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マシンもエンジンも絶好調でレコードまで記録するもそれでも届かぬチェッカーフラッグ! 絶好調の新生スバル BRZ GT300を襲ったSUPER GT第2戦の悲劇

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マシンもエンジンも絶好調でレコードまで記録するもそれでも届かぬチェッカーフラッグ! 絶好調の新生スバル BRZ GT300を襲ったSUPER GT第2戦の悲劇

 この記事をまとめると

■スーパーGT第2戦が5月3~4日の期間で富士スピードウェイにて開催

新兵器「水平対向6気筒エンジン」を搭載した注目の初陣! 生まれ変わったSUBARU BRZ GT300でSUPER GT開幕戦に挑んだ

■スバルにとっては新エンジン搭載のBRZで迎えた第2戦目であった

■コースレコードを更新するも決勝ではトラブル続きで苦渋をなめる結果に

 自らのコースレコードをさらに更新する圧巻の走りに注目集まる

 スーパーGT第2戦は、5月3日(日)が予選、5月4日(月・祝)が決勝というゴールデンウイークでの開催となり、静岡県の富士スピードウェイには2日間合わせて8万3600人の観客が集まりました。

 スバルBRZ GT300は今シーズン、新型エンジンであるEG33改水平対向6気筒3リッターツインターボを搭載しており、富士公式テストでもトップタイムを刻むなど好感触を得ているため、今回は期待がもてます。

 その期待通り、練習走行でもトップタイムを刻み調子の良さをうかがわせます。その勢いは衰えず、予選Q1のA組を担当した井口選手もトップタイムでクリアしていきます。その走りとアドバイスを受けた山内選手は、予選Q2でなんと1分34秒314というタイムを叩き出しコースレコードを塗り替えます。これにより、山内選手は通算17回目となるポールポジションをレコードタイム更新とともに獲得しました。

 予選を経て井口選手は「前戦の岡山大会ではタイヤ選択がうまくいかず、予選Q1落ちという悔しい思いをしました。マシンが速いことで、後ろからでも追い上げられるという、少し過信していた部分もあったかもしれません。今回は初心に帰って予選でぶっちぎりの速さを見せて、ポールから逃げのレースを行うという、以前からのBRZの戦うスタイルにしました。その結果、タイヤ選択もうまくハマり、自分が担当したQ1もトップで走れましたし、Q2を担当した山内選手がまさかのコースレコードを打ち立ててくるとは思いもしませんでした」と語ります。

 予選Q2でコースレコードを塗り替えた山内選手は、「岡山ではタイヤ選択で全然噛み合わず苦しいレースとなってしまいました。今回の富士ではタイヤ選択の考え方を変えて、よい選択ができました。練習走行でもよい走りができていました。予選Q2では井口選手からのセットアップのアドバイスをもらい、少し変更したことですごく走りやすくなり、ポールを狙えると思いました。それにも増してコースレコードを塗り替えられるとは思っていませんでしたので驚きです」と語ります。

 マシンは十分な速さを持っており、タイヤ選択とセットアップがうまくハマればトップを独走できる実力があることを証明してくれました。そして、まさかのレコードタイム更新でのポール獲得には誰もが驚きました。

 小澤総監督は「富士を速く走れる自信はありました。エンジンが変更になり、このエンジンの実力ならトップスピードも伸びると思っていましたが、ストレートで288km/hというトップスピードが出るとは思っていませんでした。持ち込みタイヤも、気温や路面温度にちょうど合っていると思います。とはいえ、今晩からの雨で路面に乗ったラバーは全部流されてしまうでしょうし、明日の朝からFIA-F4が走って路面変化もあると思いますが、それでもよい感じに走れると思います。得意の逃げレースでいければと思います」と語る通り、今回はセットアップやタイヤ選択など、走りに関してはすべてがうまくハマっているようでした。

 ドライバーとクルマがどうしても噛み合わないジレンマ

 迎えた決勝、朝方まで大雨と強い風が吹いていましたが、決勝レースが始まるまでには雨も止み、晴れ間が見えるまでに天候も回復します。午前中にFIA-F4が2レース行われたこともあり、路面もどんどん乾いていきました。

 しかし、決勝が始まる前に行う20分間のウォームアップ走行で、セットアップの最後の確認をしている最中に、左前タイヤがバーストしてしまいます。ゆっくり走行してピットに戻り左前を確認しますが、異常は見当たらなかったため別のタイヤを装着して走行を再開します。決勝を前に一抹の不安がよぎります。

