Cd値0.31、スタイリッシュで機能的な造形
ニュー・セリカは、どこから見てもビシッとカッコよく決めている。リアオーバーハングの非常に短いプロポーションが、いかにも軽快でスポーティだ。世界に通用するファッショナブルな新しさだ。ボディサイドの滑らかなウェーブは美しい。とてもセクシーなイメージを創造している。
「名車購入ミニガイド付き」速く、強いスペシャルティ! セリカGT-FOURの雄姿にファンは憧れた
空力的にもセリカの造形は優れている。Cd値は0.31と立派な数値である。空力性能を洗練させようとフラッシュサーフェス化をはじめ、ボディ回りをていねいに仕上げているのが品質感向上にも大いに役立っている。
刺激的なパフォーマンス。ハンドリングも一級品だった
試乗車は2000GT-R。2リッターの3S-GEU型エンジンは、さすがにパワフルだ。160ps/6400rpm、19 .0kgm/4800rpmのパワースペックを誇る。フルに実力を引き出せば0~400m加速を16秒フラット(2名乗車)で走り切るという。潜在能力は、ラクに200km/hを超える実力を持っている。文句なく一級品の性能の持ち主だ。
レッドゾーンの6700rpmまでスムーズに、そしてパワフルに回る。各ギアのスピードは、 1速で50km/h、2速で85km/h、3速で135km/hといったところ。スポーツ車らしくエンジンパワーをフルに活用するギアリングだ。
低速性もいい。4速・40km/hは約1500rpmだが、これが十分に実用ゾーンに入る。なんのストレスもなく流せるし、アクセルを踏み込めば、軽快な加速を開始してくれる。
レスポンスの良さも、このエンジンの魅力である。ターボエンジンのパワフルさもいいが、ボクは自然吸気のシャープなレスポンスが、やはり好きである。
足回りは、フロントがL型ロアアームを持つストラット式、リアはデュアルリンク式のストラット式だ。このところ日本のFF車の足回りは、ハイピッチで進化している。中でもトヨタはFF車革新の先陣を切っている。
ハイパワーエンジンを載せたFFセリカは、1速で不用意に深くアクセルを踏み込んで発進しようとすると、激しく前輪が空転する。このあたりは宿命的な現象だが、トラクションレベルは決して低くはない。発進さえこなせば、あとは遠慮なくパワーを掛けて大丈夫だ。前輪は忠実にハイパワーを路面に伝える。
コーナーで不整な路面や、うねりに出会っても挙動の乱れは少ない。フルストロークしたときの安定感もいい。
操縦性は、とりたててシャープではないが、軽快で素直な身のこなしを見せる。誰が乗っても安心してポテンシャルを引き出せるだろう。
FFに大変身したセリカは、実力としても速いが、高度な足回りが支える安心感によって、速く走れる点でも一級品である。(カー・アンド・ドライバー:1985年10月26日号掲載)
4thセリカ購入ガイド
4thセリカ(ST160/ST162/AT160型)は1985年8月デビュー。FRからFFに刷新したメカニズムと斬新デザインが話題を集める。主力モデルは2リッターツインカム(160ps)を積む2000GT系だったが、1.6リッター(130ps)の1600GTもバランスのよさで人気が高かった。1986年10月に4WDスポーツのGT-FOURを追加、1987年8月にマイナーチェンジし、同年10月にはコンバーチブルも加わった。市場では稀少車扱い。流通量はごく少ない。
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