2025年12月17日に発売となったHEVにつづき、2026年2月19日に発売となったトヨタ新型RAV4 PHEV。PHEVの登場を待っていた人も多いと思いますが、その価格はHEVを大きく超える税込600万円から。「手頃で使いやすいSUV」というイメージが強かったRAV4だけに、「RAV4がここまで高くなったのか」と驚いている人は少なくないでしょう。
しかしながら、中身をしっかり確認すると、単純に割高とはいい切れない面もあります。600万円のRAV4 PHEVは本当に高いのか。そして選ぶならどのグレードなのか、考えてみましょう。
【画像ギャラリー】PHEVは600万円から!! 高いけど売れそうな トヨタ新型「RAV4」(25枚)
文:吉川賢一/写真:TOYOTA
国産ミドルクラスSUVのPHEVはおおよそ600万前後が相場
2025年5月にワールドプレミアとなったトヨタ新型「RAV4」。同12月にはHEV(ハイブリッド)モデルが販売開始となり、PHEVモデルも2026年2月に販売開始となりました。
PHEVの車両本体価格(税込)は、標準仕様の「PHEV Z」で税込600万円、スポーティ仕様の「GR SPORT」で税込630万円。HEVの450~490万円とは大きな差があり、かつての「手頃で使いやすいSUV」というRAV4のイメージからは大きくかけ離れてしまいました。
ただ、三菱「アウトランダーPHEV」は、529万4300円~673万5300円、マツダ「CX-60 PHEV」は649万5500円、ハリアーPHEVは547万円~と、国産ミドルクラスSUVのPHEVはおおよそ600万前後が平均です。
EV走行のメリットを享受できる環境なら納得の価格
PHEVの最大の特徴は、圧倒的な動力性能です。RAV4も、HEVがシステム最高出力240PSであるのに対し、PHEVは329PSとおよそ1.4倍。アクセルを踏み込んだ瞬間に背中を押されるような加速感や高速域での余裕は、HEVとは体感できる走りの質そのものが変わります。
また、満充電時のEV走行距離は151km(GRは145km)と、日常域ではEV走行主体で使える点も大きな特徴。自宅に充電環境があり、日常の移動距離がこのEV走行でまかなえるのであれば、PHEVの価値は大きく高まります。
とくに燃料価格が不安定な昨今においては自宅充電のメリットは大きく、夜間電力を割安に設定したプランを活用することで、ランニングコストを抑えやすくなります。
たとえば、2026年5月18日時点の全国平均ガソリン価格169.2円/Lで計算すると、RAV4 HEV(22.5km/L)の1000kmあたりの燃料代は約7520円。一方、PHEVをEV走行主体(150Wh/km)で使った場合の電気代は約4650円(電気代は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が算出している目安単価31円/kWhとして計算)となり、差額は約2870円、約4割もコスト削減が見込めます。EV走行を積極的に活用できる環境なら、ランニングコスト面でのメリットはかなり大きいといえそうです。
国からの補助金が受け取れるのも魅力です。RAV4 PHEVの場合、令和8年度のCEV補助金(クリーンエネルギー車を購入する際に国から受け取れる補助金)は85万円(アウトランダーPHEVとCX-60は84万円)。RAV4ハイブリッド(アドベンチャー)との価格差は65万円にまで縮まります。
補助金には保有義務が。リセールにも懸念はある
ただ、CEV補助金受給には「保有義務期間(通常4年)」があり、期間内に売却すると補助金の返納義務が発生する場合があります。また、リセールについても注意が必要。より高額なPHEVですが、現時点の中古車市場では、流通量が多いHEVのほうが相場形成は安定しやすい傾向があります。
PHEVは「性能価値」やEV走行を積極的に活用したいユーザー向けのモデルです。一方のHEVは、価格、燃費、使い勝手、リセールまで含めた総合バランスを重視する人に向いています。補助が受けられることにメリットを感じる人もいると思いますが、自宅に充電環境が整わない場合は、HEVの完成度の高さや扱いやすさを重視したほうが満足度に繋がるかもしれません。
ただ、クルマを充電できる設備やクルマを家庭用蓄電池として活用する設備(V2H、Vehicle to Home)の設置に関しては、国のCEV補助金において補助を受けることができます。
たとえば、戸建て住宅の場合、令和7年度補正予算(2026年3月31日受付開始)では、5万円の定額補助を受けることができます(コンセント型の充電器の設置)。戸建て以外の集合住宅に関しては機器のほか工事に関しても補助があり、さらに自治体のよってはさらなる上乗せ補助がある場合も。「この機会に」と考えてもいいかもしれませんね。
お薦めは「Z」グレード
RAV4 PHEVは、「Z」と「GR SPORT」の2グレード構成です。「Z」グレードは、PHEV最大の魅力であるEV走行、329PSの高出力、静粛性の高さなどをしっかり味わえる仕様となっており、「RAV4 PHEVらしさ」を素直に体感しやすいグレードに思えます。装備面でもHEVの「Z」よりもさらに上級の装備が与えられており、上級SUVとして考えれば完成度はかなり高め。満足度も高いでしょう。価格(税込)は600万0000円です。
一方、「GR SPORT」はやや趣味性が強いモデルです。GRパフォーマンスダンパーやGRブレース(リヤサスペンションメンバー)が標準装備され、よりアグレッシブな走りにも対応。専用デザインも与えられるなど魅力的ですが、価格は630万円とさらに上がります。もちろん見た目や走りにこだわりたいのであれば、GR SPORTが有力候補になりますが、そうしたこだわりがないのであれば、まずはPHEV Zを基準に考えるほうがバランスは取りやすそうです。
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2026年4月のRAV4の登録台数は、4115台。このうちPHEVは10%程度と、販売の中心はHEVとなっています。価格差を考えれば当然ではありますが、それでも、600万円級のSUVでありながら一定数の支持を集めていることは、RAV4 PHEVが「高くても欲しいSUV」として受け入れられているといえそう。次世代のSUVの姿を提示しているRAV4 PHEVであるだけに、今後どこまで支持を広げていくのか、注目したいところです。
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