■やっぱり「冷やかし試乗」は迷惑なのか?
多くのディーラーには試乗車が用意されており、新型車が登場すれば試乗会やキャンペーンなども積極的に行われ、よほどの高級車や特殊なクルマでない限り、運転免許さえあれば気軽に試乗させてくれます。
しかし、だからこそユーザー側にもある程度の「自重」や「配慮」が求められます。
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すぐには「買うつもりはない」けれど、実車を見てみたい、せっかくだから試乗もしてみたい。
あるいは、前から気になっていた注目のニューモデルだけに、「買うことはないけれど」試乗はしてみたい。
気になるクルマがあれば、実車を試乗することによって、クルマのフィーリングや乗り心地、見切りの良さなど、カタログや動画の試乗インプレッションなどでは分からなかった手応えを感じることができます。
ほとんどの場合、ディーラーのスタッフが同乗し、近所をひとまわりするような10分~30分程の試乗コースが設定されています。
そしてもちろん、ディーラー側からすれば、ユーザーから試乗をお願いされれば断るわけにはいきません。
すぐに「買える(資金がある)か」どうか分からないような一見客にも、希望すればたいていのディーラーは試乗させてくれます。
忙しくても試乗車を用意し、エアコンを調整して快適な車内空間を作りあげてくれます。
運転席に乗り込むころには夏場は涼しく、冬場は暖かく、シートヒーターまでオンになっていることもあり、まさに至れり尽くせりです。
しかしその影で、一部の「図々しい迷惑客」によって、ディーラー側が見えない苦労や困りごとを抱えていることも事実です。首都圏にある国産車販売店のスタッフは以下のように話します。
「基本的に試乗は大歓迎です。お客様がいくらYouTubeで試乗動画を観ていたとしても、実際に運転してみなければ分からないことがたくさんありますから。
ただ、表向きにはいえませんが、ご試乗いただくうえで本当は避けて欲しいことがあるのも事実です。特にスポーツ系のモデルで多いのが、一般道での急加速および急ブレーキ、急ハンドルでの試乗です。
ハンドリングやブレーキフィーリングを試したいのだと思われますが、クルマにも少なからずダメージがありますし、乱暴な運転をしていると、SNSで拡散されてしまうリスクもあります。
仮に『試乗中(TEST DRIVE)』といったステッカーをクルマに貼っていたとしても、『あのクルマのディーラーは乱暴な運転を容認している』といった書き込みをされてしまうこともありえます」
せっかく試乗するのであれば、たしかに極力全部の機能を試し、走行性能もフルで試したい気持ちはわかります。しかし、これはサーキットのクローズド試乗ではなく、むしろ普段使いのフィーリングを試す場所です。しかも今ではSNSが普及したことで、いつどこで晒し上げられるかわかりません。
そもそも、購入前提ならまだしも、ふらっと「試食」する感覚でこういう行為をするのは、それはディーラーにとってメリットは何もなく、大変な迷惑になります。
「あと、これは完全に販売店側の都合ではありますが、試乗が目的の場合、1台でも多く受注したい土日の日中や月末などの繁忙期はできれば避けていただけると本当はありがたいんですけれど、さすがにこれはお客様にはいえないです」(国産車販売店スタッフ)
相手は「お店」で商売としてやっているわけです。それを超えたものを要求してくる者は、もはやお客とは呼べないでしょう。
■試乗した人がまさかの「レビュー動画」撮影も!?
また、とある輸入車ディーラーのスタッフからはこんなコメントもいただきました。
「たまたまなんですが、『試乗』と称して当店のデモカーを使った試乗インプレッションの動画をYouTubeに公開しているお客様がいらっしゃいました。
その方のチャンネルを見てみたところ、さまざまなディーラーを訪れ、試乗した動画を公開するYouTuberさんだったようです。
褒めていただける動画であればありがいたいのですが、『加速がイマイチ』や『内装の仕上げが安っぽい』といったネガティブな感想を語られてしまうと、正直いって複雑な心境です」
近年はスマホひとつあれば誰でもインフルエンサーになることができ、プロの巧みなレビューではなく、一般人目線で親しみやすいレビュー動画は非常に人気です。
クルマも同様で、こうしたYouTuberも多く存在しますが、ディーラーにとっては、YouTuberの利益のために、自分たちの時間を割かなければならないとなると、複雑な気持ちになるのは当然。
さらにレビューでちょっと辛口だったら、それを見て購入意欲が削がれる人もいるかもしれず、知らず知らずのうちに複数人への営業チャンスが減ってしまうことも考えられます。
ちなみに、百戦錬磨の販売店スタッフにとっては、やはり「買わなそうな人」というのはなんとなくわかるようで、「買う気はさらさらなくて、試乗やカタログ入手が目的のお客様って、現場の人間はたいてい分かりますよね(笑)」と話します。
※ ※ ※
ユーザーにとっては気軽にできる試乗であっても、ディーラー側からすれば「もしかしたらこのクルマを買ってくれるかもしれない…」と期待込めて試乗車を用意してくれています。
そこを裏切るような人が増えると、単にディーラー側が迷惑なだけでなく、今後は試乗のチャンス自体もなくなり、本当に買おうとしている人が乗れなくなってしまうことも考えられます。
もういまは「こちらはお客なんだぞ」なんていう時代ではもはやありません。
「スーパーの試食でお腹を満たす」ようなことはやめ、ディーラーやスタッフの皆さんの見えない苦労を慮る配慮を心掛けたいものです。
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みんなのコメント
そんな奴らも相手しなくてはならないディーラーさんも辛いですよね。
とりあえず試乗運転中の撮影は禁止位にすればいくらか減るのかな。