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F1分析|「最終スティントのペースは速かった」……角田裕毅のラップタイム推移を検証すると確かにそうだ。しかしそれ以外に気になるふたつのこと

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F1分析|「最終スティントのペースは速かった」……角田裕毅のラップタイム推移を検証すると確かにそうだ。しかしそれ以外に気になるふたつのこと

 F1サンパウロGPの決勝レースで、角田裕毅(レッドブル)は17位。予選がうまくいかなかったこと、そして2度にわたってペナルティを受けたことなどにより、入賞を逃す結果となった。

 ただレース後、角田はこんなことを語っている。

■F1分析|もしもフェルスタッペンが3回目のピットストップを行なっていなかったら勝てたのか? レッドブルの選択には、合理性があった

「特に最終スティントのペースは悪くなかったと思います」

 角田のペースは、他と比べてどの程度のものだったのか。検証してみよう。

最終スティントは上位と遜色なし

 このグラフは、レース終盤の角田を含む各車のラップタイム推移である。このうち、紺色の点線で示したものが、角田のペースである。このグラフ表示されているほとんどがミディアムタイヤでのペース。唯一、紺色の実線で示したマックス・フェルスタッペンのみがソフトタイヤでのペースだ。

 これを見ると角田のペースは、ほぼ同じ時期にタイヤを交換したメルセデス勢のふたり(薄めの緑色。ジョージ・ラッセルが実線、アンドレア・キミ・アントネッリが点線)とも遜色ないペースで走っているのが分かる。それ以降のマシン、オリバー・ベアマン(ハース/濃いピンク色の実線)やフランコ・コラピント(アルピーヌ/薄いピンク色の実線)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン/濃い緑色の実線)などとは一線を画すペースであった。

 これらの各車は、走れば走るほどペースが落ちていく、いわゆるデグラデーションのの傾向を如実に示しており、その下落幅は各チームとも似たようなものだった。ベアマンのみは、スティント終盤にペースを取り戻している。

 また、マクラーレンのランド・ノリス(オレンジ色の実線)は、走れば走るほどペースが上がっていく傾向にあった。つまりデグラデーションの影響よりも、燃料を消費することによる車両の軽量化の影響の方が大きかったということだ。チームメイトのピアストリと比較しても、まったく異なる傾向を示している。これだけ見ても、今回のノリスがいかに群を抜いた存在だったかが分かろう。

 いずれにしてもこの段階での角田のペースは、確かに本人が言うとおり、上位と遜色ない、素晴らしいものだったと言える。

オーバーテイクできなかったのが痛かった……

 ではそれ以外の部分はどうだったのであろうか?

 こちらのグラフは、レース中の先頭からのギャップ推移を示したものだ。

 17番グリッドと後方からのスタートだった角田は、レースの大半で他のマシンに前を抑えられる形となった。序盤はアロンソとニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)に抑え込まれた(グラフ赤丸の部分)。

 ただここで言及しなければならないことがある。それは、”なぜ角田は前を行くマシンをオーバーテイクできなかったのか”ということだ。

 この間、後方からやってきたフェルスタッペンは、角田に順位を譲られると、ヒュルケンベルグとアロンソを難なくパスしている(グラフ青丸の部分)。これがなければ、表彰台になど到底届かなかったはずだ。また後に、ヒュルケンベルグもアロンソをオーバーテイクした(グラフ中オレンジ丸の部分)が、角田はアロンソを抜くことができず、そのままピットへと向かうことになった。

 確かに今のF1は、車両の幅が大きく、前を行くマシンの乱流の影響を受けやすいため、オーバーテイクを成功させるのが実に難しい。しかしながら、フェルスタッペンはヒュルケンベルグはここでオーバーテイクしている。

 角田はしっかりとタイヤマネジメントを成功させるためか、スティントの走り始めのペースを慎重に上げていく、そういう傾向がある。そのマネジメントには確かに定評がある。しかしここぞという場面でオーバーテイクを成功させる”揉まれ強さ”は、今の角田には欠けている部分かもしれない。

 そしてタイヤを交換した後、第2スティントでも、前にマシンに置くという展開になった(グラフ緑丸の部分)。ただここについては実に不可解だ。

 前述のように最初のスティントは前を行くマシンに抑え込まれた。最終スティントでは、素晴らしいペースで走った。しかしこの中間スティントだけは、前を行くマシンについていけなかったのだ。しかもその相手は、ランス・ストロール(アストンマーティン)やコラピントなどである。本来ならば大きく戦闘力の異なるマシンたちである。

レース中盤のペース悪化は謎

 こちらのグラフは、当該時期の各車のペース推移である。角田のペースは、ストロールやアロンソ、そしてコラピントよりも0.5秒ほど遅い状態が続いたのだ(グラフ赤丸の部分)。

 確かに角田の方が、5周早くタイヤ交換を行なっていた。当然その分だけタイヤのデグラデーションが進み、単純計算で0.25秒ほどペースを失っていたはずだ。

 そしてコラピントは、ここでソフトタイヤを履いていた。であるからして、ペースが速かったということは十分に理解できる。しかしアストンマーティン勢は、角田と同じミディアムタイヤである。にもかかわらず、角田の方が0.5秒もペースが遅いというのは、どうも分からない。

 参考までにアントネッリのペース推移も、このグラフに記載した。前述の通り、最終スティントでは角田とのペース差はほとんどなかったが、ここでは走り始めこそ似たようなペースであったものの、その後のデグラデーションの進み具合には差があった。

 このスティントでの角田のペースの遅さについては、今のところは言及されていない。今後のためにも、ぜひ原因を究明してほしいところだ。

文:motorsport.com 日本版 田中 健一
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モーサイ

みんなのコメント

45件
  • rei********
    最終スティントが速くてもマックスのようにレースで速さを見せて結果を出さないことには評価されません
    それがドライバーです
  • rs2********
    不可解も何も、スティントごとにフラップを4段階、3段階と調整したんだから
    最終スティントでやっとマシンの性能を発揮できる状態になったのは誰だってわかることなんだけどな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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