F1の2023年シーズン開幕前テストが終了。このテストを通じてマクラーレンが苦しんでいる様子が見て取れたが、新代表のアンドレア・ステラは、その要因のひとつにインフラ整備の問題があると語った。
3日間行なわれたプレシーズンテストだが、開始早々「いくつかの部分で開発目標を達成できなかった」とザク・ブラウンCEOが状況を明かすなど、マクラーレンとしては順風満帆な走り出しとはなっていないことが示唆された。
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ステラ代表もMCL60について、ドラッグ(空気抵抗)が大きく、空力効率の点で目標を達成できておらず、改善が必要だと語っていた。
ただそもそもマクラーレンは、昨年からドラッグの大きさに悩まされてきた。そのため2022年型マシンMCL36は、トップスピードとダウンフォースレベルとの間で妥協せざる得ななかったのだ。
2023年に向け空力効率を改善することは、チームとして取り組む優先事項のひとつとなっていたが、前述のようにMCL60の状況は芳しくない。
マシンの改善はひとまず4月末のアゼルバイジャンGPで予定されているアップデートを待つことになるが、2年連続で空力効率に苦しんでいる要因は、ファクトリーのインフラのオーバーホールとも関係があると、ステラ代表は語っている。
「ダメなところがあるとは言いたくはないが、様々な理由があるんだ」
ステラ代表はそう語る。
「技術的な部分……風洞を欠いていることなどはこれまでも伝えてきている。労働力という観点からも、我々は空力部門を拡大する必要がある。我々は縮小フェーズを経験してきたが、今はそのトレンドを変えている」
「トップチーム、たとえばレッドブルなどに視点を移すと、彼らは長期間の開発を続けていて、専門知識を溜めている。そして今、彼らはレギュレーションやその変化に対応できる状態にある。年々改善してね」
「継続的な改善と成長が必要なんだ。そして我々は、全ての分野で改善していく必要がある」
ただステラ代表は、MCL60の問題について予算上限を言い訳にしたくはないと、潔い姿勢を見せている。
「予算制限が我々にとって必ずしも制限になっているとは言いたくない」
「言い訳にしたくないんだ。マクラーレンは今、つぎ込めるリソースを持っているし、投資はすでに開始されている。コスト上限の中で最適化できているんだ」
「技術的、専門的な観点や一般的な見方からしても、F1でトップを争うために必要な水準を達成するためには、時間がかかるものだ」
「レギュレーション変更の影響ではない。我々は後退しているわけでもなく、ただ十分な速さで開発が行なえなかっただけだ」
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