 スターティンググリッドの先頭に並ぶBRZ。多くのファンが駆けつけ、決勝前にはファンミーティングも行われ、ファンは声援をチームとマシンに送ります。グランドスタンドのファンに手を振るドライバーにも笑顔が見えます。

 そして13時。いよいよ3時間の長いレースがスタートしました。スタートドライバーを務める山内選手は後続をぐんぐん引き離していきます。ペースの良さから「余裕のぶっちぎり」かと思いましたが、徐々に後続マシンのタイヤも温まり、追い上げが始まってきました。それでも順調にトップ走行を続けていましたが、突然左前のタイヤがバーストしてしまいます。

 これはウォームアップ走行と同じ原因と思われます。ドライブしていた山内選手は「突然計器に異常が現れたのですが、その後復帰したこともあり異常を感知するのに時間がかかってしまい、無駄に走行を続けてしまうことになりました。計器を信用することも大事ですが、ドライバーとして異常を感知してすばやくピットに戻る判断ができていれば……」と、トラブルが出てしまったことと、判断が遅れてしまったことを悔やんでいました。

 それでもピットにマシンを戻してチェックをし、問題ないということで再び新しいタイヤを装着して戦線に復帰します。今回の3時間レースでは2回のピットインが義務付けられているため、トラブルによる消化とはいえ、ルール上はここで1回目の義務を果たしました。

 その後はいつもの山内劇場よろしく、前を行くマシンをどんどん追い抜き、7位まで戻して井口選手にマシンを託します。

 井口選手に交代後も順調なペースで、タイヤやマシンに異常もなく順調に周回を重ねていました。

 しかし、レースも残りわずかというタイミングで、突如としてマシンをコースサイドに止めてレースを終えてしまいます。昨年行われたスーパーGT富士大会でも、井口選手が乗車しているときにトラブルが発生し、レースを終えています。その悪夢再びのごとく、井口選手はマシンをコースサイドに止め、呆然とコースを見つめていました。

 とはいえ、今回のレースにおける規定周回数74周を上まわる93周を走行しており、結果としてはトップから14周遅れの27位完走扱いとはなりました。

 レースを終えた山内選手は「どういうふうに受け止めたらよいのかわからないですし、どう言葉にして皆さん伝えればいいのかわからないです。しかし、起きてしまったことは仕方ないことですので、見直してまた頑張るしかないと思います。みんなで笑顔でチェッカーを受けたかった」と沈痛な面持ちでした。

 コースサイドにマシンを止めた井口選手は「予選まではすごくいい流れでした。圧倒的に速いBRZを皆さんに見せることもできました。しかし、3時間走りきれなかった。最後はチェッカーを受けたかったです。去年も最後半周でトラブルで止まってしまった悔しい思いがあったので、今回こそはチェッカーを受けたかったです。勝てるタイミングだったので勝ちたかったです」と悔しい表情を浮かべていました。

 小澤総監督は「我々のチームはいままでタイヤバーストをさせたことがなかったのですが、それなのに2回も起きてしまいました。そのため、使う予定とは違うタイヤを使うことになってしまったり、追い上げが厳しくなってしまったこともあります。タイヤに関してはダンロップさんとよく話し合っていきたいと思います。トラブルに関してはレースを終えたばかりでマシンも戻ってきていませんので、なんとも言えませんが、おそらく駆動系だと思います。エンジンが変わってパワーやトルクが出ているので、駆動系には注意を払っているのですが、それ以上に疲労が出てしまっているのかもしれません。対策品を含めて検討していかなくてはなりません。とにかく期待に沿うことができず非常に悔しいです」と語ります。

 いままではホームストレートでライバルに抜かれるシーンが多く見られましたが、今回はライバルを追い抜く、もしくは後続を引き離していくという速さを見せてくれました。また、コーナリングマシンとしての従来から持つ強さも見せてくれました。

 それだけに、トラブルが重なったことで勝てるレースを落としてしまいました。次戦はマレーシア・セパン戦が世界情勢を鑑みた結果キャンセルとなったことで、8月に行われる真夏の富士大会となります。

 幸いにして準備期間が長いため、原因究明と対策をしっかり行うことができるはずです。真夏の富士でBRZがより強くなった姿を見せてくれることに期待したいと思います。

文:WEB CARTOP 雪岡直樹
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