車のニュース [2026.08.11 UP]
激化する電気自動車市場。軽自動車とラージサイズBEVの今【九島辰也】
文●九島辰也 写真●ボルボ、BYD、ベントレー
【ボルボに学ぶ安全の最前線】安全のプロが日本のドライバーに伝えたいこと
内燃機関を持たないBEVの普及は鈍化しているものの、年々じわじわと増えています。ヨーロッパでは約20%、日本はその1/10程度が自動車販売マーケットでのBEV比率と言われていますが、そのパーセントはゆっくりと増加傾向にあります。
理由はいろいろあります。例えばインフラや充電時間。ガソリンスタンドで給油するくらいの時間であれば誰も何も言いませんが、30分急速充電器の前に停めておくのには抵抗があるようです。ただ、リアルに使っている声を聞けばあまり気にしていなかったりも。高速道路のSAではトイレに行ってコーヒーを買っているうちにかなり充電できるという人もいます。まぁ、その辺の感覚は人それぞれということでしょう。
充電器のパワーアップも始まっています。50kWを多く見かけましたが、今は90kWや150kWも見つけられるようになりました。それにまだ台数は少ないですが、今年350kWが登場しています。そこを鑑みると、BEVの普及は明るいかもしれませんね。
BYD ラッコ
そんなBEVにはさまざまなカテゴリーがあります。サイズはまちまちでそれぞれ使い方も異なります。まず注目したいのは、軽自動車規格。日産サクラや三菱eKクロスEV/ミニキャブEV、ホンダN-ONE e:/N-VAN e:など。どれも航続距離にはこだわらず日常使いをメインにして開発されました。直近ではそこにBYDラッコが参入し、スズキがビジョンe-Skyの市販版を投入する予定になっています。ラッコは日本だけのオリジナル仕様。海外メーカーという立場では至極大胆な戦略です。
そんなタイニーなBEVに対してラージサイズBEVが増えているのも見逃せません。フェラーリがルーチェをリリースしたのはみなさんご存知の通り。デザイン面で賛否両論ありますが、すでに受注が始まっているのは事実です。そして今ベントレーが新たなモデルをリリースしようとしています。名前はTorcal(トルカル)。いまだティザー段階ですが、ラージサイズであることは間違いありません。
ベントレー トルカル
名前の由来はスペインのアンダルシア地方にある景勝地「トルカル・デ・アンテケーラ」にちなみます。彼らはそれをアーバンラグジュアリーSUVと称し、コンチネンタルGT、フライングスパー、ベンテイガに続く第四のモデルとしてランアップする予定です。ワールドプレミアは今年9月23日にロンドンで行うことが決まっています。
特徴はベントレーらしいパフォーマンスもそうですが、ドライバーがキャビンで過ごす時間にテーマを置いているようです。車内の照明やサウンド、空調、空気環境、デジタルインフォメーションなどを統合制御して演出し、ドライバーに寄り添うといった感じでしょう。しかもそれらは感覚神経科学の知見に基づいていて、これによりドライバーの心を落ち着かせたり、集中力を高めたり、活力や高揚力を引き出したりするそうです。もはやカーメーカーとしては別次元の提案ですね。
ある意味ベントレーらしいといえますが、それがマーケットに受け入れられるかは少し不安を感じます。というのも、この内容を記載したニュースリリースを読んでいてメルセデス・ベンツEQSを思い浮かべました。ラグジュアリーマーケット向けのBEVとしていち早く登場したモデルです。走りとともにサウンドやアンビエントライトのカラーを同調させ、ドライバーに他にはない特別な感覚を味わせていました。いくつかモードがあり、それを好みで選択するカタチです。
ですが、グローバルで販売は伸び悩みEQシリーズの名称は廃止、北米では一時期生産停止に至っています。マーケットに受け入れられなかったということでしょう。これを早過ぎたといえばそうなのかもしれませんが、なかなか難しいジャンルである気がします。
ボルボ EX90
そこまでハイエンドなクラスではありませんが、ボルボがラージサイズBEVを投入しています。EX90がリリースされ、次にES90が追いかけます。ラージサイズという面では同じですが、こちらはより実用性があって販売に結びつくイメージはあります。
実際にEX90に乗ってポテンシャルを感じました。3列シートの7名乗車でこれだけ車内が静かであれば、みんなで会話ができます。それにラゲッジは広くいろいろ積めそう。一充電当たりの航続距離は650km、最高出力は680psです。スカンジナビアデザインは相変わらずおしゃれだし、センスの良さが伺えます。
ボルボ EX90
ということで、今回はさらに激化する軽自動車のBEVとラージサイズBEVの今を取り上げました。小さいBEVの使い方は理解できますが、ラージサイズはまだ不透明な部分がありそうです。とはいえラグジュアリーマーケットは独特だからどうなるか不明。フェラーリルーチェやベントレートルカルが新たな現象を起こすかもしれません。
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みんなのコメント
実際にエンジン補器類や駆動系部品メーカーの業績予測でもEVシフトが最優先となっている
あんなに滑らかに走ってくれて、アクセルを踏んだ分だけ走るレスポンスの良さ、抜群の静粛性なのに、高級な輸入車の半分くらいで買えちゃうんだから。
自宅で充電すればめちゃくちゃ安いしね。
嫌なら買わなくて良いよ。それはそれで、こっちは有り難いんだからさ。