現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > まさにワークスチューニング! メーカー謹製のFRスポーツセダン3選

ここから本文です

まさにワークスチューニング! メーカー謹製のFRスポーツセダン3選

掲載 更新 4
まさにワークスチューニング! メーカー謹製のFRスポーツセダン3選

■メーカー系チューニングの高性能FRセダンを振り返る

 国産ラインナップでは、1970年代までFR車が主流でした。そして1980年代になると小型車からFF化が進み、現在、FR車は一部の高性能車と比較的大型のセダンで採用しているにとどまっています。

怒涛の382馬力! ホンダ「レジェンド」は怪物セダン!

 FRは操舵輪と駆動輪を切り離すことで、優れたステアリングフィールを実現することが可能なため、あえてFRを選ぶユーザーもいるほどです。

 しかし、近年は高性能なFRスポーツカーも数少なく、さらに減少が顕著なのがFRのスポーツセダンで、伝統的なモデル以外は希少な存在となってしまいました。

 そこで、メーカーがチューニングした古今東西の魅力的なFRスポーツセダンを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「マークX“GRMN”」

 近年、セダン人気の低迷が続いていることから、各メーカーともラインナップからセダンが減少傾向にあります。そうして2019年に生産を終えたセダンの1台がトヨタ「マークX」です。

 2004年にデビューした初代マークXは、長年にわたってヒットを続けていた「マークII」の後継車として誕生。

 外観はシックで基本性能が高いFRセダンというマークXは一定の需要があり、2009年にはキープコンセプトとした2代目が登場しました。

 そして、2015年にこの2代目マークXをベースとしたハイパフォーマンスなコンプリートカー「マークX“GRMN”」が100台限定で発売され、さらに2019年3月には第2弾として350台が限定販売されました。

 車名の“GRMN”はトヨタGazoo Racingが手掛けるモデルのなかでも、ハードにチューニングされた車両にのみ与えられる称号です。

 マークX“GRMN”に搭載されたエンジンはベースの「マークX 350RDS」と同じ3.5リッターV型6気筒自然吸気で最高出力318馬力を発揮。エンジンは出力特性が変更されるにとどまるライトチューンですが、組み合わされるトランスミッションはカタログモデルには無い6速MTのみと、特別に設定されました。

 シャシは252か所のスポット溶接打点追加によって剛性アップが図られ、足まわりでは新開発のショックアブソーバーを装備。パワーステアリング特性が最適化されるなど、やみくもなチューニングではなく基本性能の向上を重視しています。

 また、外装のエアロパーツは控えめですが専用の前後バンパーに、4本出しマフラー、19インチ鍛造ホイールが装着され、まさにオトナのスポーツセダンという雰囲気を演出。

 内装も専用スポーツシートにカーボン調パーツを随所に使い、ブラックに統一した意匠によりスポーティなコクピットを実現しています。

 しかし、前述のとおり2019年の末にマークXは生産を終了。マークX“GRMN”はマークIIから続いた50年以上の長い歴史に幕を閉じるにあたって、集大成といえるモデルだったのでしょう。

●ボクスホール「ロータス カールトン」

 日本時間で2021年7月7日に、英ロータスは最後の内燃機関搭載車として、新型スポーツカーの「エミーラ」を発表しました。

 ロータスというと軽量なスポーツカーを数多く世に送り出してきたメーカーですが、その一方でエンジニアリング会社という一面もあり、一般的な市販車のチューニングも手掛けています。

 そのなかの1台が1991年にデビューしたボクスホール「ロータス カールトン」です。

 1980年代からロータスはGMの傘下にあり、当時はドイツのオペルとイギリスの老舗メーカーであるボクスホールもGMの傘下に収まっていました。

 このボクスホールが1987年に発売したミドルクラスのFRセダン「カールトン」(オペルブランドでは「オメガ」)をベースに、ロータスがチューニングしたのが、ロータス カールトンです。

 搭載されたエンジンは、ギャレット製ターボチャージャーが2基装着された3.6リッター直列6気筒DOHCツインターボで、ロータスのチューニングにより最高出力382馬力を誇りました。

