーマルモードでASC(アクティブスタビリティコントロール)オンの状態でそれが感じられるほど走りはアジリティ(俊敏性)に富んでいた。

 次にドライブモードでTARMAC(ターマック)を選択。ASCもオフにして限界特性を探ってみた。ターマックモードはアウトランダーPHEVには設定のないモードで、通常のエクリプス・クロスにも見られない。ランサー・エボリューションが設定していたWRC(世界ラリー選手権)での舗装路ステージにおける走行性をターゲットに開発されたハンドリングモードとも言える特別な制御ロジックが仕組まれている。ターマックモードこそが三菱自が誇るS-AWCの真価が発揮されるロジックといっても過言ではない。

 事実、試乗会場に居合わせた開発者の澤瀬薫博士は、乾燥舗装路のサーキットでも抜群にマッチングしているはずと胸を張った。残念ながら試乗当日は台風の影響で大雨に祟られてしまい、ウエット路面では標準装着されるブリヂストン・エコピアのグリップ力ではターマックモードを使いこなすには十分ではなかった。結果、過剰なヨーレートを与えてしまいスピンを喫したが、逆にいえばスピンまで追い込める運動特性を表していたとも言える(もちろんASCオンならスピンは回避できる)。

 別の日にドライ路面で確かめることもできたが、そこではまるでランサー・エボリューションXを操る時と同じドライビングテクニックで自由自在、意のままに操ることができた。

 エクリプス・クロスPHEVは装備も充実し、とくに後席のリクライニング機構や前席シートヒーターの装着(レザーシート仕様のみ)など、これまでボクが三菱自動車に要求していたアイテムが実装された。

 さらにCHADEMO対応の急速充電システムを備え、緊急時には家庭に6kw(60A)を最大10日間給電することができるという災害適合性も高く、PHEVシステムのメリットを最大限に活用していることも魅力だ。

 エクリプス・クロスPHEVの投入で、新世代三菱自動車がいかに復活を果たしていくのか。大きな期待をもって注目していきたい。

こんな記事も読まれています

トヨタの大きなカクカク「最新SUV」発売! ゴツさ満点&快適車中泊な仕様も登場!? 新250のアイテムとは
トヨタの大きなカクカク「最新SUV」発売! ゴツさ満点&快適車中泊な仕様も登場!? 新250のアイテムとは
くるまのニュース
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、使い勝手の良い「サブウーファーボックス」を作れる!
[カーオーディオ・プロショップに行こう♪]プロなら、使い勝手の良い「サブウーファーボックス」を作れる!
レスポンス
新しいマツダのセダン、EZ-6登場!──GQ新着カー
新しいマツダのセダン、EZ-6登場!──GQ新着カー
GQ JAPAN
【ドゥカティ】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で開催されたイベント「Ducati Day 2024」のレポートを公開
【ドゥカティ】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京で開催されたイベント「Ducati Day 2024」のレポートを公開
バイクブロス
ノーマルシビックに羽根を授ける! モデューロが新たな実効空力テールゲートスポイラーを公開!
ノーマルシビックに羽根を授ける! モデューロが新たな実効空力テールゲートスポイラーを公開!
ベストカーWeb
楽天市場お買い物マラソンで MAXWIN のドラレコなどが最大20%OFF!
楽天市場お買い物マラソンで MAXWIN のドラレコなどが最大20%OFF!
バイクブロス
日産自動車、北京モーターショーで4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを公開
日産自動車、北京モーターショーで4車種の新エネルギー車のコンセプトカーを公開
月刊自家用車WEB
FIA F2バルセロナ・インシーズンテストがスタート。初日はマクラーレン育成ボルトレートが最速
FIA F2バルセロナ・インシーズンテストがスタート。初日はマクラーレン育成ボルトレートが最速
AUTOSPORT web
高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
くるまのニュース
こんないいクルマあるなら日本で売ってよスズキさん! 乗りたい欲が抑えきれない「海外専売モデル」4台
こんないいクルマあるなら日本で売ってよスズキさん! 乗りたい欲が抑えきれない「海外専売モデル」4台
WEB CARTOP
あえて今、「マニュアル車」という選択肢! “電動化時代”におけるその存在意義とは
あえて今、「マニュアル車」という選択肢! “電動化時代”におけるその存在意義とは
Merkmal
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
くるくら
三菱自 欧州モデルASXのデザインを一新し、機能を拡大
三菱自 欧州モデルASXのデザインを一新し、機能を拡大
Auto Prove
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
くるまのニュース
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
バイクのニュース
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
レスポンス
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
バイクブロス
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
WEB CARTOP

みんなのコメント

21件
  • マルチリンクで金かかってる。
    軽四と同じトーションビームのヴェゼルやマツダの車とは雲泥の差!
    中身の格が違う!
  • 澤瀬博士ってランエボの電子制御4WDシステムを開発してた方ですよね。そりゃいいモノに仕上がってるに決まってる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

277.3352.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

165.0399.8万円

中古車を検索
エクリプスクロスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

277.3352.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

165.0399.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村