■なぜ2019年は新型軽自動車が多いのか?
2019年は「軽自動車の年」ともいえます。3月には、日産と三菱の共同開発車「デイズ/デイズハイウェイスター」「eKワゴン/ekクロス」の新型モデルが登場。その後、同年7月にはダイハツの新型「タント」、翌月にはホンダ「N-WGN」が相次いでデビューしているのです。
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さらに秋以降には、デイズとeKワゴンの背の高い派生モデルとなる「デイズルークス」や「eKスペース」、さらにはスズキからも新型車の登場がウワサされています。なぜ、2019年はこれほどまでに、軽自動車の新型モデルが多く登場するのでしょうか。
軽自動車の歴史は、1949年に初めて軽自動車の規格が制定されたことから始まります。その後、時代とともに進化し、「経済性」や「利便性」といった日本人に合った特性から日本のクルマ市場になくてはならない存在となりました。
2019年で規格制定から70年を迎える「軽自動車」。近年、普通乗用車に引けを取らない性能や先進の安全機能を搭載したモデルも多く登場しています。
現在の軽自動車の規格は、「排気量660cc以下、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下」の三輪および四輪自動車となっています。
自動車検査登録情報協会の調査によると、2000年に2000万台、2018年には3000万台以上と、軽自動車は自動車の総保有台数において約4割を占め、「通勤・通学」や「買物・送迎」といった日常的に使うクルマとして、多くのユーザーに支持されています。
そのなかで、全国軽自動車協会連合会の発表によると、軽自動車を日常的に利用しているのは、「軽自動車ユーザーのうち女性が67%」となり、女性ユーザーが多いといいます。
また、ユーザー年齢層をみると60歳以上が占める割合は、2007年度では21%だったのに対して2017年度は34%と増加傾向にあるようです。
大手自動車メーカーのスタッフは、2019年に新型軽自動車が集中した理由について、次のように話します。
「各社の先代モデルが登場したときと、現在におけるユーザーの軽自動車に対するニーズが大きく変化していることが関わっているといえます。
たとえば、2015年度には「1位:室内の広さ・居住性」「2位:外観デザイン」「3位:ボディサイズ」が上位でしたが、2018年度では「1位:室内の広さ・居住性」は変わらないものの、それまで重要視されていなかった「2位:予防安全性能」「4位:衝突安全性能」や乗り心地(静粛性)といったニーズが高まっていました。
従来の普通車に求められていた、安全性能や乗り心地を求める応えるべく、各社はそれまで意識していた『軽自動車の開発コンセプト』を変えたことやライバル車の動向を注視した結果、発売時期が偏ってしまったのだと思われます」
※ ※ ※
近年の軽自動車は、2016年度にダイハツ「ムーヴキャンバス」の1車種、2017年度はスズキ「ワゴンR」、ダイハツ「ミライース」、ホンダ「N-BOX」の3車種でした。
しかし、前述の通りに2019年度はデイズ、ekワゴン、タント、N-WGNと、2019年9月時点でがすでに発売されているほか、デイズルークス、ekスぺース、そして人気の軽SUVスズキ新型「ハスラー」の登場も噂されています。
■軽自動車と普通車に起きている逆転現象とは
ひと昔前まで、軽自動車といえば安く購入できる代わりに、普通車に比べて安全・快適装備が少なく近場での利用がメインなクルマでした。
しかし、最近の軽自動車は普通車に引けを取らないほど装備・機能が充実し、軽自動車の価格も年々上昇傾向です。いまや200万円近いモデルも存在するため、普通車との差別化が難しくなっています。
これほどまで軽自動車の人気が高まった理由には、軽自動車の高級化があります。以前までの軽自動車には、万が一の事故時の安全性にマイナスなイメージがありました。
しかし、売れ筋のホンダ「N-BOX」には安全運転支援システム「ホンダセンシング」、スズキ「スペーシア」は予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」など、衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などの安全機能が標準装備化することで、マイナスなイメージが無くなりつつあります。
また、デイズ/デイズハイウェイスターとeKワゴン/ekクロスには、高速道路同一車線運転支援技術「プロパイロット(三菱はマイパイロット)」を搭載するなど、運転時の快適性も格段に向上しています。
最近の軽自動車について、日産の販売店スタッフは次のように話します。
「ここ数年で軽自動車は、走行性能・安全機能・快適装備などあらゆる面で普通車と変わらなくなっています。また、弊社に限っていえば『マーチ』や『キューブ』といった小型車がありますが、どちらも古いモデルといえ、新型『デイズ』と価格帯やパッケージで比べると見劣りします。
また、軽自動車最大の魅力といえる維持費の安さもあって、他社も含めて100万円台から設定される普通車のポジションが奪われつつあるように思います」
※ ※ ※
最近の普通車は、従来サイズが手頃だった5ナンバー車が、グローバル市場を見据えたモデルチェンジなどによって大型化したことにより、3ナンバー車に変わっているモデルもあります。
また日本には、道幅が平均3.9mという狭い道路が全体の8割にものぼり、運転が苦手な人や運動神経が衰え始めている高齢者には、軽自動車が最適なクルマなのです。
こうしたさまざまな背景によって、軽自動車のニーズが今まで以上に急速に高まったことも、新型軽自動車の登場が増えた要因かもしれません。
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