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超高速トラックはFFハッチバックの独壇場に。サットンが予選最速&勝利で選手権リードを堅持/BTCC第4戦

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超高速トラックはFFハッチバックの独壇場に。サットンが予選最速&勝利で選手権リードを堅持/BTCC第4戦

 英国屈指の超高速トラック、スラクストンで争われたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の第4戦は、緒戦こそトム・イングラム(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が今季10レース中で9人目のウイナーに輝き、遅ればせの2025年初優勝を飾るなか、ウエットの予選で最速を記録していたアシュリー・サットン(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)が、レース2で完璧なパフォーマンスを発揮して今季3勝目をマーク。週末最終ヒートでも僚友ダニエル・ロウボトム(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)が同じく今季2勝目を飾るなど、ハッチバックのFF勢が席巻する週末となった。

 長い全開区間と度胸試しの高速コーナーが組み合わされたハンプシャー州が誇る高速サーキットでは、いつものことながらセットアップの仕上がりとスピードをキャリーするドライバーの技術、そしてコース上のアクションが極めて接近する緊迫した展開が繰り広げられる。

フォード・フォーカスST艦隊が連勝も、伏兵ヴォクスホールの有望株が待望の初優勝/BTCC第3戦

 その6月7~8日の週末走り出しから先行したのは、やはり共通ハイブリッド機構が廃止されたことで今季歴代最速のNGTC規定ツーリングカーとなったFF勢で、FP1はシリーズ5冠を狙うサットンが、続くFP2では旧EXCELR8(エクセラー・エイト)の機材を投入する“伏兵”クリス・スマイリー(リスタート・レーシング/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)が最速タイムを計時。続いて大雨の荒れたコンディションのもと争われた予選では、各区間を“パープル”で上がったサットンが、イングラムをコンマ2秒差で退ける結果となった。

「Q1から各セッションで最速ラップを3回記録し、最後のシュートアウトでトップに立つことができたのはうれしい。マシンバランスも良く、チームは素晴らしいクルマを提供してくれた」と、これが今季初ポールポジションとなったサットン。「トム(・イングラム)は終盤、僕を窮地に追い詰めてくれたが、なんとか栄冠を掴むことができた。とても満足しているよ」

 迎えたレース1はそのフロントロウふたりが対照的な展開となり、ポールシッターのサットンはスタートから首位を堅持したものの、中盤以降メカニカルトラブルに悩まされ徐々に後退することに。

 さらに後方ではトム・チルトン(チーム・ヴァーチュ/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)やチャールズ・レインフォード(チームBMW /BMW 330i Mスポーツ)らがコースオフを喫し、多重クラッシュのアクシデントも重なったことで長時間のセーフティカー(SC)導入となる。

 そのリスタートで弱るサットンへの猛攻を開始したイングラムは、クラブ・シケインでドア・トゥ・ドアの接触バトルを展開し、両車ともにコーナーをショートカットしつつイングラムがトップを奪う。

 周回を重ねるうち2番手のフォーカスはサットンからダン・カミッシュ(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)へと代わり、楽になったイングラムがそのままトップチェッカー。3位にはウエット予選での大クラッシュから夜通しの修復作業を経て、14番手発進のジョシュ・クック(ワン・モータースポーツ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR)が見事な走りで逆境から舞い戻った。

 ここでなんとか4位に踏み留まったサットンは、続くレース2の2列目グリッドから驚異的なロケットスタートを決めると、最初のアラード・コーナーに到達する頃にはトップに躍り出る。その後はスラクストンのレースラップ新記録を樹立しながらイングラムを突き放し、クックが再車検の車高違反で失格となったことで、ロウボトムが3位に滑り込んだ。

「レース2のスタートについて話したいんだが、自分でもどうやってできたのか分からないんだ(笑)」と誰にも追随されることなく圧倒的な強さを見せつけたサットン。

「ああいうスタートを切って、マシンの完全さを証明できたのは素晴らしいことだ。自分でも驚いたけど、結局は目標を達成するだけだった。スタートの1周目でリードし、ファステストラップを記録し、そしてレースに勝つ。もしレース1でトラブルがなければ勝てたかもしれない。僕らは間違いなく良い方向へ進んでいる」

 続いてジェームズ・ドーリン(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)がリバースポールから発進したレース3は、3番手からダッシュを決めた新王者ジェイク・ヒル(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズMBモータースポーツ/BMW 330i Mスポーツ)がターン1で首位を奪うも、あっという間にディフェンディングチャンピオンのリヤバンパーに迫ったロウボトムがコンプレックス出口で攻勢を仕掛けトップに立つ。

 一方のヒルはカミッシュにもすぐにパスされると、短いSC走行の後でサットンと接触。高速コーナーのノーブルで芝生を滑走したBMWがピットへ向かうなか、サットンは360度スピンから見事にリカバリーし、これで不遇のFRモデルはFFフォードの“黄色い3連星”に撃墜される結末に。

「アッシュ(サットンの愛称)からポイントを奪い返し続けなければならない。チャンピオンシップを1勝で制覇しても、0勝で制覇しても構わない。それが最終的な目標だ」と語るロウボトムが2勝目を挙げ「優勝1回、2位2回。週末にこれ以上望むことはない」と語ったイングラムとカミッシュの続く最終ポディウムとなった。

 これでサットンがイングラムに対し9点差をつけ選手権首位を堅持した2025年のBTCCシーズン。続く第5戦は全30レースのシーズン前半戦を締め括るべく、6月21~22日にオウルトン・パークでの1戦が控えている。

https://www.youtube.com/watch?v=PXvPgEs2rFU&pp=0gcJCckJAYcqIYzv

[オートスポーツweb 2025年06月11日]

文:AUTOSPORT web
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