■ほぼフルモデルチェンジ!? 都会的かつ上質志向に進化!
2025年10月15日にスバルは、同社初のグローバルEV(電気自動車)であるクロスオーバー「ソルテラ」のマイナーチェンジモデルに関する日本仕様の情報を公開しました。
BEV最大の課題であった航続距離と充電性能を大幅に進化させるとともに、スバルの核である「AWDの安心と愉しさ」を徹底的に磨き上げた新型ソルテラは、電動化時代におけるスバルの未来戦略を象徴する一台となりそうです。
ソルテラは2022年にトヨタとの共同開発により誕生しました。
両社の技術を結集したEV専用プラットフォーム「e-SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用し、スバルブランドの電動フラッグシップとしての役割を担ってきました。
スバルが長年培ってきたシンメトリカルAWDの思想に基づく前後独立モーター駆動式AWD、卓越した衝突安全技術、そして先進の運転支援システムといったコアバリューに、トヨタの電動化ノウハウが融合。
その結果、ソルテラはBEVでありながらも、スバル車に求められる高い走破性、特に「X-MODE」や「グリップコントロール」といった悪路対応技術を備えるオールラウンダーとして、独自のポジションを確立しています。
そして2025年4月、ニューヨーク国際オートショー2025において、“2026年モデル”としてマイナーチェンジモデルが世界初公開されました。
デザインから走行性能に至るまで大幅に進化しており、今回日本市場への導入にあたり情報が公開されたという形です。
今回のマイナーチェンジでは、「BEVに対するユーザーの不安を払拭すること」と「スバルの強み、そしてBEVのポテンシャルを最大限に引き出すこと」という2つのテーマを掲げて開発が進められました。
航続距離と充電性能を大幅に改善しながら、スバルらしい走行性能と安全性能をより高めた点が特徴です。
開発責任者を務めたスバル商品企画本部プロジェクトゼネラルマネージャーの井上正彦氏は、
「これまでのソルテラのコンセプトを維持しながらも、より都会的で上質な方向に進化させました。正直、フルモデルチェンジといっていいほどの大改良です。
プラットフォームを刷新し、バッテリー容量を増やすことを最大の目的としました。
それに合わせて車体剛性やパワーユニットも見直し、全体として大きな進化を遂げています」
と話していました。
■気になる日本仕様とは?
新型ソルテラは、EV専用プラットフォーム「e-SUBARU GLOBAL PLATFORM」を活かしたパッケージングにより、取り回しの良さと広い室内空間、さらに優れた悪路走破性を高次元で両立しています。
全長4690mm×全幅1860mm×全高1650mm、ホイールベース2850mmと、CセグメントSUVとして扱いやすいサイズながら、ロングホイールベースにより室内は非常に広々としており、EVならではの快適性を確保しています。
さらに最低地上高は210mmと、雪道や未舗装路でも安心して走行できるタフネス性能を備えています。
エクステリアは、タフさと都会的な洗練が融合したデザインです。フロントフェイスにはスバルの象徴である六連星ロゴが発光する新デザインを採用し、EVらしい先進性と存在感を際立たせています。
ヘッドランプやバンパーの意匠も刷新され、精悍でモダンな印象に仕上げられています。
上級グレードではルーフレールやパノラマムーンルーフに加え、ソーラールーフも選択可能なほか、フロントフェンダーをボディ同色に変更できるメーカーオプションも用意され、全体の一体感を高めています。
また、18インチまたは20インチ(オプション)の新デザインアルミホイールにより、力強さと空力性能を両立しています。
リアビューには新しい“SUBARU”文字ロゴのバッジが配され、リアゲートガーニッシュやリアスポイラーも刷新されることで、デザイン性と高速走行時の空力性能が向上しています。
ボディカラーはモノトーン6色と、ルーフをブラックとしたツートーン5色の全11パターンが用意され、好みに応じて選択できます。
インテリアは、BEVならではのシンプルで開放的な空間をベースに、先進性と実用性を両立させた改良が施されています。
ブラックを基調とし、上級モデルには本革(ブラック/ブルー/ダークグレーステッチ)のシートが設定されています。
中央には14インチの大型タッチスクリーンが配置され、運転中の視線移動を最小限に抑えています。
トップマウントメーターと組み合わせることで、ドライバーは少ない視線移動で必要な情報を確認可能です。
また、64色対応のアンビエントライトを複数箇所に配置し、ダッシュボードやドアパネル、フットランプに至るまで多彩な光で上質な室内空間を演出しています。
ほかにも充電状況表示やワイヤレスチャージャーの増設、コンソールスイッチ配置変更し操作性向上を図るなど、日常での使いやすさにも配慮されています。
安全装備も進化しています。最新の運転支援システム「SUBARU Safety Sense」には、プリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、レーンディパーチャーアラート、レーントレーシングアシスト、レーンチェンジアシスト、ロードサインアシスト、アダプティブハイビームシステム、プロアクティブドライビングアシストが含まれています。
さらに、マルチテレインモニター機能付きのパノラミックビューモニター、ブラインドスポットモニター、Advanced DriveやAdvanced Parkといったサポート機能も装備され、あらゆるシーンでドライバーを支援し、安心・安全なドライブを実現します。
パワーユニットは、最高出力227PS・最大トルク268NmのeAxle(モーター一体型ユニット)を搭載するFWDモデルと、これに120PS・169NmのeAxleをリアに搭載するAWDモデルの2タイプが用意されています。
このeAxleの出力損失低減により航続距離の改善にも寄与しているほか、特にAWDモデルは、従来モデルに比べて約50%の出力向上が図られているのもポイントです。
組み合わされるバッテリーは74.7kWhのリチウムイオンで、航続距離は622km(AWD/20インチ)から746km(FWD/18インチ)と、従来モデルに比べて25%以上向上しています。
さらに、バッテリーにはプレコンディショニング機能が改良され、約150kWの充電施設では10%から80%まで約28分で充電可能です。
また、V2H(Vehicle to Home)機能にも対応しており、家庭用電源として車両の電力を活用できるようになっています。
全輪駆動システムも改良され、モーターの定格強化により加速性能や走破性が向上しました。
全モデルには、雪/ダートおよび深雪/マッド(泥濘路)といったデュアルモードを備えた「X-MODEシステム」、グリップコントロール、ダウンヒルアシストコントロールが装備されており、低グリップやオフロードでの走行性能を高めています。
また、サスペンションと電動パワーステアリングも改良され、ハンドリングと応答性が向上。
前後輪にかかる負荷を予測してパワー配分とサスペンションを最適化することで、ロールや揺れを抑え、優れた操縦性とスムーズな乗り心地を実現しています。
グレードはET-SS(FWD/AWD)とET-HS(AWD)の2タイプで、価格はまだ公表されていません。(くるまのニュース編集部)
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