キーを付けっぱなしにしたり、ドアロックし忘れたり、気軽にクルマを友人に貸したり、かわりに運転させたりと、所有するクルマの管理に無頓着な人はけっこう多いもの。しかし、窃盗犯やクルマを貸した相手が事故を起こしたり、違法行為を犯してしまったら、場合によってはその責任を負わなくてはならないこともあるのだ。そんな理不尽な事態を避けるためにも、クルマの管理をおろそかにした代償を知っておいてほしい。
文/藤原鉄二、写真/写真AC、イラスト/イラストAC
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クルマを貸した友人がスピード違反! 貸した側が違反金を払わなくてはならない場合も!?
スピード違反の場合は、オービスの画像があるため濡れ衣を着せられることはほぼないものの、警察への出頭など面倒なことが多い!
クルマを貸した知人が、スピード違反を犯してしまったら貸した側にもいろいろな厄介ごとが発生する。まず最初にクルマの所有者が警察から呼び出しされ、出頭しなくてはならない。もちろん、オービスにはっきりと顔が映っていて、所有者とは異なる人が運転していたことが証明された時点で、運転者が罰則を受け、違反金を支払うことになるにはなるが。
ただし、知人が罰則金の支払いを遅延した場合、催促は所有者に届くことになる。さらに悪いことにその知人が行方知れずなんてことになったら、違反点数は引かれないものの所有者に支払い義務が生じてしまうのだ。
クルマを貸す、運転させる時は運転免許の有効期限の確認を
口頭での大丈夫は信用しないことが一番。クルマを貸すからには運転免許の有効期限の確認は必要だ
クルマを貸した知人の免許の有効期限が切れていて、事故を起こした場合、場合によっては所有者も何らかの罪に問われる場合もある。更新していなかった理由はどうであれ、有効期限が切れていれば問答無用で無免許運転扱いだ。
もちろん貸した側だって「知らなかった」という言い訳は通用しない。そのため、第三者にクルマを貸したり、運転をしてもらう場合は運転免許の有効期限は確認することをお薦めしたい。
ちなみに、クルマを貸す相手が無免許と知りながら貸した場合には、「無免許運転幇助行為」という罪に問われ、刑事処分として3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。おまけに、行政処分として2年間の免許取消しという処分も科せられてしまう。
貸した側が駐車違反の罰則金を支払わなくてはならない!?
スピード違反とは異なり、放置違反金の場合は出頭する必要はないが、いずれにせよ他人の罰則金を肩代わりさせられるのは腹立たしい!
駐車違反にも要注意だ。もちろん、借りた側、つまり駐車違反を犯した本人が警察に出頭して駐車違反を認めれば、その人が反則金を支払い、違反点数を引かれることになる。
ただし、駐車違反を犯した本人が意図的に出頭しなかった場合、反則金が「放置違反金」という扱いとなり、違反を犯したクルマの登録者がそれを支払うことになってしまう。これは、車両の所有者が「適切な車両の管理」を怠った結果とみなし、所有者にも責任を負わせることを目的に平成18年に改正された法律だ。この規定により、道路交通法改正前に横行していた「友人にクルマを貸していた」という言い訳がいっさい通じなくなってしまったのだ。
ちなみに、放置違反金の支払いが滞ると車検を受けることができないため、逃げおおせることは100%不可能だ。
クルマを貸した本人が保険未加入であると所有者の保険が使われてしまう!?
軽い自損事故くらいならまだしも、超高額賠償となる人身事故を起こした場合などは、保険が使えなれば一生が台なしになってしまうことさえある
クルマを貸した知人が、自動車保険に加入していない場合には、かわりに所有者が加入している自動車保険を使うことになってしまう。そのため、クルマを貸す、または運転してもらう場合には友人が自動車保険に加入しているかを確認することは必須だ。
注意してほしいのは、貸す側が家族限定特約をつけた保険に加入している場合だ。万一、知人も無保険だった場合には、事故の賠償金は一円も支払われないことに……。賠償金の支払い分担に関しては、両者の話し合いにはなるが、とにかく全額保険に頼らずに支払うしかなくなってしまう。
もちろん自分の自動車保険が使われてしまうと、たとえ第三者による事故であっても等級が下がり、自動車保険料がアップしてしまう。こういったことからも、クルマを貸したり、運転させたりする場合には、事前に保険に加入しているかを確認することは忘れずに。
盗まれたクルマが事故を起こしたら、その責任を負わなくてはならない場合も
クルマの盗難事件は頻発している。ドアロックをしていても被害に遭うこともあるのに、鍵のかけ忘れなんてもってのほかだ
「ちょっとコンビニに立ち寄るくらいだからまあいいか」と、ドアロックをせずに駐車場にクルマを停めたことがある人は多いのではないだろうか? これは絶対にNG。盗難のリスクが高まるどころか、そのクルマで窃盗犯が事故を起こした時に、賠償責任を負わされる可能性もあるのだ。つまり、被害者なのに加害者の立場に置かれてしまう可能があるということだ。
実際、盗難の被害者が賠償責任を負うべきか否かというに関する裁判は過去にいくつも発生している。
賠償責任が生じると判断されるのは、「クルマの適切な管理を行っていなかった」とみなされた場合だ。たとえば、エンジンをかけっぱなし、ドアロックをしていなかった、キーを付けたままにしていたなど、第三者が容易にクルマを盗める環境にしていた場合は、不適切な管理とみなされる。
また、盗難被害にあったにもかかわらず盗難届を警察に提出せずに放置していた場合なども不適切な管理に該当すると判定されることもあるため、クルマの盗難に遭ったら即効で被害届を。ちょっとでも遅れて、その間に窃盗犯が事故を起こしたら、窃盗に遭ったという証拠がなくなってしまい、たとえしっかり管理していたとしても賠償責任が生じる可能性もゼロとはいえないからだ。
もちろん、クルマの管理を適切に行っていたと判断されれば、窃盗犯が人身事故や物損事故を起こしたとしても、盗難被害に遭ったクルマの所有者にはその事故に対する損害賠償責任は生じることはない。
同乗者として運転者の管理も重要! そそのかし行為で一発免取り!?
知らなかったなんて言い訳は通用しないのが飲酒運転。同乗者の刑事処分もかなり重いことは知っておこう
最後に、クルマだけではなく、運転手の管理も非常に重要であることは心しておいてほしい。自分が運転していなくても、運転者に対して「もっとスピードを出せ」「前のクルマがむかつくから煽っちゃえ!」などと危険運転をそそのかしたりした結果、事故を起こした場合には、「共同危険行為」とみなされ、そそのかした側も免許取り消しなどの処分が下される。「ノリでちょっと言ってしまった」なんて言い訳は通用しないのだ。
言うまでもないが、クルマを貸す時、同乗している時に運転者が飲酒している、酒気帯びであることを知っていた場合も、刑事処分が科せられる。同乗者には、酒気帯び運転の場合、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が、酒酔い運転の場合には、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる。
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例え親兄弟姉妹であろうと、
自分の愛車は絶対に貸さない。