遥かに高出力へ耐えた「2JZ」エンジン
A80型トヨタ・スープラの発売は、1993年。バブル景気が崩壊する直前に生まれた、日本製スポーツカーの黄金世代といえる。欧州の上級ブランドを凌ぐ技術を秘めて華々しくデビューするが、景気の減速とともに好調は長く続かなかった。
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三菱GTOに日産フェアレディZ、ホンダNSX、マツダRX-7、スバル・アルシオーネSVXも同様。直接的な後継モデルが、ブランクなしに生まれることはなかった。
4代目となるA80型スープラは、日本のメーカー間の自主規制により、カタログ上の最高出力は280psが主張された。しかし輸出仕様は規制の対象外で、標準で大容量のターボチャージャーとインジェクターが載り、325psを発揮した。
さらにチューニングパーツを組むことで、シーケンシャル・ツインターボの3.0L直列6気筒「2JZ」エンジンは、遥かに高出力へ耐えることも知れ渡った。設計は過剰気味で、600馬力程度は苦労なく得られたという。
加速Gで感じ取れる2基のターボの働き
「ワイルド・スピード」シリーズ1作目では、スープラのボンネットが開かれると、2JZの凄さにも触れられる。恐らく、最も有名な日本製ユニットではないだろうか。今回のレッドの1台は日本から並行輸入されており、珍しいオリジナル状態の姿を拝める。
長いドアを開き運転席へ座ると、インテリアのデザインはひと世代昔の印象。ダッシュボードはドライバーを包み込むようにカーブし、フロントスポイラーを調整するボタンが見える。
4速ATではあるものの、速度上昇は印象的。シーケンシャルで動く2基のターボが、加速Gで感じ取れる。遥かに排気量の大きいモデルのように、劇場的にパワーが放出される。
ボディサイズは小さくなく、車重も軽くはなく、トヨタMR2のように純粋なスポーツカーとは呼べない。コーナリング性能は間違いないが、敏捷ではない。E36型BMW M3 クーペと、メルセデス・ベンツCLクラス・クーペの、中間のような印象がある。
オーバースペックだったRB26DETTエンジン
曲線の美しいスープラだが、潜入捜査官のブライアンが乗るクルマとしては、R34型の日産スカイライン GT-Rも候補に入っていた。四輪駆動で走行性能はスープラを凌駕し、演じる故ポール・ウォーカー氏は、選考時にひと目惚れしたという逸話がある。
直線基調のボディにブリスターフェンダーのR34型は、アメリカで正式に販売されたことはない。映画の製作が始まった時点では、アメリカには1台も輸入されていなかった。先代のR33型ですら、かなり希少な存在だった。
しかし、「ワイルド・スピード」シリーズ最初の2作で車両コーディネーターを務めたクレイグ・リーバーマン氏は、諦めきれなかった。最終的には、アメリカに数台だけ上陸していた、R33型が手配された。
フロントに載るのは、2.6L直6ツインターボ「RB26DETT」エンジン。モータースポーツ前提の設計で、オーバースペックが故に、日本では恰好のチューニング対象になった。ちなみに、トヨタはこのユニットに影響を受け、2JZ型を開発したという説がある。
驚くほど安定した走りを実現したR33型
最高出力は、スープラと同様に280psの自主規制に則った。だが実際は、320psほど出ていたという。パラレルターボでスープラ以上にパワーは急上昇するが、独立したスロットルボディを採用し、低域での扱いやすさも担保されている。
パワートレイン系は、先代のR32型と共有する。見た目のプロポーションも似ているが、ホイールベースなども含めて、ひと回りサイズは大きい。開発では洗練性と落ち着きの向上が目指され、驚くほど安定した走りが実現された。
ステアリングの反応は引き締まり、内装のガタツキはない。乗り心地は硬めでも、細かな振動の吸収性には優れ、ドライバーへ旋回スピードを追求したいという自信を与える。限界領域は非常に高く、一般的なドライバーでも最小限の苦労で没入できる。
GT-Rを公道でスライドさせるには、相当なスキルが必要だろう。あるいは、無鉄砲な競争心か。
この続きは、「ワイスピ」きっかけの熱いJDM(3)にて。
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