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準備不足のルノーを虎視眈々と狙うアルファタウリ・ホンダ/スペイン人ライターのF1便り(1)

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準備不足のルノーを虎視眈々と狙うアルファタウリ・ホンダ/スペイン人ライターのF1便り(1)

 バルセロナでの2月のプレシーズンテストでは例年と同様の感触があった。それはまたもメルセデスが圧倒的優位に立つ年になるだろうという全体的な感想だ。過去2回のプレシーズンテストの後で、フェラーリが調子を出せていなかったという事実はあまり普通のことではない。

 期待していたパフォーマンスを彼らが隠していたのではないかという疑いがあるが、1年間にわたりほとんどレギュレーションの変更がないため、物事が劇的に変わることがないのは確かだ。では2020年に向けた各チームの仕上がりはどのようなものだろうか?スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアが全チームのF1プレシーズンテストを総括する。

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■マクラーレン

 過去数年間、マクラーレンは地位を回復するのに素晴らしい仕事をしてきたのは明らかで、昨年のブラジルGPでのカルロス・サインツJr.は、表彰台フィニッシュにふさわしかった。しかし、それはチームが1年前のルノーと同じ状況にあることを意味する。コンストラクターズ選手権での4位から上を目指すのは簡単なことではないからだ。

 なぜならその後の唯一の目標となるのは、ビッグ3に追いつくことであり、それは過去数年にどのチームも達成できていない途方もない仕事だ。

 2020年はマクラーレンにとって移行の年となるだろう。彼らはエンジンパートナーとしてメルセデスと組む将来に目を向けている。しかしながら、今年の目標はふたたびランキングで4位につけ、先頭グループに近づくことだろう。彼らのプレシーズンテストはそれを目指すに十分な内容だったが、彼らは好調な走りを見せているレーシングポイントと戦わなければならなくなるだろう。レーシングポイントを倒すには、ドライバーラインアップが鍵となるかもしれない。

■ルノー

 間違いなく、私はプレシーズンテストにおけるルノーが“期待外れ”であったと言わなければならない。完成版のカラーリングもなく、まったく目立つことのない6日間を過ごしたことで、非常に暗いシーズンスタートとなった。

 マシンは速く恐ろしげに見えるし、ドライバーラインアップは、ダニエル・リカルドとエステバン・オコンというこれ以上ない組み合わせである。またオコンはルノーが前進するのに役立つ一部の情報をメルセデスから持ち出すことを許されているのだ。

 だがそうしたすべてのことがあっても、バルセロナにおける彼らのスピードはまったく印象を残すものではなかった。私は彼らに対する疑問を好意的に解釈したいが、それでもマクラーレンとレーシングポイントの方がより準備ができていたと考えている。

■アルファタウリ・ホンダ

 新たなチーム名、カラーリング、アイデンティティ。アルファタウリには、非常に刺激的な2020年シーズンを迎えるのに必要なすべてのものがそろっている。特に2019年にトロロッソが称賛を受けた2度の表彰台フィニッシュを決めた後ではなおさらだ。

 マシンは速く見えるし、彼らが記録したタイムから考えれば、彼らはルノーのすぐ後ろにつけているかもしれない。アルファタウリとレッドブルとの相乗効果が見た目以上に強いのなら、シーズン中に非常に興味深い形で進歩をみせる可能性もある。またピエール・ガスリーとダニール・クビアトはより上を目指しており、そのため激しく戦うだろう。
■ハース

 ハースがうまくいくよう願っていない者がいるだろうか?私は彼らが上位につけるのを見たい。特に ハースF1チームオーナーのジーン・ハースが、チームの将来は今年最初の数戦にかかっていると公言しているからだ。これはチームに向けられた重い言葉だ。言い換えれば、もしハースが十分な競争力を発揮しなかったら、彼らはF1から撤退するかもしれないのだから。

 バルセロナにおける彼らのスピードはそれほど印象を残さず、2019年の調子を考慮すれば、彼らが同様に苦戦することになると想像するのが妥当だろう。2020年シーズンのハースは楽観的に良いスタート切れることを楽しみにしているようだが、正直なところ私は彼らが2018年や2019年のオーストラリアにおける速さをだせるとは思えない。

■アルファロメオ

 ルノーと同じように、アルファロメオもまた“悪い驚き”だ。ピットレーンで新しい立派なカラーリングを目にした時は、速そうなマシンだと思った。しかし第一印象は裏切られることがあるし、最新のアルファロメオは見た目ほどには良くなかった。

 アルファロメオ(ザウバー)が時にプレシーズンテストでまったく目立たずに、後ですぐにスピードを発揮することがあるのは知られている。キミ・ライコネンが良い仕事をすることは間違いないし、リザーブドライバーに就任したロバート・クビサの存在はチームに技術的な深みを与えるだろう。

 もしアントニオ・ジョビナッツィのパフォーマンスが良ければ、ドライバーの点では彼らは良い位置につけている。しかしマシンには十分な性能があるだろうか?これまでのところ私はそうは思わないが、もしかすると……。

■ウイリアムズ

 F1に奇跡が起きることはないし、もちろんウイリアムズにこのルールの例外が起きることもないだろう。バルセロナでのプレシーズンテストを見て、一目瞭然だったのは、チームがこれからもグリッド後方に位置するだろうということだ。

 しかしながら全体的な感触は昨年よりは良く、少なくともジョージ・ラッセルとニコラス・ラティフィはペースの面でかなり離されていたわけではない。2019年のようにテストデーを逃すことがなかったので、マシンは昨年のものの進化版ではあるが、よりまとまっているように見えた。実際に見た目も非常によかったのだ!

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