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乗用車のモノコックともトラックのラダーフレームとも違う! バス独特の「スケルトン構造」って一体なに?

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乗用車のモノコックともトラックのラダーフレームとも違う! バス独特の「スケルトン構造」って一体なに?

 この記事をまとめると

■現在はほとんどの乗用車のボディがモノコック構造となっている

乗用車が走ると違反の「バス専用レーン」! 左折したい場合に走行するとどうなる?

■一方バスはスケルトン構造などと呼ばれる作りを採用する

■骨組みをフレームに載せて薄い外板パネルを貼り込む方式

 バスのボディ構造は独特な進化を遂げた

 現在の乗用車は一部の特殊なモデルを除けばほとんどがモノコック構造のボディを採用している。これはシャシーとして独立したフレームをもたず、ボディがフレームの代わりに車体剛性を担う(パワートレインや足まわりはサブフレームに搭載するのが一般的)構造となっている。

 モノコック構造にすると車重を軽量化しやすく、プレス鋼板を使うことで大量生産すると生産コストが大きく引き下げられる。ボディ剛性を高めて走行性能を高めやすくなるほか、低重心で室内空間も広くしやすいなど、数々のメリットがある。

 一方、トラックのシャシーはハシゴ型で前方にエンジンが搭載され、その上にキャビンが載せられ、その後ろには荷台が載る。こうした構造ではハシゴ型のフレーム構造のメリットが大きいから、もう100年近く同じ構造が踏襲されている。

 しかしバスは、トラックから派生した車種にもかかわらず、独自の構造となっている。というのも、最初はボンネット型であったバスは、室内空間を広げるために徐々にキャブオーバー型となり、そしてリヤエンジンを採用するようになり、そして現在のスタイルとなった。

 その結果、ボディの構造も独特な進化をしていく。最初はフレームの上に木材で作られた客室の外側を鋼板で覆った構造だったようだが、やがてボディ外板に剛性をもたせたモノコック構造になる。車体が大きくなり、乗員も増えて耐久性も必要となったため、すべてを鋼材で製作することになったからだ。

 このモノコック構造はボディパネル同士をリベットで接合するという、戦時中の航空機から得られた製造技術で、今日の乗用車のモノコック構造と比べるとシンプルであり、職人の手作業により組み上げられていた。

 しかし、ボディ外板で剛性を確保するとなると、大きなボディではある程度の厚みの鋼板が必要になり、まず重量が嵩むことになる。また、大きなボディ外板を車体枠に取り付けるにはリベットが使われており、モノコックボディとしてもボディに無数のリベットが打ち込まれるのは、見た目にも空気抵抗の面からもデメリットとなってしまう。

 溶接も不可能ではないが強度をもたせる構造となると、さらにバスを大型化していくにはモノコック構造では重く生産性も悪くなってしまうことになる。

 そのため、現在のバスのボディは骨組みをフレームに載せ、薄い外板パネルを貼り込むことで作られている。走行時のシャシー剛性はフレームが受けもつので、骨組みはあくまでボディを支える構造体であればいい。

 したがって、それほど強靭にガッチリと作る必要はない。これはスケルトン構造とも呼ばれているが、セミモノコック構造とも呼べる構造なのだ。

 バスは乗用車ほど大量に生産しないことも、独自の生産方式や構造を採っている理由だ。バスメーカーにより乗り味が異なるのは、走行には影響しないボディの剛性をどの程度確保しているか、どうやって剛性を確保しているかの違いなのである。

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