電気自動車じゃない最新型アウディの魅力とは?
2025年7月に上陸したアウディのプレミアムSUV「Q5」に試乗することができました。
【画像】「えっ!…」日本でも人気のSUVが進化! これが快適性抜群のアウディ新型「Q5」です(30枚以上)
昨今のアウディは、BEV(電気自動車)にまつわる話題に事欠かないブランドです。
本国ドイツで開催されたイベントにおいて、「2026年以降に投入する新型車はすべてBEVとし、2033年を最終期限にエンジン車の生産を段階的に中止していく」という野心的なプランを打ち出したのは、2021年9月のこと。
それは、「BEVの未来はバラ色」と期待されていた時期であり、欧州委員会が「2035年以降はエンジン搭載車の新規販売を原則禁止する」という方針を策定した頃でした。当時の自動車業界は、BEVへと大きく舵を切りつつあったのです。
アウディはそうしたビジョンの下、BEVのラインナップを強化。ここ日本でも、2025年11月現在、「A6 e-tron」、「Q4 e-tron」、「Q6 e-tron」、「Q8 e-tron」、そして「e-tron GT」と、5モデルのBEVを選べる状況を整え、「アウディといえばBEV」というイメージを強化してきたのです。
それに対し、今回試乗した新型「Q5」はBEVではありません。誕生したばかりの新型車ですが、エンジンを搭載するアウディなのです。
そんな「Q5」のディーゼル車に試乗して強く感じたのは、「BEVに注力していたアウディだけど、エンジン車もいい出来じゃん」という思い。しかも「ディーゼルエンジンの完成度が抜群だな」と感じました。これらはウソいつわりない本心です。
車名の頭に「Q」とつくアウディは、SUVカテゴリーに属すモデル。なかでも「Q5」は、アウディのラインナップで「Q2」と「Q3」に次ぐ“下から3番目のサイズ”です。より大きなモデルである「Q7」や「Q8」は、正直、日本の都市部では持て余すほどのサイズなので、「Q5」は事実上、「日本で乗るには最も大きなアウディのSUV」といえそうです。
そのボディサイズは全長4715mm、全幅1900mm、全高1640~1655mmで、ドイツ車でいえばメルセデス・ベンツ「GLC」やBMW「X3」、日本車だとレクサス「NX」やマツダ「CX-60」辺りがライバルといえそうです
アウディが“プレミアムミッドセグメント”と位置づけるこれらのSUVは、北米市場における売れ線モデル。欧州でもコンパクトSUVと並ぶ人気セグメントとなっていて、「Q5」は販売台数を稼げるモデルであることからアウディの中核モデルと位置づけられています。
そんな背景から、通算3世代目となる新型のフルモデルチェンジは気合十分。“新世代の内燃機関用プラットフォーム”を採用したアウディ初のSUVであり、“48V MHEV plus”という新開発のマイルドハイブリッド機構を全車に採用しています。
今回のフルモデルチェンジには「BEVだけがアウディじゃないんだよ」という強いメッセージが込められているように感じたのは、気のせいではないでしょう。
新型「Q5」も先代モデルと同様、ベーシックなSUVらしい「Q5」と、「スポーツバック」と呼ばれるクーペSUVの2タイプをラインナップしています。
試乗車は、新型「Q5」の日本上陸を記念して設定された特別仕様車「エディション ワン」。「TDI クワトロ 150kW アドバンスド」をベースとする限定モデルです。
そのスタイリングは、シャープな顔つきやプレスラインが廃止されたボディサイドなどにより、先代のクールなイメージから有機的でやわらかみのある印象へと変化しているように感じました。
とはいえ、そのルックスは、ひと目で「Q5」と分かるもの。“らしさ”と変化が融合した巧みなデザインといえそうです。
新型「Q5」の駆動方式は全車“クワトロ”と呼ばれるフルタイム4WDで、エンジンは2リッター4気筒のガソリンターボ“TFSI”(204ps/340Nm)とクリーンディーゼルターボの“TDI”(204ps/400Nm)を設定。
さらに、高性能バージョンである「SQ5」用には、3リッターV型6気筒ガソリンターボ(367ps/550Nm)という3タイプが設定されています。
エンジンも足回りも格上の快適性
今回試乗した「エディション ワン」には、それらのうち“TDI”が搭載されていました。
冒頭でお伝えしたように、このディーゼルターボエンジンは完成度が抜群です。何がいいのか? それは、快適性とドライバビリティの高さに尽きます。
始動直後も走行中もエンジン音がとにかく静かで、運転していて「本当にディーゼルエンジンなの?」と何度も確認してしまったほど。昨今のディーゼルエンジンは静粛性がアップしていますが、新型「Q5」のそれはトップレベルに静かなのです。
さらに走り出してみると、乗り心地がお見事。快適性の高さは自信を持ってオススメできるレベルです。ファミリーカーとしての高いポテンシャルを感じられるモデルですね。
ちなみに、ディーゼルなのに「ガソリンエンジンが搭載されているのでは?」と勘違いしそうになった理由がもうひとつ。回転フィールがディーゼルっぽくないのです。
ザラザラとした雑味がなく、シルキーな回転フィールは4気筒ディーゼルとは思えないもの。また、アクセルペダルを深く踏み込んだ際、高回転域までなめらかに回転数が高まっていく様子もディーゼルらしくありません。
一方、太いトルクによる加速の力強さはディーゼルターボならでは。また燃費も、ガソリンターボより格上です。そうしたメリットを有しながらディーゼルのネガを上手に打ち消しているのですから、筆者(工藤貴宏)なら間違いなくディーゼルを選びます。
注目の新機構“48V MHEV plus”は、トランスミッションにモーターを組み込んでいることから、低速域ではエンジンを止めたままモーターだけで走行可能。さらに、同機構は、低回転域でのなめらかな発進にもプラスに働いています。
* * *
冒頭に記した2021年の宣言から4年弱が経過した2025年6月、アウディは当時掲げた計画を大幅に見直し、2035年以降もエンジン車を継続生産する可能性を示唆しました。
新型「Q5」でこれほど高い技術力を見せつけられた今となっては、「ディーゼルエンジンもまだまだ極めていって欲しい」と思わずにいられません。
欧州では昨今「ディーゼル車はオワコン」という見方が強く、市場では確かに、分類上“ディーゼル”に属す新規登録車は激減しています。
しかし、新型「Q5」が搭載するようなハイブリッドのディーゼル車は“ハイブリッドカー”に分類され、燃費と動力性能の両立を求める層から根強い人気を得ています。
そう考えると、電動化などで進化したディーゼル車は、まだまだ可能性がありそう。進化系エンジン車として高い完成度を誇る新型「Q5」は、BEVではないアウディではありますが、まだまだ未来は明るいと感じたのでした。(工藤貴宏)
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みんなのコメント
特にこのような車重のあるものはディーゼルがより良いです。