 トランスミッションは6速MTで、これはシボレー「コルベット ZR-1」に採用されたギアボックスを流用したといいます。

 外観では前後のバンパーが専用デザインで、とくにフロントは各冷却系を効率よく冷やすために開口部が大きく開けられ、サイドステップ、オーバーフェンダー、大型のリアスポイラーが装着され、迫力あるルックスを演出。

 さらに17インチホイール、AP製4ピストンフロントキャリパー、専用チューニングされたマルチリンクサスペンションにより、エンジンパワーに見合う運動性能の向上が図られました。

 フロントとサイドには伝統的なロータスのエンブレムが装着されており、ロータス カールトンはあくまでもロータスのモデルの1台という位置づけでした。

●アルファロメオ「ジュリア GTA/GTAm」

 2017年に発売されたアルファロメオ「ジュリア」は、同社のフラッグシップに位置するミドルクラスセダンで、駆動方式はFRを採用してボディサイズ的にもBMW「3シリーズ」に対抗するかたちで開発されました。

 このジュリアのハイパフォーマンスモデルが「ジュリア 2.9 V6 BI-TURBO クアドリフォリオ」ですが、さらに2020年3月にはアルファロメオ創立110年を記念した特別なモデル「ジュリアGTA/GTAm」を発表。

 ジュリアGTA/GTAmは最高出力540馬力を誇る2.9リッターV型6気筒エンジンを搭載し、このパワーをリアタイヤのみで路面に伝えます。

 また、超軽量素材の広範囲な使用により、ジュリアGTA/GTAmはジュリア クアドリフォリオと比較して約100kgもの軽量化に成功し、パワーウエイトレシオはクラス最高の2.81kg/psを達成。

 外観はF1のコンストラクターであるザウバーエンジニアリングが開発したエアロキットが装着され、前後のトレッドを50mm拡大。足まわりとブレーキも強化された専用設計です。

 ほかにもリアのカーボン製ディフューザーと一体となったアクラポヴィッチ製のチタンエキゾーストや、20インチのセンターロックホイールが迫力を醸しています。

 さらに、ジュリアGTAmは公道走行可能なクルマでありながらも、2座のレーシングシートを装着して2シーター化され、ロールケージと6点式シートベルトを装備。リアシートにあたる場所にはヘルメットと消火器を格納するためのスペースが設けられています。なおGTAmの「m」は「モデファイド」を表しています。

 ジュリアGTA/GTAmは2021年4月26日から5月9日の期間限定で受注販売され、日本での価格(消費税込)はジュリアGTAが2064万円、ジュリアGTAmが2198万円でした。

※ ※ ※

 2021年7月7日に、BMWは新型「2シリーズクーペ」を発表しました。すでにラインナップされている「2シリーズアクティブツアラー」「2シリーズグランツアラー」「2シリーズ グランクーペ」は「1シリーズ」をベースにしたFFですが、新型2シリーズクーペは「4シリーズ」をベースとしたFRです。

 さらに伝統の直列6気筒エンジンを設定するなど、新型2シリーズクーペに対してのBMWのこだわりは相当なものといえます。

 コンパクトな2ドアFRクーペというと、もはや世界的にも絶滅が危惧されている状況ですが、もうすぐ発売されるトヨタ2代目「86」/スバル2代目「BRZ」もありますから、まだまだ火は絶えそうにありません。

