現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【比較試乗】「BMW 2シリーズグランクーペ vs メルセデス・ベンツCLA」用意された2枚のカード! エースはどっちだ!

ここから本文です

【比較試乗】「BMW 2シリーズグランクーペ vs メルセデス・ベンツCLA」用意された2枚のカード! エースはどっちだ!

掲載 更新 5
【比較試乗】「BMW 2シリーズグランクーペ vs メルセデス・ベンツCLA」用意された2枚のカード! エースはどっちだ!

現代に至る4ドアクーペに先鞭をつけたのはメルセデス・ベンツであり、ことコンパクトカテゴリーにおいてはCLAの独壇場という状況だった。ここに名乗りを上げたのは、やはり宿命のライバルであるBMW。1シリーズを機にFFへと舵を切った直後に2シリーズグランクーペを投入してきた。さあ、いま選ぶべきはどちらだ!?

M235iグランクーペの自然なハンドリングに納得

【国内試乗】「BMW 2シリーズ グランクーペ」BMW初のコンパクト4ドアクーペ登場

ついにFF化してしまったBMWの1シリーズの印象(118iプレイ)は、個人的にあまり喜ばしいものではなかった。それまでの1シリーズの魅力は、FFが大勢を占めるコンパクトカーの中にあってFRの操縦性が楽しめるところにあった。そういったマーケットの肉声は当然のことながらBMWも承知しており、FFになっても期待に応えるようなクルマ=FRのような操縦性を持つFF車作りに注力したと思われる。

そのためのいろんな方法のうち、BMWが選んだのは“BMWパフォーマンスコントロール”と“ARB”と呼ばれるふたつ電子デバイスの投与だった。前者は、旋回中に前後輪のイン側にブレーキをかけてヨーコントロールするもの。ARBはパワーアンダーステアを回避するために、通常のトラクションコントロールとは別の専用のバイパス回路を設けることで反応速度を上げ、エンジン出力を抑える機構である。簡単に言えば、ターンインの時はBMWパフォーマンスコントロールが、クリッピングポイントを越えてからの再加速時にはARBが作動して挙動を安定させるというロジックである。

1シリーズを運転していて最後まで慣れなかったのは、BMWパフォーマンスコントロールの介入の仕方だった。よく言えばステアリング対するクルマ側の反応がすこぶる早く、切り始めからグイグイと頭がイン側へ入っていく。おそらくこれがFRのような操縦性の表現なのだろうけれど、少し唐突というか敏感過ぎて違和感を覚えてしまった。通常はターンインの手前の制動でまずピッチ方向のばね上の動きがあって、それからロールが始まりヨーが発生して旋回するというステップを踏むが、1シリーズの場合は極端に言うとピッチとロールとヨーがほぼ同時に発生するような感じがした。物理的にこういう挙動は自然発生しないので、デバイスの制御による人工的な匂いがしたのも、1シリーズをすんなり受け入れられなかった理由のひとつである。

2シリーズのグランクーペはプラットフォームをはじめ1シリーズと共有する部分が多いので、試乗前にちょっと疑心暗鬼になった。ところが実際にはこちらのほうがずっと自然でスポーティなハンドリングだった。理由は主にふたつ考えられる。日本仕様の2シリーズグランクーペには大きくわけて“218i”と“M235i”があり、今回は後者がテスト車だった。M235iは駆動形式が4WDで、さらにフロントには機械式のLSDも組み込まれている。前後と前輪左右の駆動力を可変するふたつのロジックがBMWパフォーマンスコントロールに上乗せされ、旋回がより自然になったように感じた。おそらく、1シリーズよりもBMWパフォーマンスコントロールの介入が少ないことも、ターンインからの挙動がスムーズな要因のひとつだろう。これなら躊躇なくステアリングが切れるし、旋回速度も想像以上に速い。旋回後の再加速時には後輪への駆動力が増すなど、トラクションのかかり方も理想的だった。

CLA250は穏やかで快適

2シリーズグランクーペのライバルがメルセデス・ベンツのCLAであることは明らかである。というよりも、CLAの好調ぶりを横目で見ながらBMWが2シリーズにグランクーペを追加したという表現のほうがより正確だろう。日本仕様のCLAはガソリンが2タイプ、ディーゼルが1タイプの布陣で、今回はガソリンのトップモデルであるCLA250。駆動形式は4MATICのみとなる。

M235iと比べると、CLA250の操縦性は基本的に安定志向で旋回中の姿勢は盤石だ。ターンインからの過渡領域でも、ステアリング操作以上の動きは一切見せない。ドライバーの入力にあくまでも忠実で予想外の動きや反応もなし。だからといってスポーティな走りにまったく不向きというわけではなく、ステアリングを早く切ればきちんとそれに追従してくれる。ターンインが俊敏とか旋回速度が速いことがスポーティとするならばM235iのほうがスポーティだけれど、CLA250でも中の上くらいのスポーティさは味わえる。

動力性能にはパワースペック通りの差があるものの、それはスロットルペダルを深く踏む込んだときの瞬発力や速度上昇の伸びなどで感じられる程度。日常的な使い方をする範囲では圧倒的違いはあまり感じられない。静粛性の差も動力性能に似ている。エンジンに負荷をかけたときはどちらもそれなりに勇ましいエンジン音を奏でるが、それ以外の場面ではどちらも平穏である。

