人生で一度はポルシェを所持してみたい。そんなロマンあふれる生活に憧れを持っている人は多いことだろう。そんななか、実際にポルシェ911を日常の足グルマとして使う贅沢な生活を、20年以上続けた元オーナーがいた。なぜ、そこまで虜にハマッたのだろうか?
文:中谷明彦/写真:ベストカーWeb編集部
ランエボ使いが[ドイツ製スポーツカー]を20年以上も相棒にした本当の理由ってなんだ?
【画像ギャラリー】リアデザインが良い!! フォルムがたまらん964ターボを隅々まで見てくれ!!(13枚)
リーズナブルな価格設定に思わず即決
中谷氏が所持した3.3L仕様の964型911ターボ
1996年~2019年まで、およそ23年間にわたり1993年式タイプ964型ポルシェ911ターボをマイカーとして所有していた。ポルシェに詳しい方なら3.6Lのエンジン搭載車!?と思われるだろうが、私のクルマは3.3Lエンジン搭載車だ。
964型911ターボは1991年に3.3Lエンジンを搭載して登場し、1993年から3.6Lエンジンへとスケールアップされていた。だが当時ポルシェ社は経営状態が思わしくなく、3.6Lエンジンの新型が国内に導入されるには時間がかかるようだった。
そこで日本専用モデルとして3.3Lエンジン搭載のままコンピューターチューンで最高出力を320psから3.6リッターのカタログ値360psに迫る355psに引き上げ、LSDを備えた繋ぎモデルとして911ターボ・リミテッドなる仕様を販売していた。
聞くところによれば販売数は50台程度。ダッシュボードにウッドパネルをあしらった限定モデルとして設定されていた。
ちょうど1992年式の3.3Lの911ターボを探していた時に、ポルシェ・センターのギャランティードポルシェとしてショーウィンドーに並べられていたこのクルマを見つけ、意を決し購入したのである。
新車時の販売価格は2050万円(当時911では最高額車)だったものが1060万円のプライスタグがついていた。新車の3.6ターボは1850万円。中古車はまだ多く出回っておらず、あっても1500万円と高かった。
ポルシェ・センターのギャランティードポルシェは整備項目が素晴らしく充実。たとえば油脂類は当然としてサスペンションのショックアブソーバーやブッシュ、ブレーキパッドなど消耗品は新品に交換し、ほぼ新車に近い状態で納車してくれる。しかも1年間は保証も新車同様の内容で、そう思うとリーズナブルな選択と言える。
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憧れのドライバーに近づくために
伝説のドライバーであるスティーブ・マックインがドライブする911S
そもそも、なぜポルシェ911を購入しようと思ったのか。実はこの時点でマイカーとして所有する911は3台目だった。
最初は1989年式ポルシェ911カレラ4。次に1992年式の911カレラ2ティプトロニックだ。また同じ1992年式911カレラRSも所有したことになっているが、実はこれらは自分が経営者となっていた会社保有の車両だった。
1994年に会社を辞めた後、911の魅力を諦めきれず、独立した後に無理して手に入れたのだった。それほどポルシェ911に惹きつけられたのは自分がレーサーを職業としていたからだ。
レーシングドライバーに憧れるきっかけとなった1970年公開の映画「栄光のル・マン」のオープニングで、スティーブ・マックイーンが演じる主人公のマイケル・デラニーがポルシェ911に乗って森の中を駆け抜け、ル・マン市に駆けつけるシーンがある。
それを観て以来、レーサーとなってポルシェ911でサーキットに駆けつけるという理想が築かれたのだ。
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レーシングカークオリティを市販車で味わえる歓び
ル・マン24時間レースをはじめモータースポーツで大活躍した962C
加えて、1989年の全日本プロトタイプカー(グループC)耐久選手権をポルシェ962Cで戦い、そのデビュー戦で優勝。そしてすぐル・マン24時間に遠征した。そこで得たポルシェ962Cとロードカーである911の関係深さに感心させられる。
エンジンの空冷シリンダーブロックやピストン、コンロッド、クランク、モトロニックのインジェクションシステムなどが911と962Cは共通で、ドライブフィーリングもそっくりだった。
細かく言えば、ヘッドライトやワイパースイッチ、キーシリンダーも共通だ。ポルシェ962Cにはドアに鍵がついており、取り扱い説明書も備わる。部品番号の多くには964-911から始まる記号が表記され、市販車の964型911と多くのパーツを共有していることがわかったのだ。
そして962Cは3.2Lのエンジン排気量だったのである。つまり3.3のシリンダーと共通だった。962Cは当時でも1億円以上するレースマシン。911は高いと言っても1000万円で買える。そう思うと911がお買い得と思えてきたから不思議だ。
それまではカローラサイズの911がなぜ1000万円もするのか、納得がいかず、高価な911に魅力を感じなかったが、レーシングポルシェでレースを戦い、911の価値を正しく理解することができた、というわけだ。
964型911ターボ・リミテッドには10万km近く乗った。その間、レース会場のサーキットやベストモータリングのロケ会場にもこの911ターボで出かけた。
レーサーはポルシェでサーキットに駆けつける、という子供の頃に抱いた憧れの姿を、長きに渡り実践できたのはレーサー冥利に尽きた。
2019年。東日本大震災や様々な災害を身近に体験し、ポルシェに安全な場所で生き続けてもらいたいと願い、手放すことを決心した。その時、僕はプロのレーシングドライバーではなくなったのだと感じた。
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みんなのコメント
ポルシェはレーシングカーでもロードカーでも同じフィーリングてw
日本の車では有り得ないそんな事がポルシェの凄い所てw
欲しくて見るだけは見てたけど、さすがに買えんかった…