こんな記事も読まれています

フェルスタッペンの支配、いつまで続く? ホーナー代表「楽しめるうちに楽しんでおくべき!」
フェルスタッペンの支配、いつまで続く? ホーナー代表「楽しめるうちに楽しんでおくべき!」
motorsport.com 日本版
ホンダが新型「軽バン」発売!“ 柱無い”斬新モデル、反響は? 6速MT&CVTの「N-VAN」136万円から
ホンダが新型「軽バン」発売!“ 柱無い”斬新モデル、反響は? 6速MT&CVTの「N-VAN」136万円から
くるまのニュース
新開発水冷エンジン搭載 MUTT MOTORCYCLES「DRK-01 125/250」発売
新開発水冷エンジン搭載 MUTT MOTORCYCLES「DRK-01 125/250」発売
バイクのニュース
ホンダの新型SUV『WR-V』、発売1か月で1万3000台を受注…月販計画の4倍超
ホンダの新型SUV『WR-V』、発売1か月で1万3000台を受注…月販計画の4倍超
レスポンス
クルマの事故で散らばった破片は「基本的に当事者」が片付ける必要あり! ただし勝手に「持ちかえる」「捨てる」はNGなワケ
クルマの事故で散らばった破片は「基本的に当事者」が片付ける必要あり! ただし勝手に「持ちかえる」「捨てる」はNGなワケ
WEB CARTOP
情報処理推進機構、欧州「カテナ-X」とデータ連携基盤の相互運用を検討 欧州の電池規則に対応
情報処理推進機構、欧州「カテナ-X」とデータ連携基盤の相互運用を検討 欧州の電池規則に対応
日刊自動車新聞
【スーパーテスト】馬力アップ+軽量化+縦と横方向のダイナミクス!630馬力の新型「アウディ RS7 パフォーマンス」がサーキットを駆け回る
【スーパーテスト】馬力アップ+軽量化+縦と横方向のダイナミクス!630馬力の新型「アウディ RS7 パフォーマンス」がサーキットを駆け回る
AutoBild Japan
渋滞135分!? 中央道「地獄のGW渋滞」いつ走れば回避可能? 「穴場の時間帯」を知れば全然混んでないことも 「ずらし移動が効果的」NEXCOの予測は
渋滞135分!? 中央道「地獄のGW渋滞」いつ走れば回避可能? 「穴場の時間帯」を知れば全然混んでないことも 「ずらし移動が効果的」NEXCOの予測は
くるまのニュース
新車販売はN-BOXとカローラが相変わらず絶好調だが……じわり「ホンダの登録車勢」が勢いを増していた!
新車販売はN-BOXとカローラが相変わらず絶好調だが……じわり「ホンダの登録車勢」が勢いを増していた!
WEB CARTOP
調子良かったのは何で? ノリス、苦戦予想した中国での好パフォーマンスにハテナ残る
調子良かったのは何で? ノリス、苦戦予想した中国での好パフォーマンスにハテナ残る
motorsport.com 日本版
ヤマハ「XSR900」 新型モデル「XSR900 GP」とリレーションを図った新色を設定
ヤマハ「XSR900」 新型モデル「XSR900 GP」とリレーションを図った新色を設定
バイクのニュース
トヨタ“新”「カローラ」発表! めちゃ精悍エアロに「上質内装」採用! 「スポーティな走り」の新「ACTIVE SPORT」 ベースモデルとの違いとは
トヨタ“新”「カローラ」発表! めちゃ精悍エアロに「上質内装」採用! 「スポーティな走り」の新「ACTIVE SPORT」 ベースモデルとの違いとは
くるまのニュース
空力とエンジン性能を高める“穴”の真相~カスタムHOW TO~
空力とエンジン性能を高める“穴”の真相~カスタムHOW TO~
レスポンス
メルセデス・ベンツ Gクラス【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
メルセデス・ベンツ Gクラス【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
MBP Motoが「モルビデリ」を買収! 歴史的ブランドが復活へ
MBP Motoが「モルビデリ」を買収! 歴史的ブランドが復活へ
WEBヤングマシン
【20世紀名車ギャラリー】ポルシェの原点にして傑作RRスポーツ、1959年式ポルシェ356Aの肖像
【20世紀名車ギャラリー】ポルシェの原点にして傑作RRスポーツ、1959年式ポルシェ356Aの肖像
カー・アンド・ドライバー
次期型「ステップワゴン」!? ホンダ「新型ミニバン」公開! “窓なし”「丸テール」が斬新すぎる! 新型「スペースハブ」にユーザーの反応は?
次期型「ステップワゴン」!? ホンダ「新型ミニバン」公開! “窓なし”「丸テール」が斬新すぎる! 新型「スペースハブ」にユーザーの反応は?
くるまのニュース
まもなく世界初公開!? BMW新型「X3」が最終テストを終了 人気のミドルSUV 4代目はどう進化する?
まもなく世界初公開!? BMW新型「X3」が最終テストを終了 人気のミドルSUV 4代目はどう進化する?
VAGUE

みんなのコメント

4件
  • なんでセダン3選の記事の〆が2ドアクーペなの?
  • ジュリアGTAなんて凄いのあるの知らなかった 値段も凄い(^_^;)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

265.7513.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.2800.0万円

中古車を検索
マークXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

265.7513.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

18.2800.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村