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【好感度はクラス・ナンバー1】新型 プジョー2008 1.2ピュアテック 130に試乗

掲載 更新 2
【好感度はクラス・ナンバー1】新型 プジョー2008 1.2ピュアテック 130に試乗

DS3クロスバックと共有のアーキテクチャ

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)

【画像】2008、3008、5008とC3 全108枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


クルマは小さなパッケージングこそ良い、という考え方がある。あるいは、過ぎたるは及ばざるがごとし、という古い言葉もある。

従来からコンパクトカーを得意としてきたプジョーの、クロスオーバーの仕上がりはどうだろうか。ここのところ毎週のように、紹介するのはこのタイプのクルマ。

今回ご紹介するのは、新しく生まれ変わった2代目のプジョー2008。以前フランスで試乗した時は、とても好印象だったことは読者もご存知だろう。今回は、滑らかな道だけとは限らない、英国での走りを確かめる番となる。

定期的にAUTOCARをお読みいただいているのなら、プジョー2008の概要はご存知かもしれない。全長は150mmほど大きくなり、DS3クロスバックやオペル・コルサなどと共通のCMPアーキテクチャを土台とする。

動力は、内燃エンジンか電気モーターかを選べる。新しいプジョーを買う場合、モデルを決めたら、エンジンで走る従来的な自動車か、電気自動車かを選択することも、1つの流れとなる。プジョーの哲学だ。

純EVを購入するユーザー層が増えるのを温めるのに、賢い方法だと思う。プジョーによれば、英国では2008全体の購入者のうち、15%が純EVを選ぶと予想している。今回は1.2Lのガソリンターボ版を試乗してみよう。

ハンドリングも乗り心地も高水準

ハンドリングは夢中になるほど楽しいわけではないものの、2008はかなりエネルギッシュに向きを変えていく。ステアリングは反応に優れ予想がつきやすく、重み付けも自然。コーナーへ飛び込み、ピタリとラインを維持して旋回させられる。

グリップ力も、粗野な振る舞いにならない程度に良好で、姿勢制御にも優れる。ただし、ハイスピードで走らせて、爽快に楽しむようなクルマではないけれど。

日常的な速度域でいえば、まれにトゲのある乗り心地が垣間見られる。それでも、大部分の英国の路面を相手にしても、巧みに車内の快適性を保ってくれる。

舗装が剥がれて穴の空いたような場所では上品さに欠くとはいえ、リアにトーションビーム式サスを備えた背の高いコンパクトSUVだから、予想の範囲内。高速道路に乗れば、心地よく走るのに不足ない快適性がある。タイヤの転がり音や風切り音も、良く遮音できている。

DS3と同じプラットフォームを採用するだけあって、2008の走行時の洗練度は高水準。バギーのように柔軟で、あらゆる路面の乱れに立ち向かう準備は整っているようだ。

1.2L 3気筒ターボの最大トルクは23.4kg-m。充分な筋力を生かして、運転はとても安楽。エンジンの発するノイズも静かで、アクセルを踏み込んで回転数をレブリミット付近まで高めても、離れたエンジンルームから唸っているように感じられるくらい。

内外装のデザインはクラスで1番

試乗車は英国版らしくマニュアル車だったが、クラッチの重みもちょうどよく、トランスミッションの操作もシッカリ感がある。ストロークはやや長め。ブレーキペダルは、踏み始めがやや重く感じられた。

2008の見た目は素晴らしいと思う。似たりよったりに見えてしまうコンパクト・クロスオーバーの中で、プジョーは2008に際立った個性を与えることに成功している。

笑顔の口元のように見えるフロントグリルや、牙のようなデイライトは好みが分かれるだろう。だが、ずんぐりと少々まとまりに欠けていた初代より、間違いなく格好いい。

車内も同様。視覚的なデザイン面でいえば、筆者はこのクラスでベストだと思う。

光沢の強い黒のプラスティック部分は指の跡が残りそうだが、黄緑色のステッチや上品な間接照明、深く彫刻的なダッシュボードの造形など、全体が車内を引き立てている。適度にモダンで、魅力的だと思う。

進化しているとはいっても、プジョーのiコクピット流のドライビングポジションは、筆者の好みではない。ステアリングホイールはとても小さく、立体的に見えるデジタルメーターを隠さないようにするには、膝の上に乗せるように角度を下げる必要がある。

それ以外の操作性は良く考えられており、乗員空間も充分に広い。無理せず大人4名が乗ることができるだろう。東京から青森まで向かう場合でもない限り、リアシートの友人がハズレを引いたとは思わないはず。

ライバルモデルより高い好感度

荷室空間の容量は、リアシートを起こした状態で360L。同等のコンパクトカー並みの大きさではあるが、フォルクスワーゲンTロックの場合、445Lも確保できている。

コンパクトSUVというカテゴリーで見渡せば、プジョー2008は購入候補の上位に入れたいモデルだといえる。エンジンは上質で、ドライビングも良い。操作系の重み付けも丁度よく、運転姿勢も快適で心地よく過ごせる。

奥行き感のある3Dメーターも未来感があり、悪くないセリングポイントの1つ。インフォテイメント・システムの操作性は、ドイツ製ライバルの方が優れているのだが。

このカテゴリーの他のモデルと同じように、ドライバーが純粋に運転を楽しめるクルマではない。それでも見た目の良さや扱いやすさなど、一般ユーザーが感じる好感度でいえば、新しいプジョー2008は間違いなく秀でていると思う。

プジョー2008 1.2ピュアテック 130 GTラインのスペック

価格:2万6100ポンド(373万円)
全長:4300mm
全幅:1770mm
全高:1550mm
最高速度:196km/h
0-100km/h加速:8.9秒
燃費:15.4-17.9km/L(WLTP複合)
CO2排出量:-
乾燥重量:1192kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

2件
  • 英国人による英国人のための英国のレビューだって分かってるんで、親切のつもりか知らんが唐突に「東京から青森まで」とか書くのやめてほしい。
    そもそもこんな変な欧州車の記事読むような変人なら、ロンドンやエジンバラくらい普通に分かるやろ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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