皆さんこんにちは! タチアナ・カルデロンです。スーパーフォーミュラとWEC(世界耐久選手権)に参戦しながら、数え切れないほどのトレーニング、シミュレータセッション、インタビューをこなす2021年シーズンがようやく終わりました。大忙しだったので、さすがに疲れました。
残念ながら、スーパーフォーミュラに関しては皆さんの期待に添える成績を残すことができず、2年目もポイントを獲得できませんでした。悔しさでいっぱいです。コロナで来日がままならず、半年ぶりに日本に戻って終盤2レースを戦うことは簡単ではありませんでした。特に最終戦鈴鹿は、ThreeBond DragoCORSEチームがこれまで私が経験した中で最高のマシンを提供してくれただけに、尚更残念なレースになりました。
■インディカーテスト初参加のタチアナ・カルデロン、A.J.フォイトの来季ドライバー候補とチーム代表が認める
鈴鹿戦では日曜朝のフリー走行が雨に見舞われたこともあり大変でした。4月の第2戦で起きたタイヤの予想外のデグラデーションに対処するため、色々なことを試したかったのですがそれもかないませんでした。また、決勝用の空気圧の高いタイヤも試せませんでした。
決勝レースでは、スタートはまずまずでした。ピットストップまでは順調で、大嶋和也選手とバトルをしていましたが、デグナーのひとつ目でコースオフしてしまい、10秒以上ロスしました。その後は孤独なレースとなってしまいました。タイヤのデグラデーションにも苦しみ、6~7周でペースが落ちていたので、デグナーでのミスがなくても厳しいレースになっていたと思います。
鈴鹿でのレースを終えた後は空港に直行してスペインに戻り、自宅で1泊したあと、WEC最終戦に参戦するためバーレーンに向かいました。私の所属するリシャール・ミル・レーシングは、私がいない間にバーレーン6時間レースでLMP2クラスの6位に入賞していたので、同じコースで行なわれる最終戦の8時間レースでは、全員が力強いレースをできるはずと期待していました。
しかし、残念ながら筋書き通りにはいきませんでした。私たちは予選で2セットのタイヤを使ってしまいました。しかし、ライバル・チームの多くは1セットか使っておらず、それがレースでは大きな痛手となってしまいました。予選では6番手に入りましたが、2セットのタイヤを使ったチームの中では最下位でしたし、他のクルマにトラブルが起きない限り、この順位をキープしてフィニッシュするというのは現実的ではありませんでした。結果的には9位が精一杯でした。
こうして私の2021年シーズンが終了しました。本当に濃密な1年でした。今後どのシリーズに参戦するとしても、この経験が糧になると思います。特に日本でのレース活動は、異なる文化、異なる考え方、異なるレースへの取り組み方を理解しないといけなかったので、多くの学びがありました。そしてもちろん、スーパーフォーミュラのマシンは最高でした。 F1以外でこれほど速いマシンはありませんし、ダウンフォースの量も尋常ではありません。コーナーであれほど速いマシンには二度と乗れないかもしれません。
期待していたような結果は残すことができませんでした。ただ、昨年12月の富士テストで好タイムをマークした後、同じく富士で行なわれた今季開幕戦ではあと一歩で予選Q3進出というタイムを出すことが出来ました。決勝レースでも過去最高の走りができたように、適切な環境の下で継続的に物事に取り組むことができれば良い仕事ができる、ということを証明できたのではないかと思っています。女性でもこのような速いマシンに乗って戦えるということも証明できたと思います。他の誰かの刺激になっているといいですね。
ひとつ残念だったのは、COVID-19が大流行したために、ファンの皆さんとの交流が十分にできなかったことです。日本のファンの方々は本当にアットホームな雰囲気で、結果だけで判断するのではなく、ドライバーの人となりを尊重してくれるのが素晴らしいと思いました。グランドスタンドにコロンビアの国旗が掲げられているのを見ましたし、プレゼントや絵もいただき、何があっても応援してくれるということを実感できたのは本当に嬉しかったです。
ただ、コロナ禍でなければこれほど日本に長居できなかったと思います。おかげで日本の美味しい食事や、温泉、旅館、美しい街並みなど、日本の文化の素晴らしさをしっかり味わうことができました。
2022年のレース計画については、近いうちにニュースをお届けできると思います。その時が待ち遠しいです。今お話しできるのはそれだけですが、とにかく今は、2021年に皆さまからいただいた素晴らしい応援に感謝しています。有り難うございました!
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