ジャガーのコンセプトカー「TYPE 00(タイプ ゼロゼロ)」が、日本で披露された。大変貌を遂げる、ジャガーの“今”と“未来”について考える。
超大胆なTYPE 00
ジャガーの“DESIGN VISION CONCEPT”である「TYPE 00」が、日本に上陸した。
TYPE 00は昨年 12 月のマイアミ・アート・ウィークで世界初公開して以来、パリの街中やモナコのオーシャンテラスなどで披露。そして、今回、日本でも披露された。
日本では、東京を拠点とするアーティスト兼アートディレクターのYOSHIROTTENとのクリエイティブなコラボレーションも実施。「TOKYO FUTURE 00」と呼ぶ没入型ビジュアルインスタレーションとともに、TYPE 00を展示した。
TYPE 00は、ジャガー創業者であるウィリアム・ライオンズ卿の信念「Copy Nothing(なにもののコピーではない)」に回帰することで誕生した、今後の展開を予告するBEV(バッテリー式電気自動車)だ。
展示されたTYPE 00のボディカラーは「インセプションシルバーブルー」。1960年代のジャガー「E-TYPE」の「オパレスセントシルバーブルー」からインスピレーションを得たという。
TYPE 00のエクステリアデザインは、BEVとしては異質だ。内燃機関を搭載しないものの、フロントノーズはかなり長い。いったいフロントボンネットの下には何が搭載されているのか、気になるところ。
跳ね上げタイプのバタフライドアは、かなりの大きさではあるものの、おそらく電動開閉式だから問題はない。ロングホイールベースだから居住性もそれほど悪くなさそうだ。インテリアは、“超”シンプル。触り心地の良いウール混紡素材を使うのが新しい。
コンセプトカーだから、このまま市販化されることは考えにくい。かつてのジャガーと異なり上質なレザーや、ホンモノのウッドをたっぷり使った華やかな雰囲気とは異なるが、これがジャガーの考える新しいラグジュアリーだろう。
全体としてはかつてのE-TYPEはもとより、XK120やXJ-Sを彷彿とさせる。ジャガーのスポーツモデルの伝統を継承しつつ、未来に向けて昇華させたデザインだ。
これまでのジャガーとは一線を画すものの、ファンの期待は裏切らない、はずだ。賛否両論あるものの、個人的にはジャガーの挑戦は大いにアリ。
市販モデルは2025年後半に、4ドアGTとしてデビューする。従来の「XJ」の後継とも言うべきモデルだ。TYPE 00のような2ドアクーペは、今後の登場に期待だ。
新しい4ドアGTは、専用の「JEA(Jaguar Electric Architecture)」と呼ぶプラットフォームを採用。WLTPモードで770km(478マイル)、EPA モードで692km(430マイル)の最大航続距離を確保し、わずか15分で321km(200マイル)分を急速充電可能だ。
新型の登場にあわせ、店舗もリニューアルした。新生ジャガーの世界に没入できるよう、環境やその土地の文化を取り入れた空間にするという。さらに、より広範なラグジュアリーリテイラーのグローバルネットワークを通じて、一層充実したエクスペリエンスを提供するそうだ。初のブランドストアは、パリの高級ファッション地区の中心である、8区にオープン予定。日本での展開は未定だ。
価格は2000万円台が予想されるから、ライバルはメルセデス・ベンツ「EQS」やBMW「i7」など。いずれのメーカーも同クラスの内燃機関搭載モデルを設定するが、ジャガーはEVのみとし個性と競争力を高める。
もうひとつのポイントは、フォーミュラEへの参戦だ。ジャガーは2016年、ジャガーレーシングのチームを再結成し、「I-TYPE」マシンとともにフォーミュラEへの参戦を開始した。2019年4月のローマE-Prixで、ABB FIAフォーミュラEにおけるチーム初勝利を果たし、ジャガーにとって1991年以来となる国際モータースポーツでの優勝を成し遂げた。2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権では、11回の表彰台、4回の優勝、3回のポールポジションを獲得し、292ポイントで準優勝に輝く。
現在参戦中のマシンは「I‑TYPE 7」。FIA公認のシングルシーターレースカーとして最高の加速力を誇る。まったく新しい最先端のパワートレインと全輪駆動システムを搭載し、わずか1.86秒で100km/hに到達。
2025年5月17日と18日に行われたTokyo E-Prixでも、表彰台には届かなかったものの、快走を披露。ニック・キャシディが2戦連続でポイントを獲得した。
フォーミュラEでのレース活動は、ジャガーの電気自動車開発をさらに加速させる狙いがある。レース活動で得た知見を、市販車、つまりは新しい4ドアGT開発に活かす。メルセデス・ベンツやBMWは、現在、フォーミュラEに参戦していないので、ジャガーの電気自動車開発はホンキだ。
新生ジャガーは、大きく生まれ変わるための努力を惜しまない。それゆえ、期待が募る。これまでジャガーに興味のなかった層にも響くことは間違いない。高級車の歴史を変える新しい4ドアGTの登場が楽しみだ!
文と編集・稲垣邦康(GQ)
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