2リッター以下のほどよいパワーを使い切れるモデル
輸入車を含め、現在日本で買えるクルマのエンジンを改めて見ると、ターボやスーパーチャージャーといった過給機を持たないNA(自然吸気)エンジンがメッキリ減ったことに驚く。
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これはエンジンの小型化を含む小排気量化で燃費を向上させ、動力性能は過給機の装着で補うというダウンサイジングターボの普及によるためである。ダウンサイジングターボの普及はクルマの技術の進歩を考えれば真っ当なことであるが、それでも構造が比較的シンプルでごく自然な吹け上がりやモノによってはより高い官能的な性能を持つNAエンジンにも捨てがたい魅力がある。
そこで3回にわけて、日本車の2リッター以下の小排気量車、2リッター以上の排気量、輸入車の、今では希少になりつつあるNAエンジンを楽しめるクルマをピックアップしてみた。
1)日産マーチ NISMO S&日産 ノート NISMO S
日産車に設定されるNISMOシリーズは、現在日産のスポーツモデルとほぼイコールの存在である。
その中でマーチとノートに設定されるNISMO Sは、マーチは1.5リッター、ノートが1.6リッターのそれぞれスペックこそ目を引くものではないものの、専用チューンされたNAエンジンを搭載。
1.5リッターのマーチは軽い吹け上がりとパワーを使い切れる楽しさ、ノートは太いトルク感といった古典的なNAらしい魅力を持つ。車格などを考えると価格は決して安くないが、この手のクルマが欲しい日産ファンには魅力ある存在だ。
2)マツダ・ロードスター
「ライトウエイトオープン2シータースポーツ」というジャンルを改めて開拓し、世界中に大きな影響を与えた日本の宝と言える存在の1台であるロードスター。NAエンジンにこだわり、ソフトトップには1.5リッター、タルガトップに近いRFは2リッターのNAエンジンを搭載する。
ソフトトップの1.5リッターはパワフルではないものの、パワーを使い切れる楽しさとレッドゾーンまで官能的なサウンドを伴いながらの淀みない吹き上がりを楽しめる。
RFの2リッターは昨年のマイナーチェンジでレッドゾーンを1000回転! も上げたことで最高出力も大幅に向上し、1.5リッターの良さをほぼそのままにパワフルさを併せ持つという魅力を持つ。加えて1.5リッター、2リッターともに実用燃費が素晴らしいという点も有難い。
2社の技術を結集したNAエンジン
3)トヨタ86&スバルBRZ
日本のスポーツカー、スポーツモデル復活の大きな起爆剤として2012年に登場したこの2台は、水平対向2リッター4気筒NAを搭載。
絶対的な動力性能はマイナーチェンジ前のモデルでも十分で(パワーアップされたマイナーチェンジ後のモデルは迫力のようなものも感じるようになった)、ロードスターほどではないにせよ実用燃費が良好なのも嬉しい。
また86&BRZのエンジンは3000回転あたりの中回転域から太いトルクを出しており、とくにタイヤのグリップがそれほどではないスタンダードなモデルだと、好みや良し悪しは別にしてドリフト走行中のパワーコントロールがしやすい点も大きな魅力だ。
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