M235iには“Mスポーツサスペンション”が組み込まれているので、乗り心地はおおむねCLA250のほうが快適だ。Mスポーツサスペンションはノーマルよりも車高が10mm低くなっていて、基本的にはばね上の動きを抑えるセッティングになっている。減衰が速くダンパーのストローク量もたっぷりではないから、身体が上下に小刻みに揺すられる場面が多い。対するCLA250は路面からの入力の大半をサスペンションが処理してくれる。減衰もM235iよりゆっくりなので、全体的な乗り心地は穏やかだ。

ボディサイズはCLA250のほうが長く幅広いものの、室内のスペースは同じようなものだった。それでも後席はM235iのほうが少し開放感がある。トランク容量はM235i(430L)よりも、リアのオーバーハングが長いCLA250(460L)ほうが広かった。

東京など中心に生活し、普段はほとんどひとりかふたり乗車だが、たまに後席を使う機会がある人にとって、この2台のようなコンパクト4ドアクーペは使い勝手がいいかもしれない。スポーティなM235iと、スポーティ“ライク”なCLA250は、キャラクターもそれぞれ明確だ。ただ、今回のグレードはいずれもちょっと高すぎる。乗り出しで400万円くらいが妥当ではないだろうか。

【Specification】BMW M235i xDrive GRAN COUPE
■全長×全幅×全高=4540×1800×1430mm
■ホイールベース=2670mm
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1998cc
■最高出力=306ps(225kW)/5000rpm
■最大トルク=450Nm(45.9kg-m)/1750-4500rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク/ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/40R18:225/40R18
■車両本体価格=6,650,000円





お問い合わせ
BMWジャパン 0120-269-437

【Specification】MERCEDES-BENZ CLA250 4MATIC
■全長×全幅×全高=4688×1830×1430mm
■ホイールベース=2729mm
■車両重量=1610kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1991cc
■最高出力=224ps(165kW)/5500rpm
■最大トルク=350Nm(35.7kg-m)/1800-4000rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク/ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=225/40R18:225/40R18
■車両本体価格=5,340,000円




お問い合わせ
メルセデス・ベンツ日本 0120-190-610

こんな記事も読まれています

クルマの窓から愛犬が顔出してる! 可愛いんだけどこれって違反にならないの?
クルマの窓から愛犬が顔出してる! 可愛いんだけどこれって違反にならないの?
ベストカーWeb
ボルドールの経験でEWCの切符を掴んだ綿貫舞空。ル・マンで昨年2位の3ART加入に「できれば優勝をしたい」と意気込み
ボルドールの経験でEWCの切符を掴んだ綿貫舞空。ル・マンで昨年2位の3ART加入に「できれば優勝をしたい」と意気込み
AUTOSPORT web
BYDが都内屈指の自動車ディーラー激戦区に「BYD AUTO 目黒」を開店
BYDが都内屈指の自動車ディーラー激戦区に「BYD AUTO 目黒」を開店
グーネット
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選
ベストカーWeb
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
マツダの新型「3列SUV」でた! ついに5m級 驚異的パワー!? 「CX-80」欧州で世界初公開 これ日本に来るのか!?
乗りものニュース
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
GTワールドチャレンジ・アジアがJ SPORTSで全戦放送。ジャパンカップはほとんどを生中継へ
AUTOSPORT web
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
安かろう悪かろうなクルマをつかまされないために知っておくべき……[修復歴]と[事故歴]の違いとは  どうやって見分けりゃいいの
ベストカーWeb
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
もっと「アバルト595」で運転を楽しもう! 車高調からペダルの「ポッティングデカール」にドラシューまで、厳選アイテムを紹介
Auto Messe Web
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
シェイクダウンはオジエが最速発進。トヨタ1-2にヒョンデ勢が続く/WRC第4戦クロアチア
AUTOSPORT web
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
韓国勢が大健闘 合理的な「兄弟」モデル:ヒョンデ・コナ・エレクトリック キア・ニロ EV お手頃EV 12台比較(5)
AUTOCAR JAPAN
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
安い? 高い? トヨタ新型「ランクル250」は520万円から!「無骨すぎて」カッコいい!? 原点回帰モデルに反響集まる
乗りものニュース
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】温かい歓迎を受けた春の鈴鹿。悔やみきれないミスと、1ストップ戦略で得た自信
AUTOSPORT web
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
レッドブルF1は2025年も現在のコンビを継続か。パフォーマンスを改善したペレスがシート争いをリード
AUTOSPORT web
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
初の中国GPに臨む角田裕毅。手強い週末を予想も「自信はある。Q3進出と入賞を狙いたい」/F1第5戦
AUTOSPORT web
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
ゴツすぎる新型「“軽”SUV」実車公開! ワイド化&オシャグレーがカッコイイ! まるで装甲車なスズキ「ハスラー」に反響も
くるまのニュース
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
日産 "武士の甲冑" デザインの新SUV公開 「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ
AUTOCAR JAPAN
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
スズキ「カプチーノ」や「アルトワークス」が激走! 軽自動車だけで争う200分の戦い「東北660耐久レース」が開幕
Auto Messe Web
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
「ガンディーニ追悼」に初の「アメリカンヘリテージ」の企画など大人が楽しむ「オートモビルカウンシル2024」閉幕。過去最高の3万9807人が来場しました
Auto Messe Web

みんなのコメント

5件
  • bmw の新型の1.2シリーズのデザイン。特にフロントは本当に、カッコ悪い。4シリーズのグリルといい、どうしたんだ??
  • どっちも要らない
    特にこのBMWは、ずんぐりしていてカッコ悪いし
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

573.0607.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

110.0625.9万円

中古車を検索
CLAクラスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

573.0607.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

110.0625.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村