滑らかに旋回し、漸進的にテールスライド
今回の3台の、トルクウェイトレシオを比較してみる。アリエル・ノマド 2は1t当たり73.6kg-mと桁違いに高く、フォード・マスタング・マッハE ラリーの37.3kg-m、ランドローバー・ディフェンダー・オクタの32.4kg-mと続く。軽さがモノをいう。
【画像】オン/オフ兼備が面白い ディフェンダー・オクタ ノマド 2 マスタング・マッハE ラリー 全138枚
タイヤは、ノマド 2とディフェンダー・オクタがオールテレーン。マッハE ラリーはオールシーズンで、どちらかといえばオンロード向きといえる。ターボエンジンと電気モーターでは、トルクの発生スタイルも異なる。
グラベルコースを軽快に走るなら、アクセルペダルの加減で滑らかに旋回し、漸進的にテールがスライドし、鋭く加速できるバランスが望ましいと想像するだろう。軽く手首を傾けるだけで、旋回中のスタンスを瞬時に調整できる、敏捷性も欲しいところ。
意外かもしれないが、マスタング・マッハE ラリーは、まさにそんなバッテリーEVだ。電気モーターが、楽しさを引き上げている。先が見通せないような区間で、即時的なレスポンスが効果的に機能する。
コースをより我がモノとするマッハE ラリー
大きいディフェンダー・オクタは、比較すると明らかに安定志向。とはいえ、グッドイヤーのオールテレーン・タイヤが、グラベルで秀抜のグリップ力を生み出す。路面の凹凸をゴムのブロックが捉え、想像以上の速度域で駆け回ることができる。
反面、タイトコーナーへ高速で突っ込むと、6Dダイナミクス・インターリンク油圧ダンパーを持ってしても、2510kgの車重を受け止めるのは難しい様子。従来のディフェンダーより15%ほど興奮度は高いが、オクタが見違えてシャープなわけではない。
他方、マスタング・マッハE ラリーのタイヤは、80km/hを超えると表面に浮いた小石で流れてしまう。シャシー本来が持つ流暢さも、高い速度域では発揮されにくい。
そのかわり速度管理を意識すれば、最高に楽しい。反応の鋭いパワートレインと、低めの重心が功を奏し、コーナーではリカバリーもしやすい。ディフェンダー・オクタも面白いが、今回のスウィートラムのコースを、より我がモノとしている。
まるで別天地のノマド 2 運転体験は別次元
ノマド 2へ乗り換えると、まるで別天地。インタラクティブさに打ちのめされる。ディフェンダー・オクタで、存分に遊べる区間は長くない。マスタング・マッハE ラリーも、限定的なグリップ力と最低地上高、減衰特性で、安定して走れる区間は限られる。
ノマド 2なら、コースのすべてを楽しめる。コミュニケーション力の高さから、運転体験が別の次元に引き上げられている。
ただし、快適ではない。ディフェンダー・オクタやマスタング・マッハE ラリーでは、細かな凹凸をサスペンションが吸収し、その存在は包み隠されていた。ノマド 2は、あらゆる路面変化に岩や窪みを、腰や腕を通じて直接伝える。
体力的な負荷も小さくない。シャープなシャシーに合わせて、相当素早くステアリングホイールの角度を決める必要はある。それでも、操縦性は精緻で忠実。ドライバーの努力以上の、見返りで応えてくれる。
ガゼルのように跳躍し、しなやかに着地
ステアリングには情報が絶え間なく届けられ、望ましいラインかどうかを判断できる。オールテレーン・タイヤは、16インチのヨコハマ。グラベルでのグリップ力に唸らされる。丁寧に右足を傾ければ、52.7kg-mの最大トルクが確かに路面へ伝わる。
慣れれば、3速へシフトダウンし80km/hで抜けるようなコーナーを、意のままのラインで疾走できる。シャシーのすべてを、感じ取りながら。
ジャンピングスポットでは恐れ入る。さほど大きく飛び上がるコースではないものの、ガゼルのように跳躍し、しなやかに着地する。何度試しても、そのテイクオフとランディングは滑らか。喜びで、笑顔が止まらない。
オフロードを心から楽しみたい時、英国の選択肢で最大限に応えてくれるのは、ノマド 2だろう。常識の枠を超えたモデルかもしれない。しかし機会と予算が許すなら、臆せず手を伸ばしてみる価値はある。期待通り、比類ないほど素晴らしい。
オン/オフ兼備な個性派 3台のスペック
アリエル・ノマド 2(英国仕様)
英国価格:6万7992ポンド(約1326万円)
全長:3220mm
全幅:1850mm
全高:1420mm
最高速度:215km/h
0-100km/h加速:3.4秒
燃費:12.4km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:715kg
パワートレイン:直列4気筒2267cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:309ps/5950rpm
最大トルク:52.7kg-m/2850rpm
ギアボックス:6速マニュアル(後輪駆動)
フォード・マスタング・マッハE ラリー(英国仕様)
英国価格:7万6790ポンド(約1497万円)
全長:4712mm(標準マッハE)
全幅:1881mm(標準マッハE)
全高:1597mm(標準マッハE)
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.6秒
航続距離:508km
電費:4.6km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2343kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:91.0kWh
急速充電能力:150kW
最高出力:486ps(システム総合)
最大トルク:87.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)
ランドローバー・ディフェンダー 110 P635 オクタ・エディションワン(英国仕様)
英国価格:16万3545ポンド(約3189万円)
全長:5018mm
全幅:2008mm
全高:1970mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.6秒
燃費:7.4km/L
CO2排出量:304g/km
車両重量:2510kg
パワートレイン:V型8気筒4395cc ツインターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:636ps/5800-7000rpm
最大トルク:81.4kg-m/1800-6000rpm
ギアボックス:8速オートマティック(四輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
古いクルマの「自動車税」“割り増し”に国民ブチギレ!? 「なんで大切に維持したら増税なんだ!」「もはや旧車イジメ」「新車を生産するより環境に優しいのに…」と不満の声! 最大で「約13万円」の税額も!
吸いたすぎて我慢できない!! そんなヘビースモーカーライダーの悩み! タバコを吸いながらバイクに乗ると違反なの?
【MotoGP】「V4かどうかなんてどうでもいい! 速いバイクをくれ」クアルタラロ、去就もチラつかせヤマハに再度プレッシャーかける
「10年・30万km保証」の衝撃。BYDが本気で挑む、EVバッテリー不安の完全払拭策とは
「ウインカーを出す意味が分かりません」“素朴な疑問”にコメント殺到! 「免許返納しろ」「一生運転するな」怒りの声も? なぜウインカーは必要? “合図”を出すべき理由とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?