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注目のACO-IMSA統合フォーマット“LMDh”に対し「判断は時期尚早」とアウディは慎重論

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注目のACO-IMSA統合フォーマット“LMDh”に対し「判断は時期尚早」とアウディは慎重論

 アウディスポーツのカスタマーレーシング部門を統括するクリス・ラインケは、新世代プロトタイプ・カテゴリーの統合フォーマット“LMDh”は「あらゆる部分で必要な要件を満たす」規定ではあるものの、いかにプロトタイプで一時代を築いたアウディであっても、プログラムを評価して積極的に関与していくかについて「判断するのは時期尚早」だと慎重な姿勢を見せた。

 2020年1月末に発表されたACOフランス西部自動車クラブとIMSAの新世代プロトタイプ統合フォーマットは、フェラーリやBMW、トヨタのみならず、アウディと同じくフォルクスワーゲン・グループの傘下にあるポルシェなど、数多くのマニュファクチャラーから関心を集めている。

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 2016年にLMP1でのファクトリー・プログラムを終了したアウディスポーツがトップレベルのプロトタイプ・カテゴリー復帰にすることになれば、現代のスポーツカー・レーシングで最も成功を収めたマニュファクチャラーのひとつがLMDhの可能性を認めた証ともなる。

 カスタマーレーシング部門代表就任以前は、そのLMP1プログラムを率いた当事者でもあるラインケは、復帰を検討するに際しては「多くの要素を考慮する必要がある」と語った。

「現時点で、その可能性に言及するのは時期早々だ。しかし、我々は確実にその新規定に興味を持っているし、調査している」と、モータースポーツ専門サイトの『Sportscar365.com』の取材に応じたラインケ。

「これは単に、ふたつの異なるプロトタイプ規定が統合されるという単純な話ではない。私が考えるに、これは将来のテクノロジーを耐久レースの現場で磨き、プロモーションするという我々が夢に描いてきたビジョンの具現化となるはずだ」

「ル・マンに挑んだ直近のチャプターは終わりを告げたが、現代のロードカーに適用される先進技術は、耐久レースの現場で開発するのが(バジェットの面で)難しい分野のテクノロジーでもあるんだ。したがって、予算規制が主導的な位置を占める新たなフォーマットが導入されたことは、非常に重要かつ意味のあるステップだと思う」

 この新規定に搭載必須とされるハイブリッド・システムの詳細はまだ決定されていない段階だが、その技術はアウディにとっても「メイントピック」であり、将来的にこのLMDhプラットフォームに向け「カスタマーレーシング部門として関与する可能性はある」と述べた。

■LMDhはDTMの代替となる存在ではない

「明らかにそれはアウディのアプローチするところであり、電動ドライブトレインこそ我々のメイントピックだ」と続けたラインケ。

「我々はフォーミュラEに関与しているが、あちらはスプリントフォーマットだ。そのため、我々のモータースポーツDNAとして耐久フォーマットの推移をフォローし続けているし『現時点では関与していない』というだけなんだ」

「それはハイブリッドという技術が現在進行形のテクノロジーであり、(近未来の完全電動化技術の開発を優先すべく)そうしたカテゴリーに関与するという判断が、現時点での我々のポートオフォリオにない、ということでもある」

「しかしながら、このLMDhは現時点で我々がアクセス可能で、かつユニークな規定を採用したことにより、とても興味深いものになっている。現段階では具現化に疑問符は付くものの、将来的にカスタマーレーシング部門で関与する可能性は充分にある」

「欧州や北米の両大陸をまたぎ、多くのマニュファクチャラーに受け入れられやすいハイブリッドの仕組みを取り入れている。それにデイトナ、ル・マンといった重要な意味を持つレースで総合優勝を狙うことも可能だ。したがって、多くのチェックリストに印が打てる規定だと感じている」

 同時にラインケは、アウディのカスタマー部門にとってLMDhの潜在的な可能性が、DTMドイツ・ツーリングカー選手権のプログラムに取って代わる可能性はない、とも強調した。

「アウディの戦略は、何かを止めた場合でも、その人員を他の部門で活用することが第一義だと考えてはいない。何かを始めるには論理的な視野が必要だ。DTMがあるからといって、LMDhの検討を止めることもない、それらは無関係なんだ」

「メルセデスやアストンマーティンが去ったとしても、我々にとってのDTMの存在意義は、地元ドイツのファンの前で市販車部門でも直接のライバルとなるBMWと、真っ向勝負を繰り広げることにある。それこそが参戦意義であり、LMDhがそれに取って代わることはないよ」

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