10年の歳月をかけて蘇ったC2コルベットの輝き
1990年ごろにシボレー「C2コルベット」の購入を決意し、1992年1月にロサンゼルスから日本へ迎え入れたオーナーの根本勝さんは、約10年をかけて1965年式コルベット コンバーチブルを仕上げました。塗装を除く作業は自身で行い、エンジンのオーバーホールやFRPボディの下地処理にも取り組んでいます。2011年の完成後はスプレンドーレ伊香保に継続して参加している根本さんの愛車を紹介します。
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「スプレンドーレ伊香保」は根本さんにとって大切なイベント
群馬県榛東村の人気アミューズメント施設「伊香保アメリカンビレッジ」を拠点に行われるクラシックカーラリーの「スプレンドーレ伊香保」。コマ図というルートマップの指示を頼りにワインディングロードを周遊する楽しみと、数カ所のクローズドされた敷地内でパイロン間の通過時間を1/100秒単位の正確さで競うシビアなPC競技。このふたつの要素が組み合わさった、非常に人気の高いイベントとなっている。
欧州車での参加が多いなか、スタートおよびゴール地点となる「伊香保アメリカンビレッジ」の雰囲気にぴったりの参加車両が目に留まった。軽量ボディに高性能V8エンジンを搭載した、アメリカンモータースポーツの象徴であるシボレーC2型コルベットのコンバーチブルだ。登場から半世紀を経た現在でも世界のレースシーンで活躍し続ける血脈は、脈々と受け継がれている。
雨が上がり、暖かい日差しを受けて輝く純白のボディを纏った1965年式のシボレー コルベット コンバーチブルで参加していたのは、根本勝さんと濱中庸子さんのペア。C2と呼ばれる第2世代のモデルである。じつは、この愛車コルベットと「スプレンドーレ伊香保」は、根本さんにとって非常に大切な思い出のある組み合わせなのだ。
アメリカでは老夫婦が乗っていたワンオーナーカーを購入
「2011年にコルベットのレストアが完了して、初めて出場したイベントなんです。それからは欠かさずに参加しています」
10年がかりのレストアにおいて、塗装以外の作業はなんと自身の手で行ったという根本さん。詳しく話を伺ってみると、根っからのアメリカ車フリークであった。
「1990年ごろにC2コルベットが欲しくなり、その頃カマロのチューニングやメンテナンスでお世話になっていた『アドバンスオート』の代表、山本さんに相談しました」
山本氏は1979年から1983年の間、1968年式カマロで日本人として唯一SCCA GT-1クラスへ参戦していた人物だ。帰国後も一貫してアメリカ車でのサーキット走行を推進していた。その志に賛同した根本さんも、愛車の1973年式カマロでサーキット走行を楽しんでいる。
山本氏の豊富なネットワークにより、コルベットがロサンゼルスから横浜へと届いたのは1992年1月のことだった。
「アメリカでは老夫婦が乗っていたワンオーナーカーで、全体的に程度も良く、そのまま登録して街乗りメインでしばらく乗っていました」
そして1990年代も終わるころ、根本さんは総合的なレストア計画を実行に移す。しかも、自らの手で作業を行うという決断だった。
ショップの指導を受けながら行ったV8のオーバーホール
「エンジンは指導を受けながらショップの片隅を使わせていただいて、自分でオーバーホールしました。山本氏にはとても感謝しています」
この作業を通じてシボレー・スモールブロックエンジンの基礎構造を学んだという。さらにボディも、古い塗装を削り取る作業から始めた。
「鉄板でしたら剥離剤を使っても良いのですが、FRPに薬剤が浸透するのは良くありませんから、サンダーやスクレーパーを使いました。そのせいで腱鞘炎になりましたよ。しかも事務所の前の庭先で」
輪島塗のように塗り重ねられていた塗装をすべて取り去ると、エッジの効いたボディシェルの造形に感動したという。その後は同様にシャシーも仕上げ、細かな部品の取り付けなど、1/1スケールのプラモデルを作るような感覚で組み上げた。
「組み付け作業はとても楽しかったのですが、結局このレストアには約10年かかりました。途中放棄せずに、よく完成したと自分でも思います」
レストア完了後から今日まで、イベントを主催する横田館長とも長い付き合いとなった。コルベットの状態を今後も維持し、これからも縁を大切にイベントを楽しんでいきたいと、根本さんは晴れやかに語ってくれた。
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